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ファミコン黎明期、再び。 ~いま、やらずにいつやる ねん !~
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Transcript of ファミコン黎明期、再び。 ~いま、やらずにいつやる ねん !~
ファミコン黎明期、再び。~いま、やらずにいつやるねん!~
㈱スクウェア・エニックスプロデューサー
安藤武博
はじめに
パッケージの商品が5800円~8800円で売れる幸福な時代は・・・「終わった。」
それほど家庭用ゲームの登場のインパクトは大きかったということ。25年以上もブランド品であり続け、産業としてゲームが保護されていた。
今後もこういった商売が許されるのは当社で言うとドラクエ・FFといった「ブランド品」だけ。
新しいマーケットで、新しい価格でゲームを創ってみよう。
創ってみた。「ケイオスリングス」
仕様の選択集中を行い、携帯ゲーム機レベルの RPGを初めてiPhoneで展開。
全世界90カ国でダウンロード販売。( AppStoreで簡単にできる)値段もRPGとしては破格の1500円。
結果 世界15カ国でナンバー1。売れた。オリジナルのIPが売れて、ブランドとして立ち上がった。スクエニでも珍しい事。それが可能なマーケットがあることがわかった。
だが課題も残った
■1500円でも高いと言われる→お客様は相対的にしか価格を判断しない。
■マーケットは、まだまだこれから→価格はコンシューマーの4分の1だが 売上が4倍かというとそこまでではない。
■値下げ競争激化→EAやゲームロフトが同規模のタイトルを115円とかでセールする。
ゲームの本体価格は、もはや限りなく「0円」。新しい売り方が必要になってくる。
ケータイで新マーケットが確立SNSアプリの躍進
時代は「基本無料+追加課金」■ガラケーGREE・モバゲーで日商3億・月商10億以上のタイトルが複数登場
■スマフォ(ブラウザ)日商500万円のタイトルが登場
■スマフォ(ネイティブ)iPhone日商300万・月商6000万~1億のタイトルが登場
大手でなくても日商100万は現実的これらタイトルのほとんどが「オリジナル」
今年2月 GREEアワードでの光景
特に売上が目覚しい会社が受賞する。その顔触れは・・・。
オラッタアカツキiドメインサムザップオルトプラスシンフォニー
Blau etc・・・
コンシューマーのアワードではみられない新興勢力が続々受賞。中には設立半年の会社も。ちなみにスクエニは取れませんでした。何か「革命的な事」が起こっている!
ケータイで新マーケットが確立②
SNSとコンシューマーのゲームは作り方が違う
お金の取り方も違う(無料・パッケージ)
SNSで活躍しているのは新興勢力ばかり
もしかして無料・SNSのゲームってコンシューマーの人には創れない?
創ってみた。
結論「余裕。」なぜか?
「ナイツオブクリスタル」 for GREE 制作期間:3ヶ月 開発:有限会社サンアート(京都)
なぜ余裕?
一番の懸念はお金の取り方(マネタイズ)だった。
コンシューマー畑には永遠にわからない「無料独特の思想」や「ノウハウ」があるのではないか心配だった。
ところが、創ってみると全部「分析可能」だった。どのようにして分析したのか?
簡単。徹底的に売れているタイトルを遊んだだけ。
分析が有効・オリジナルでいける
ナイクリはスクエニのSNS先兵として有名タイトルのシステム模倣からスタート。→二番煎じだったのではじめは売れない
分析をして売れているタイトルの良いところを積極的に模倣・改良。→売上が5倍にV字回復。売上ランキング TOP10入り。
こう言うことは他のプラットフォームではあまりないナイクリも「オリジナルタイトル」である。
オリジナルタイトルで勝負ができる土壌がSNSにはある。
SNSの未来は明るい
コンシューマーだとオリジナルの挑戦は、かなりリスクが大きい。お金もかかる。ライバルも世界。
ゲームシステムもしっかり遊んでみるとコンシューマーゲームとは違う別の面白さがある。
スマートフォンになり世界市場も狙えるが、日本の市場だけでも十分に戦えるのでニッチなテーマでもいけるのが良い。
単純にSNSゲームを作るのは面白い!
業界の現状(西)
年間50社くらいの制作会社の方と会う。この面白さに「本当に」気づいている会社は少ない気がする。
でも興味は、なんとなくある感じ・・・。特に関西
・コンシューマーの移植案件ないですか?・最近は 3DSの受注が多いです・ VITAって、どない?
コンシューマー的発想が依然として根強い。
悪いことではないけど、なぜ?
なぜ SNS(もしもし)はダメ?
現状、大半の SNSゲームが「ゲームの面白さ」ではなく「マネタイズ」の部分で、お客様を心理的に購買に追い込む、えげつないコンテンツが多いから。
そんな事、面白いゲームを作り続けてきた、関西ゲームクリエイターの矜持が許さない。→ここが関西の素晴らしいところでもある!
もしくは単純に情報を取り入れてない。ほとんどが「食わず嫌い」、もしくは「知らないものへの恐怖」
もったいない。なぜならば・・・。
スマートフォン=ゲーム機になってきた
どちらかが無くなることはないがこっちだけでも十分だと思う人は増える。共存していく。
やれることがゲームプラットフォームと同じになったら、遊びの面白さはコンシューマーのノウハウが活きる。
マネタイズだけで儲かるボロい時代は終了。 やっぱり面白いものを創れる人でないと
売れなくなる。才能は分析「不可能」。
みんな気付き始めている
GREE/モバゲーはそれをよくわかっていてコンシューマーの大型タイトルの買収に注力。
・レイトン教授ロワイヤル・ Infinity Blade X for mobage
ヒットの要件
FAST・・・(誰よりも早く)
ONLY ONE・・・(誰もがやったことのない事)
MOST・・・(誰よりも沢山つくる)
SNSやスマフォで現時点で何もやっていないと3年くらいビハインドがある。
では今さら、無理なのか?
そんな事はない。
もういっかい言います。今後必要なのは「コンシューマーの開発力」
食わず嫌いをやめてSNSタイトルを分析すること。まず有名タイトルを、1週間やる。十分つかめるはず。
まだまだ新しい遊びと、お金の取り方はある。
かんたんな考え方:もし、これまで5800円で売っていたゲームの本体価格が、法律で0円になる時代がきたらどうやってお金を取るのか?
関西の底力
去年から関西のデベロッパー3社と「コンシューマー+SNS的お金の取り方」
な、コンテンツを開発中です。
いずれも高いクオリティ積極的なアイデア提案があり素晴らしい。
なによりもSNSになっても変わらぬ「ゲームの面白さへのこだわり」
面白さへの「粘り」お客様への「丁寧」な「もてなし」は世界一
オリジナルで大ヒットが出せる自社で大ヒットが出せる
お金の取り方は新しくなるけど大きな市場がまっている
ゲームも相変わらず面白く創れる
関西こそ、これができる。
今、絶対にやるべき。
面白いアイデアが思いついたら、
スクエニの安藤とやるべき。
ファミコン黎明期のようにチャレンジが報われる時代が再びやって
きている!
今回は、いつ終わるかわからないすぐにやろう!
遠慮無くおもしろいことをやろう!
僕とやろう!楽しくやろう!
関西から大ヒットを出しましょう。
毎月第三月曜日20時~ 4gamersでUSTREAM番組「迎夢作郎 Z」放送中!
「とんがったゲームを、みんなで考える。」企画会議の公開放送です。
仕事と関係ないですが、業界の皆さんと一緒に楽しくバンドやったりもしています。
おしまい。