日本環境効率フォーラムセミナー EPEAT web掲載...2011/01/31 · “IEEE Std 1680.1-2009” 環境パフォーマンスの指標 4.1有害物質の削減・撤廃 R
建設廃材の 新しい 有効 活用手法の研究
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建設廃材の新しい有効活用手法の研究社会工学専攻
24418576 Zhong Hua
目次 背景 目的 方法 結果 まとめ 考察 結論
背景平成 22年に日本の建設系廃材は全産業廃棄物の総排出量の 19%を占め,そのうち木質廃材が約 1357万トンであった .
現状の木質廃材の処理方法原木 製材品家屋解体くず木質ベレット等の工場廃材
合板・パーティクルボード
製紙・パルプ原料
パーク堆肥・炭化
バイオマス燃料
マテリアルリサイクル
サーマルリサイクル
建設系木質廃棄物処理は,運賃コスト,腐敗の発生,焼却後の二酸化炭素の発生など,さまざまな問題がある .
木質廃材の特性
木質廃材豊富な栄養素
強吸水性 植生の土壌には適していない
菌類の培地として適している
新たな処理方法木質廃材で菌類を栽培するリサイクル方法
目的建設系木質廃材の菌類培地としての開発菌種と培地中の木質廃材比率が菌類の成長にどのような影響を及ぼすか ?
方法 菌種の選択人工栽培で一般的に使われる栽培方法が明確な以下の三種を用いた.
ヒラタケ(Pleurotus ostreatus)
ナメコ(Pholiota nameko)
キクラゲ(Auricularia auricular)
培地番号 木質廃材 ふすま 砂糖 石灰A 0%(0g) 98%(294g) 1%(3g) 1%(3g)B 20%(60g) 78%(234g) 1%(3g) 1%(3g)C 40%(120g) 58%(174g) 1%(3g) 1%(3g)D 60%(180g) 38%(114g) 1%(3g) 1%(3g)E 80%(240g) 18%(54g) 1%(3g) 1%(3g)F 98%(294g) 0%(0g) 1%(3g) 1%(3g)
培地条件
培地の作成と播種方法各培地条件の基質を混合して, 485mlガラス瓶に入れる.さらに水を 180ml入れ,
12hr放置した.各培地を
1.2atm, 30minでオートクレーブした.常温状態になったところで,滅菌処理を行いながら各菌種を培地に播種した
播種したガラス瓶は暗条件で培養を行った.キクラゲは24℃恒温条件下,ヒラタケ,ナメコは 16℃恒温条件下で培養を行った.
菌糸の形成が確認された
培養方法
酸素と湿度を確保できるように,蓋を軽くして,乾燥しないように毎日水を加える.子実体が形成されたら,子実体は成熟するまで育成した.
データの計測方法
成長時間産出重量培地の乾燥重量子実体形成有無
生物学的同化効率生物学的同化効率 =(産出重量 )÷(実験前の培地の乾燥重量 )培地の分解率 培地の分解率 =(培地の乾燥重量-廃棄培地の乾燥重量 )÷(培地の乾燥重量 )子実体形成率 子実体形成率 =(子実体が形成された培地数 )÷(総培地数 )
結果 ヒラタケ
ナメコ
木質廃材比率(%) 菌糸満瓶時間 (d) 産量 (g) 生物学的同化率 (%) 廃棄培地の乾燥質量
(g)培地の分解率
(%) 子実体形成有無
0 62 18.20 6.07 298.60 0.47 有20 32 43.60 14.53 292.30 2.57 有40 48 30.40 10.13 295.70 1.43 有60 38 35.90 11.97 294.60 1.80 有80 40 24.80 8.27 298.20 0.60 無98 56 26.60 8.87 297.60 0.80 無
木質廃材比率(%) 菌糸満瓶時間 (d) 産量 (g) 生物学的同化率 (%) 廃棄培地の乾燥質量
(g)培地の分解率
(%) 子実体形成有無
0 68 30.40 10.13 295.30 1.57 無20 62 25.80 8.60 297.70 0.77 有40 49 33.20 11.07 295.80 1.40 有60 49 16.10 5.37 298.60 0.47 無80 45 19.60 6.53 298.40 0.53 無98 57 18.90 6.30 299.50 0.17 無
キクラゲ木質廃材比率 (%) 菌糸満瓶時間 (d)
産量(g ) 生物学的同化率 (%)
廃棄培地の乾燥質量(g )
培地の分解率(%) 子実体形成有無
0 - 0.00 0.00 300.00 0.00 無20 - 0.00 0.00 300.00 0.00 無40 - 0.00 0.00 300.00 0.00 無60 - 0.00 0.00 300.00 0.00 無80 - 0.00 0.00 300.00 0.00 無98 - 0.00 0.00 300.00 0.00 無
木質廃材の有無による菌類の成長状況
木質廃材有無0.000
0.002 0.004 0.006
0.008 0.010 0.012
0.014 0.016
無 有 木質廃材有無0
2
4
6
8
10
12
14
生物学的同化率(
%)
無 有
廃材有の方が成長が速い
成長速度( 1/d) 生物学的同化率
平均値 (%)0
1
2
培地の分
解率(%
)
木質廃材有無0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
子実体形
成率(%
)
無 有 無 有
培地の分解率 子実体の形成率
木質廃材の有無に依存した違いは子実体の形成率を除いて認められなかった.
木質廃材比率と菌種ごとの成長状況ヒラタケ ナメコ
0 20 40 60 80 100 0
10
20
30
40
50
60
70
80
廃材比率 (%)
成長時間(d)
0 20 40 60 80 100 0
10 20 30 40 50 60 70 80
廃材比率 (%)
成長時間(d)
ヒラタケ:木質廃材比率 50%が最適ナメコ:木質廃材比率 60%が最適
成長時間
ヒラタケ ナメコ
0 20 40 60 80 100 0
2
4
6
8
10
12
14
16
廃材比率 (%)
生物学的同化率(%)
0 10
20
30
40
50
60
70
80
90 10
0 0 2 4 6 8
10 12 14 16
廃材比率 (%)
生物学的同化率(%)
ヒラタケ:木質廃材比率 50%が最適ナメコ:木質廃材比率 0%が最適生物学的同化率
ヒラタケ ナメコ
0 20 40 60 80 100 0
1
2
3
廃材比率 (%)
培地の分解率(%)
0 20 40 60 80 100 0
1
2
3
廃材比率 (%)
培地の分解率(%)
ヒラタケ:木質廃材比率 45%が最適ナメコ:木質廃材比率 0%が最適培地の分解率
子実体が形成された培地個数
ヒラタケ ナメコ キクラゲ0
1
2
3
4
5
芽出しの培地個数
菌種の違いによる有意差は認められなかった
考察建設系木質廃材は多樹種の混合物であり,菌類の育成には不向きな場合がある.今回の実験ではキクラゲには不適切な樹種が含まれていた.建設系廃材に含まれる高分子有害物質は生物の育成に不適. →菌類は分解可能であり成長可能
結論1. 菌類の培地への木質廃材の利用可能2. 菌種により生育ができないものがある3. 適した菌種を選択することで廃棄物減量化が可能
今後の提案菌種の検討子実体の安全性の検討培地中の有害物質の減少量培地の再利用
ご清聴ありがとうございました .