もり 美しい森林づくりニュース〈NO.16〉 -...

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〔平成19年5月31日(木 〕 美しい森林づくりニュース〈NO.16〉 ~ 伝えたい木の文化、残したい美しい森 ~ 発信元:林野庁 研究・保全課 森林環境保全班 企画調整係 山口 Tel :03-3502-8111(内線6216)03-3501-3845(直通)Fax :03-3502-2887 ◎ 第1回「美しい森林づくり全国推進会議」の開催について 明日6月1日(金)、第1回「美しい森林づくり全国推進会議」が 開催されます。 この会議は これまで進めてきた政府主導による運動とは異なり 民間主導による「美しい森林づくり」に向けた運動を展開するため 開催されるものです。 15時15分より東京都千代田区の東京グリーンパレスにおいて、発 起人及び各界の団体・法人より多数の参加を得て開かれ、代表の承 認や 「美しい森林づくり国民運動の宣言(仮称 」の採択が行わ れます。 17時からは、首相官邸大ホールにおいて、政府との意見交換会が 開かれることとなっており、安倍内閣総理大臣、塩崎内閣官房長官 や関係閣僚に出席いただき盛大に開催される予定です。 会議の模様については、次号において詳しく御紹介します。 今後、地方においても、都道府県推進会議を設立していただき、 「美しい森林づくり」の輪を広げていただきたいと考えています。 ◎「美しい森林づくり推進国民運動」を新聞(朝刊)で広告 第1回「美しい森林づくり全国推進会議」の開催に合わせて、6 月の1日~3日の読売新聞全国版に「美しい森林づくり推進国民運 動」が紹介されます。 1~2日は5段広告(モノクロ)ですが 3日は全面広告(A2カラー)です アニメキャラクターのゲゲゲの鬼太郎をナビゲーターとして、宮 林茂幸氏(東京農業大学)、横路美喜緒氏(NPO法人埼玉森林サポータ ークラブ代表)、大橋マキ氏(フリーアナウンサー)が豊かな森林の 中で “ 美しい森林づくり」のために今できること”について、 、「 対談している内容が掲載されます。

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  • 〔平成19年5月31日(木 〕)

    美しい森林づくりニュース〈NO.16〉も り

    ~ 伝えたい木の文化、残したい美しい森 ~

    発信元:林野庁 研究・保全課 森林環境保全班 企画調整係 山口

    Tel :03-3502-8111(内線6216)03-3501-3845(直通)Fax :03-3502-2887

    ◎ 第1回「美しい森林づくり全国推進会議」の開催についても り

    明日6月1日(金)、第1回「美しい森林づくり全国推進会議」がも り

    開催されます。

    、 、この会議は これまで進めてきた政府主導による運動とは異なり

    民間主導による「美しい森林づくり」に向けた運動を展開するためも り

    開催されるものです。

    15時15分より東京都千代田区の東京グリーンパレスにおいて、発

    起人及び各界の団体・法人より多数の参加を得て開かれ、代表の承

    認や 「美しい森林づくり国民運動の宣言(仮称 」の採択が行わ、 )も り

    れます。

    17時からは、首相官邸大ホールにおいて、政府との意見交換会が

    開かれることとなっており、安倍内閣総理大臣、塩崎内閣官房長官

    や関係閣僚に出席いただき盛大に開催される予定です。

    会議の模様については、次号において詳しく御紹介します。

    今後、地方においても、都道府県推進会議を設立していただき、

    「美しい森林づくり」の輪を広げていただきたいと考えています。も り

    ◎「美しい森林づくり推進国民運動」を新聞(朝刊)で広告も り

    第1回「美しい森林づくり全国推進会議」の開催に合わせて、6も り

    月の1日~3日の読売新聞全国版に「美しい森林づくり推進国民運も り

    動」が紹介されます。

    、 。1~2日は5段広告(モノクロ)ですが 3日は全面広告(A2カラー)です

    アニメキャラクターのゲゲゲの鬼太郎をナビゲーターとして、宮

    林茂幸氏(東京農業大学)、横路美喜緒氏(NPO法人埼玉森林サポータ

    ークラブ代表)、大橋マキ氏(フリーアナウンサー)が豊かな森林の

    中で “ 美しい森林づくり」のために今できること”について、、「も り

    対談している内容が掲載されます。

  • ◆「第8回とやま森の祭典」へキャラバン隊走る!

    23日(水) 「美しい森林づくり推進国民運動」キャラバン隊が、、も り

    富山県黒部市で開催された「第8回とやま森の祭典」を訪れ、この

    運動の普及・PRを行いました。

    、 、 、式典には 農林水産省を代表し 小禄中部森林管理局長が出席し

    農林水産大臣をはじめ、省幹部が全国各地に伺い、キャラバンを行

    っており、国民一人一人に対しこの運動に取り組んでいただくよう

    協力要請していることを、富山県民にもお願いしました。

    当日は参加者に、パンフレットが配布されたほか 「美しい森林、も り

    づくり推進国民運動」の特設ブースでは、パネルの展示や、この

    「森林づくりニュース」のバックナンバーも置かれ、石井知事をはも り

    じめ一般参加者の方々が、熱心に見学していました。

    県民のみなさんへお願いをする小禄局長 石井知事に「美しい森林づくり」ブースで協力要請

    政府広報インターネットテレビで続編放映中◆

    モリゾー&キッコロの美しい森林づくり(かんばつ編) が 同「 」 、「も り

    (はじまり編)」に引き続き放映されています。

    昨年度「森の名手・名人」に選ばれた埼玉県の樵(きこり)・そま

    師の浅見和夫さんより、間伐の大切さについて丁寧に説明されてお

    り、美しい森林づくりのために間伐が必要であることが紹介されても り

    います。

    詳しくは → http://nettv.gov-online.go.jp/ の21chをご覧下さい )( 。

    AFFに「美しい森林づくり推進国民運動」を特集で掲載◆も り

    今月発行のAFF(農林水産省広報誌)に 「 美しい森林」をみん、「も り

    なの手で!」とのタイトルで特集記事が掲載されています。詳しく

    は別紙のとおりです。

  • �� ��

    特 集1

    美しい森林

     

    みんなの手で!

    も    

    緑豊かな「森林の国」日本。

    わたしたちは古来から森と親しみ、

    森から多くの恵みを享受してきました。

    しかし、いま、日本の森林は危機に瀕しています。

    豊かな森を後の世代に伝えるためには、

    私たち一人ひとりの力が必要です。

    美しい森林を守り、育むために、

    森林づくりへの参加や、木の使用を進める

    「美しい森林づくり国民運動」が繰り広げられています。

    日本は、森林が国土の3分の2を覆

    う、世界有数の緑豊かな森林国で

    す。この森林を守り育てることは、

    未来に向け、国土を守り、豊かな水を育み、

    良好な地球環境を形成し、様々な生物を保全

    することにつながり、今生きている私たちの

    使命です。また「美しい国、日本」の礎とも

    なります。

     

    しかし、今、我が国の森林は危機的な状態

    となっています。森林を支える林業・山村の

    元気がなくなり、残念ながら間伐などの手入

    れが不足している森林が増えています。決し

    て、美しい森林とは言えない状況です。

     

    近年、局地的な豪雨が頻発し、各地で山が

    崩れる等の災害が発生するなど、かけがえの

    ない森林の機能の低下が危ぶまれています。

     

    また、花粉の発生を少なくするため、きち

    んと手入れを行い、スギやヒノキの森林を広

    葉樹などの森林へ導くことも大切なことです。

     

    このような中で、かけがえない森林を守り

    育て、地球温暖化の防止にも貢献していくた

    めには、森林づくりへ国民の皆様に大勢参加

    していただくことや、間伐材等の木材を生活

    の中で活かしていただくこと、そして、山村

    を活き活きとした地域に再生していくことと

    いった取組を進めていく必要があります。

           

    (中略)

     

    日本には、古来より「木の文化」がありま

    す。日本人は暮らしの中に森の恵みを取り込

    み、そして、豊かな森林を育ててきました。

    あなたの手が森林を育むのです。

     

    国民の皆さまとともに、森林づくりへの参

    加や木を使うといった運動を展開し、緑豊か

    な美しい国土を子々孫々まで伝えていきたい

    と考えています。

    「美しい森も林りづくり」の実現に向けて

    「美しい森林づくりのための  

    関係閣僚による会合」メッセージ

  • ��

    「美しい森林」は

    間伐によってつくられる

    森林を守るためには、自然のままにしておけばいい……そう思っていませんか?

    森林を健全な状態に保つには、間伐など、適切な手入れが欠かせないのです。

    「美しい森も

    林り

    」をみんなの手で特 集1

    も  

    間伐とは成長に伴って、混みすぎた林の立木を一部抜き伐りすることです。

    昭和30~40年を中心に植林

    成長

    間伐

    混みすぎ . . .。

    森がいきいきする!

    日本の人工林は約1000万ha

    健全な森林に育つ

    適切に間伐を行った森林 間伐の遅れた森林

    森林が生むもの

    つくるもの

    森林は、私たちが考える以上に、人々の生活と深く結びついています。

    森林が与えてくれる恵みについて、あらためて考えてみませんか?

    も  

    木と木の間に適度な間隔があるため、樹木の成長は良好。森林内には陽光が差し込み、若い木も順調に成長していて表土の流出も見られない。

    木と木の間隔が狭いため、樹木の成長が良くない。森林内には陽光が差し込まず下草が生えないことから、表土が流失して根がむき出しになっている。

    人々に安らぎを与え、多様な動植物

    を育む……森林は私たちに、さま

    ざまな恵みをもたらしてくれてい

    ます(図参照)。

     

    中でも近年とりわけ注目されているのが、

    森林の「地球温暖化防止効果」です。

     

    地球温暖化を防ぐためには、温室効果ガス、

    中でも温暖化への影響が最も大きいとされる

    二酸化炭素の濃度を減少させることが重要で

    す。森林は、その成長のなかで大気中の二酸

    化炭素を吸収し、幹や枝などに長期間にわた

    って蓄積する性質をもっています。つまり森

    林は、「二酸化炭素の吸収材」「二酸化炭素の

    貯蔵庫」として、きわめて重要な役割を果た

    しているのです。

     

    他にも、上に挙げたようにさまざまな恩恵

    をもたらしてくれる森林は、私たちの暮らし

    に欠くことのできない存在です。では、森林

    を健全に育てていくために、私たちにできる

    ことは何なのでしょうか?

    日本人は、太古の昔から木を植え、

    育て、その恵みを享受してきまし

    た。日本の森林は、第二次世界大

    戦によってその多くが失われましたが、戦後

    の経済発展のなかでさかんに植林が行われた

    ことで、回復を遂げました。

     

    ところが高度経済成長期に入ると、外国産

    木材が安く入手できるようになり、日本の木

    は一部の高級材木を除いて、商品としての競

    争力を失ってしまいます。そのため森林を支

    える林業・山村の元気がなくなり、手入れさ

    れないまま放置される森林が増えてきました。

     

    森林を育てる際、成長に応じていくらかの

    木を伐採します。これが「間伐」という作業

    です(イラスト参照)。

     

    間伐は、健全で活力ある森林を育成するた

    めに欠かせない作業です。間伐が行われない

    と、細くて弱い木材になってしまうばかりで

    なく、表土の流出や河川の氾濫など、森林環

    境に深刻な影響を与えます(写真参照)。

     

    こうしたことを防ぐためにも、私たち一人

    ひとりが森林と親しみ、森林を守る意識を高

    めることが大切なのです。

    イラスト/井塚 剛

    参考資料/「緑のボランティア読本」(地球緑化センター)

    水を守り、土と山を守る

    葉や木や根、そして地面に落ちた腐葉土などに

    水を貯めることで、洪水や土砂崩れ、山崩れを防ぎます。

    1

    たくさんの有効な物質を守る

    木材はもちろん、キノコなどの食糧、木の抽出物質など、有効な物質を供給してくれます。

    4

    快適な環境をつくる

    さまざまな汚染物質や騒音を吸収し、景観を保ち、都市の温暖化を緩和してくれます。

    5

    人に安らぎを与える森林浴や散策、

    レクリエーションの場として、森林は大きな役割を果たしています。

    6

    文化を支える

    伝統文化を支え、環境・自然教育の場を

    提供します。

    7

    地球の大気を守る

    空気中の二酸化炭素を吸収し、酸素を排出することによって地球温暖化を抑制します。

    2

    生物の多様性を守る微生物から高等生物まで、多種多様な生命を支え、貴重な遺伝子資源を守っています。

    3

  • ��

    る23人の理事がいます。理事を務めてくれて

    いる皆さんは、森林ボランティア団体の代表

    や林業家の方であったり、地元のNPO法人

    の代表の方であったりとさまざま。このよう

    に全国各地に理事を置くことで私たちがめざ

    しているのは、森と人と地域をむすぶ新しい

    社会ネットワークづくりという点にあるので

    す」。今

    回の高尾山のイベントでは、「み

    どりの日の周知キャンペーン、み

    どりへの認識と理解の啓蒙、みど

    りの募金活動」という3つの目的を持って行

    われた。イベントの中身は、トレッキングを

    楽しみながら途中5カ所のチェックポイント

    でクイズに挑戦する「森の面白クイズラリ

    ー」のほか、丸太切りやオリジナルクラフト

    づくり、お父さんの薪割りなど盛りだくさん。

    当日は、家族連れを中心に5000人以上の

    人たちがイベントに参加した。

     

    さまざまなプログラムを体験し、意気揚々

    とした子どもたちに感想を聞いてみると、

    「山登りは大変で少し疲れたけど、キレイな

    木とか花がいっぱい見られて楽しかった」と

    か「(丸太切りは)初めてなのでちょっと緊

    張した。でも、最後まで切れた時はすごくう

    れしかった」といった無邪気な答えが返って

    きた。

     

    都会で暮らす子どもたちにとって、今回の

    イベントは、森の恵みを知り、感じ、触れる

    ことができたという意味で、日常生活では経

    験できない貴重な思い出になったことだろう。

    親子で体感!

    森林が育む自然の息吹

    NPO法人「森づくりフォーラム」

    「美しい森も

    林り

    」をみんなの手で特 集1

    「美しい森林づくり」のために

    こんな取り組みが行われています

    美しい森林づくりのためには、森林と親しみ、森林を守る意識を高めることが大切です。

    このコーナーでは、2つのNPO法人の活動をレポートします。

    も  

    ゴールデンウィークまっただ中の5

    月4日。快晴の空の下、「みどり

    の日」にふさわしいイベントが東

    京都八王子市の高尾山で開催された。

    「森しん発見! 

    森しん体験! 

    高尾山」というイベ

    ント名が面白い。言うまでもなく、新発見、

    新体験をもじったネーミングだ。このイベン

    トを企画・運営したのが、東京都文京区に本

    部を構える「森づくりフォーラム」(代表・

    内山節氏)。人と森との新たな関係を築き、

    森と共に暮らす社会の創出をめざすNPO法

    人だ。同団体の理事で森林インストラクター

    の松井一郎さんはこう話す。

    「私たちの団体では、東京のほか、北は北海

    道から西は福岡県まで、全国11県1道に、そ

    れぞれの地域で森づくり活動に取り組んでい

    ❶高尾山の自然を学ぶことができるボードが随所に設けられている。❷イベント会場で行われた丸太切り体験。❸「森の面白クイズラリー」の途中、見たこともない花をイベントスタッフから教えてもらい、子どもはもちろん、お父さんお母さんも興味津々の様子だった。❹森林浴を楽しみながらのトレッキングで気分爽快。❺「森の面白クイズラリー」のマップは、クイズの解答用紙にもなっている。❻イベントに参加した子どもたちからのメッセージ。

    CASE.1森林と親しむ

    相澤

    正=

    写真

    photographer: Tadashi Aizaw

    a

    NPO法人「森づくりフォーラム」 http://www.moridukuri.jp/

  • 1011

    全国で数多くの団体が、森林づくりの活

    動を行っています。「自分も体験してみ

    たい」と思った方は、ホームページにア

    クセスしてみてください。

    森林づくりの活動に

    あなたも

    参加してみませんか?

    美しい森林を育てる 〝緑のボランティア

    〟たち

    NPO法人﹁地球緑化センター﹂

    「美しい森も

    林り

    」をみんなの手で特 集1

    東京都中央区に本部を置くNPO法

    人「地球緑化センター」(代表・

    高橋成雄氏)では、都市の緑、里

    山の緑、山の緑など身近な緑を育てる活動に

    誰でも参加できるさまざまなプログラムとフ

    ィールドを用意している。例えば土曜から日

    曜にかけて一泊二日で実施する「週末森林ボ

    ランティア」や緑のボランティア活動推進の

    ための講座・セミナーの開催。1年間山村に

    滞在して農林業などを手伝う「緑のふるさと

    協力隊」というのもある。同団体の専務理事

    である新田均さんはこう語る。

    「私どもを通じてこうした活動に参加する人

    は、年間のべ1万人もいるんです。また、特

    にボランティアに熱心な人たちが集まって、

    自然発生的に地域拠点ができる例もあります

    ね。こうした拠点が、現在全国に12カ所あり

    ます」。

     

    今回取材したのは、地域拠点の一つである

    埼玉県飯能市名栗地区の「名栗さわらび隊」。

    この日は、間伐の時期に備えて、急斜面の山

    道に平坦な作業道を整備する取り組みが行わ

    れていた。間伐されたまま放置されている

    木々を使っての土留めづくりは、かなりハー

    ドな作業だ。

     

    チームリーダーの齋藤憲弘さんは「以前、

    トレッキングをしている時に、たまたま荒れ

    放題の山を目にしたんです。このままじゃい

    けない、何とかしなければ、と思っていた時

    Column

    ❶土留めのために敷かれた木を固定する杭を打つ。力のいる作業だ。❷「名栗さわらび隊」の皆さん。前列左から二人目がチームリーダーの齊藤さん。❸固定された土留めの上に土を盛って、ようやく新しい道が出来上がる。❹土留めに使う木は、作業道の予定ルートに合わせた長さに一本ずつ切断される。

    相澤

    正=

    写真

    photographer: Tadashi Aizaw

    a

    CASE.2森林をつくる

    に地球緑化センターに出会いました。ボラン

    ティアを始めて、もう8年目になりますね。

    これからも体力が続く限り頑張りますよ」と

    話している。

    NPO法人「地球緑化センター」 http://www.n-gec.org/

    社団法人 

    国土緑化推進機構

    http://www.green.or.jp/

    ❸❹ ❶

    財団法人 

    森林文化協会

    http://www.shinrinbunka.com/

  • 1213

    木を有効利用することで

    豊かな森林が育ちます

    間伐を進めるためには、間伐材を積極的に利用することが欠かせません。

    間伐材の利用を進めるために、さまざまな取り組みが行われています。

    「美しい森も

    林り

    」をみんなの手で特 集1

    国産材、とりわけ間伐材の利用が進

    めば、日本の森林はもっと豊かに

    なります。

     

    間伐推進中央協議会(全国森林組合連合会

    など森林・林業関係17団体で構成)では、平

    成12年度から、間伐の実施や、間伐材の利用

    に向けて、斬新で積極的な取り組みを行う企

    業や団体を表彰する「間伐・間伐材利用コ

    ンクール」を実施しています。カテゴリーは

    「林業事業体による森づくり」、「森林ボラン

    ティア団体による森づくり」、「暮らしに役立

    つ間伐材利用」の3部門。

     

    このうち「暮らしに役立つ間伐材利用」部

    門で平成18年度審査員奨励賞を受賞したのは、

    もくもく絵本研究所(岩手県)が商品化した

    「木の絵本」。林野庁長官賞は置おけ戸と林産流通加

    工共同組合連合会の「木製ドームハウス」が

    受賞しました。

     

    私たちの普段の生活の中でも「美しい森林

    づくり」に参加できるチャンスはあります。

     

    例えば買い物の際に間伐材を利用した商品

    を選んだり、森林を守る活動を行っている企

    業や団体に寄付や募金をしたり……。

     

    左ページの例を参考に、あなたも今日か

    ら「美しい森林づくり」に参加してみません

    か?

    バイオマス・プラスチック「アグリウッド」は、トレーや食器などさまざまな用途が考えられている。  

    京都議定書では、2012年までに

    日本の二酸化炭素(CO2

    )の排出量を

    1990年の水準より6%削減すること

    を約束。そのうち3・8%を国内の森林

    によるCO2

    の吸収量で達成しようとし

    ています。しかし、日本では手入れが行

    き届かない森林の荒廃が進んでいるため、

    今のままでは、京都議定書の二酸化炭素

    削減目標達成が危ぶまれています。

     

    このため林野庁では、2005年度か

    ら国民運動として「木づかい運動」の取

    り組みを開始。国産材の積極的な利用を

    通じて山村を活性化し、元気な森林づく

    りを進めようとしています。

     

    ロゴマークに描かれている「サンキュ

    ーグリーンスタイル」は、CO2

    を吸収

    してくれる日本の森林に感謝しながら、

    目標の3・8%の達成に向かって国産材

    製品を身近に取り入れ、うるおいのある

    生活を送ろうというライフスタイルです。

    *これまで、日本の削減目標6%のうち3・9%に相

    当すると整理されていましたが、精査の結果、3・8

    %に相当することが分かりました。しかしながら、木

    づかい運動のロゴマーク「サンキューグリーンスタイ

    ルマーク」は変更することなく、今後も活用していき

    ます。

    日本の森にサンキュー

    「木づかい運動」

     

    ジュースやお茶などの売り場で、金属

    製の缶に交じって、ちょっと変わった容

    器を見かけたことはありませんか?

    「カートカン」は、間伐材や端材などの

    国産材を活用した「紙の缶」。紙の原材

    料である木材の使用を増やすことで、森

    林の整備に必要な経費が確保し、「植え

    る↓育てる↓収穫する」というサイクル

    をスムーズに循環させて、健全な森を育

    てることが狙いです。

    「5円の木づかい」と同じく、これも

    「木づかい運動」の実践商品。カートカ

    ンに使われている紙は、トイレットペー

    パーなどとして再生利用されています。

     

    昭和25年に始まり、春の風物詩となっ

    た「緑の羽根募金」は、平成7年に制定

    された「緑の募金法」に基づき、「緑の

    募金」として生まれかわりました。

     

    平成17年は3億4733万円が集まり、

    寄付金は森林整備や緑化促進のほか、ア

    フガニスタン復興支援植林事業など、海

    外の緑化事業にも使われています。

     

    募金箱は、全国の営業所、工場などの

    受付、社員食堂、売店、ショールーム、

    スーパーマーケット、コンビニ、書店、

    レストラン、病院、ホテルなどさまざま

    な場所に設置されています。緑の箱を見

    かけたら、ぜひ参加してみませんか?

    もくもく絵本研究所が商品化した木の絵本。4つの木を組み合わせて「誰が」「どこで」「何を」「どうした」のお話を作る、その名も「だれがどすた」。

    置戸林産流通加工共同組合連合会が開発した「木製ドームハウス」。鉄製骨組のビニールハウスに比べて、風雪などに対する強度に優れている。園芸用施設のほか、多目的展示施設やイベント施設などにも利用できる。

    ■割り箸で

     「5円の木づかい」

    ■「カートカン」

     

    飲料を選ぶ

    ■「緑の募金」に

     

    参加する

     

    私たちはいつしか「割り箸はタダでも

    らえるもの」と感じ始めています。

     

    そんな中、コンビニエンスストアの

    「ミニストップ」では、奈良県吉野地方

    産のヒノキの間伐材などで作った割り箸

    を「5円の木づかい」として1膳5円で

    販売しています。

     

    これは、林野庁などが進める国産材利

    用キャンペーン「木づかい運動」(コラ

    ム参照)の一環として行われている取り

    組み。

    「あなたの5円でいっしょに森を育てま

    せんか」のキャッチフレーズと「木づか

    い運動」のロゴマークが目印です。

    「木づかい運動」のシンボルマーク「サンキューグリーンスタイルマーク」

    Column

    間伐材利用コンクール

    ACT.1

    今日からできる「美しい森も林りづくり」

    ACT.2

    写真提供/全国林業改良普及協会