和漢医薬学(医学系)の人材育成(卒前・卒後) ① …プログラム メインテーマ企画 メインテーマ企画1 和漢医薬学(医学系)の人材育成(卒前・卒後)
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2016年8月作成A0113CY-IS5079604001
監修 大阪赤十字病院 皮膚科部長 立花 隆夫 先生
褥瘡状態判定スケールDESIGN®と外用薬・ドレッシング材の使い分け
【褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)に準拠】 褥瘡会誌(Jpn JPU), 17(4) : 487~557, 2015
DESIGN-R®(褥瘡経過評価用)
DESIGN®(褥瘡重症度分類用)
Depth 深さ*2
d
創内の一番深い部分で評価し、改善に伴い創底が浅くなった場合、これと相応の深さとして評価する
皮膚損傷・発赤なし
持続する発赤
真皮までの損傷
0
1
2
D皮下組織までの損傷皮下組織を越える損傷関節腔、体腔に至る損傷深さ判定が不能の場合
345U
Pocket ポケット
Depth 深さ(創内の一番深いところで評価する)
Exudate 滲出液(ドレッシング交換の回数)
Size 大きさ [長径(cm)×短径(cm)](持続する発赤の場合も皮膚損傷に準じて評価する)
Inflammation/Infection 炎症/感染
Granulation 肉芽組織(良性肉芽の割合)
Necrotic tissue 壊死組織(壊死組織の有無)
Pocket ポケット(ポケットの有無)
©日本褥瘡学会/2013*1 : “短径” とは “長径と直交する最大径” である*3 : 持続する発赤の場合も皮膚損傷に準じて評価する
*2 : 深さ(Depth : d.D)の得点は合計には加えない
©日本褥瘡学会/2013
p
毎回同じ体位で、ポケット全周(潰瘍面も含め)[長径(cm)×短径*1(cm)]から潰瘍の大きさを差し引いたもの
ポケットなし0 P4未満4以上 16未満16以上 36未満36以上
69
1224
Inf lammation/Infection 炎症/感染i 局所の炎症徴候なし
局所の炎症徴候あり(創周囲の発赤、腫脹、熱感、疼痛)01 I 局所の明らかな感染徴候あり(炎症徴候、膿、悪臭など)
全身的影響あり(発熱など)
39
Necrotic tissue 壊死組織 混在している場合は全体的に多い病態をもって評価する
n 壊死組織なし0 N 柔らかい壊死組織あり硬く厚い密着した壊死組織あり
36
Exudate 滲出液
eなし
少量:毎日のドレッシング交換を要しない
中等量:1日1回のドレッシング交換を要する
0
1 多量:1日2回以上のドレッシング交換を要する6
3
Granulation 肉芽組織
g
d
e
s
i
g
n
真皮までの損傷
1日1回以下
100未満
局所の感染徴候なし
50%以上(真皮までの損傷時も含む)
13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
なし
D
E
S
I
G
N
-P
皮下組織から深部
1日2回以上
100以上
局所の感染徴候あり
50%未満
あり
あり
治癒あるいは創が浅いため肉芽形成の評価ができない良性肉芽が創面の90%以上を占める良性肉芽が創面の50%以上90%未満を占める
013
G良性肉芽が、創面の10%以上50%未満を占める良性肉芽が、創面の10%未満を占める良性肉芽が全く形成されていない
456
E
Size 大きさ
s
皮膚損傷範囲を測定 : [長径(cm)×長径と直交する最大径(cm)]*3
S 100以上15
皮膚損傷なし4未満4以上 16未満16以上 36未満
0368
36以上 64未満64以上 100未満
912
慢性期褥瘡治療におけるDESIGN®に準拠した外用薬とドレッシング材の使い分け
外用薬
ドレッシング材
創面を閉塞し湿潤環境を形成する
乾燥した創を湿潤させる
滲出液を吸収・保持する
ハイドロコロイド、ポリウレタンフィルム※
ハイドロジェル
アルギン酸塩、アルギン酸/CMC、アルギン酸フォーム、銀含有アルギン酸、キチン、ハイドロファイバー®、銀含有ハイドロファイバー®、ハイドロポリマー、ポリウレタンフォーム、ポリウレタンフォーム/ソフトシリコン
代表的なドレッシング材機 能
基剤の種類
疎水性基剤
油脂性基剤
乳剤性基剤
水溶性基剤
懸濁性基剤
親水性基剤
代表的な外用薬特 徴
水分供給
水分吸収
水分吸収
保護・保湿
保護・保湿 中程度
少ない
中程度
多い
多い
基剤に適した創
(主に滲出液)の状態 壊死組織除去・感染制御
白色ワセリン、プラスチベース、単軟膏、亜鉛華軟膏
[油中水型(W/O)]吸水軟膏、コールドクリーム、親水ワセリン、ラノリン
マクロゴール軟膏
・カデキソマー・ヨウ素軟膏・ブロメライン軟膏・ポビドンヨード・シュガー製剤・ヨウ素軟膏
・アルプロスタジルアルファデクス軟膏・酸化亜鉛軟膏・ジメチルイソプロピルアズレン軟膏
ハイドロゲル基剤
[水中油型(O/W)]親水軟膏、バニシングクリーム
・スルファジアジン銀クリーム ・トレチノイントコフェリル軟膏
・幼牛血液抽出物軟膏剤・リゾチーム塩酸塩製剤
・アルミニウムクロロヒドロキシ アラントイネート軟膏・ブクラデシンナトリウム軟膏
・アルミニウムクロロヒドロキシ アラントイネートゲル
肉芽形成促進
外用薬の基剤による分類
ドレッシング材の機能による分類
*根拠とは臨床試験や疫学研究による知見を指す
※保険適用外
真田弘美,宮地良樹 編:NEW褥瘡のすべてがわかる, 永井書店, 大阪, 2012より一部改変
推奨度
スルファジアジン銀
ヨウ素軟膏
デキストラノマー
ブロメライン
ポビドンヨード
ヨードホルム
アルギン酸Ag
(滲出液が少ない時)
(滲出液が少ない時)
(滲出液が少ない時)
デキストラノマー
カデキソマー・ヨウ素
アルプロスタジルアルファデクス
アルクロキサ
トラフェルミン
ブクラデシンナトリウム
幼牛血液抽出物
アルギン酸/CMC
キチンアルギン酸フォーム
アルギン酸Ag
銀含有ハイドロファイバー®
アルギン酸/CMC
アルギン酸フォーム
(滲出液が少ない時)
(滲出液が少ない時)
ハイドロコロイド
ハイドロファイバー®
ハイドロファイバー®/ハイドロコロイド
ハイドロポリマー
ポリウレタンフォーム
ポリウレタンフォーム/ソフトシリコン
銀含有ハイドロファイバー®
ハイドロジェル ハイドロジェル ハイドロジェル
リゾチーム塩酸塩
アルギン酸塩
トレチノイントコフェリル(滲出液が少ない時)
トレチノイントコフェリル
ポビドンヨード・シュガー
Necrotictissue
十分な根拠*があり、行うよう強く勧められるA
根拠*があり、行うよう勧められるB
根拠*は限られているが、行ってもよいC1
根拠*がないので、勧められないC2
無効ないし有害である根拠*があるので、行わないよう勧められるD
Inflammation/Infection Exudate Granulation Size Pocket
壊死組織 炎症/感染 滲出液 肉芽形成 大きさ
酸化亜鉛
ジメチルイソプロピルアズレン
フラジオマイシン硫酸塩・結晶トリプシン
ポケットN→n I→i E→e G→g S→s P→(-)
注:臨界的定着が疑われる場合、外用薬ではカデキソマー・ヨウ素、ポビドンヨード・シュガー、ヨウ素軟膏、スルファジアジン銀、 また、ドレッシング材では銀含有ハイドロファイバー®、アルギン酸Agを用いてもよい。(推奨度C1)