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資料 H25-1-7-7
先端研究施設共用促進事業
京都大学 エネルギー理工学研究所 ADMIRE計画
利利利利 用用用用 成成成成 果果果果 報報報報 告告告告 書書書書
Ⅰ-1. 利用課題名
繊維分野及び非繊維分野(金属・木材)における撥水・撥油膜(パールトーン加工膜)につ
いて、マイクロナノレベルの調査、解明をすることによって応用利用できる新規分野を開拓
する。
Ⅰ-2. 利用者名 國松朗
Ⅰ-3. 利用施設名
複合ビーム加工観察装置(FIB(JIB-4500))
電界放出型透過電子顕微鏡(FE-TEM(JEM-2200FS))
極低加速電圧電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM(ULTRA55))
Ⅰ-4. 利用期間 平成21 年11月 27日 – 平成22 年9月 30日
Ⅰ-5. 利用の目的・内
容
パールトーン加工は、繊維分野の撥水・防汚加工の先駆けとして 80 年前に開発された。石
油溶剤にフッ素系撥水剤やシリコン系撥水剤を加工対象の素材に応じて配合(約 150 パター
ン)、加工方法も浸漬や高圧噴霧など対象に適した方法(5 パターン)で、素材の風合いや
通気性を損なうことなく最大限に撥水性と防汚性を引き出すオーダーメイドの加工を日々
3000 点の着物に施している。しかしながら、加工膜については無色透明であることや、鉛
筆硬度でも測定不能である程度の柔らかい膜であることから、膜厚やフッ素の付着の様子を
観察することが困難であり、一般的な測定機器や、工業試験所の所有する顕微鏡では解明す
ることが出来ずにいる。今回、京都大学の施設を利用することでパールトーン加工膜が繊維
にどのように付着しているかを解明し、優位性を明確にした上で他社との差別化を図って行
きたいと考えている。
Ⅰ-6.社会・経済への
波及効果の見通し
繊維業界においても、昨今では「ナノレベルの加工」を売りにした機能加工や機能繊維が普
及している。また、食品のロボディスペンサーの内径の流動性向上や、ステンレスのピンホ
ールを防ぐことによる耐食性の向上、金型の離型性を向上させる目的で金属など非繊維分野
にパールトーン加工を利用したいとの要請も一部企業からいただいている、特に工業分野に
おいては加工膜について把握していることが第一条件である。
加工膜を解明することにより、繊維業界だけでなく他分野への応用利用についての可能性を
模索することができる。
Ⅰ-7.公開延期の希望 有 ( 年間) 無
資料 H25-1-7-7
Ⅱ.成果の概要
繊維(絹)について
・FE-SEM(Ultra55)による SEM 像
SEM 像による比較を行ったが、未加工、加工サンプルとでは見た目による違いは見られなかった。
・FE-TEM により STEM-EDS 点分析を行った。
未加工未加工未加工未加工
パールトーン加工パールトーン加工パールトーン加工パールトーン加工 繊維(絹)繊維(絹)繊維(絹)繊維(絹) 点分析定量点分析定量点分析定量点分析定量 比較比較比較比較
××××50k
Fのみ抽出のみ抽出のみ抽出のみ抽出
Pt蒸着蒸着蒸着蒸着 条件:条件:条件:条件:40 mA, 40 sec,0.05 MPa
加工済加工済加工済加工済
××××50k
F のみ抽出のみ抽出のみ抽出のみ抽出
未加工
未加工
加工
加工
資料 H25-1-7-7
未加工、加工サンプルとで比較を行った所、加工サンプルにおいて繊維表層部分と内部にフッ素系撥水剤に由
来するフッ素の分布がみられた。特に表層部分では多く分布している。このことにより、フッ素系撥水剤が繊
維内部、特に表層部分に多く浸透し膜を形成していることが分かった。