多段通信路ネットワークにおける 信頼保証型マルチキャストデータ...
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本研究で実現したこと
• 多数の受信者にデータを配布する仕組み– 多数の利用者が同一のデータを受信する– マルチキャストを使用したデータ配送– 信頼性を保証した通信を行う
• 受信者数に対する規模性を持つ• ネットワークの帯域の多様性を考慮する
インターネットでのデータ配送
データ配送の使用例
• どこでも音楽が聴きたい– CD 1枚 =640MByte
• 何枚も HDD に入れておくには大きい
– 好きなときに聴きたい• CD を持ち歩くのはスマートでない
– ネットワーク上に置き、聴きたいときに取る
データ配送の典型例
データ
自宅 学校 会社
Network
大容量データ
多様な帯域のネットワーク
どこでも同じデータを再生したい
現在のインターネットでの問題点
既存の通信での問題点
• 既存のユニキャスト /TCP では?– 利用者が多くなると破綻する
既存の通信での問題点 (cont’d)
• IP マルチキャストを使う– 信頼性を保証する枠組みがない– 多様なネットワークの帯域を考慮していない
既存の通信での問題点 (cont’d)
• IP マルチキャスト上でのデータ配送システムが必要
• 配送システムの用途と効率を考える必要がある
• 現在のインターネットでは、マルチキャストを用いたデータ配送の仕組みがない
▼データ配送の要求を満たす配布の仕組みが必要
マルチキャストデータ配送
• 実時間性マルチキャスト– 実装が複数存在し、使用されている
• 信頼保証型マルチキャスト– Reliable Multicast– SRM/RMTP/MFTP など– 実装と利用例が少ない
Reliable Multicast の問題
• 信頼性の保証と配送性能– 速い受信者と遅い受信者
• ネットワークの多様性と配送性能– 送信者と受信者の位置関係
多様な受信者の受信能力を考慮すると→ 配送性能の低下→ 信頼保証機構の複雑化
今のインターネットでは……
• 「全てを叶える Reliable Multicast 」は不可能– 特定用途に最適化された RM– 使用用途によって手法を選ぶ
• 多数受信者に対する同期的データ配送システムがない
SHRM
• Segmented Hierarchical Reliable Multicast– セグメント化階層構造信頼性マルチキャストデー
タ配送システム
データ配送に特化した Reliable Multicast▼
• 信頼性保証の範囲を限定する手法を導入
本研究での解決手法の提案
SHRM(Segmented Hierarchical Reliable Multicast)
MLS 手法の導入
• MLS: Multicastable Local Segment– 概ね均質にマルチキャスト・データグラム
を配送可能なネットワーク• MLS 単位で完結した信頼性保証の仕組み
▼信頼保証の責任を持つ範囲を限定すること
により効率と規模性を両立させる
信頼性保証の範囲
• 均質な伝送品質を持った限定的ネットワーク– 通信路の多様性を考慮しなくて良い– 信頼保証の仕組みを簡略化できる
• 「均質」の意味– 同一帯域で配送可能なセグメントの集合
同一種のデータリンクで構成されたネットワーク・セグメント
MLS による配送システム
• 1つの MLS 内での信頼保証型データ配送
• 複数の MLS が相互に協調MLS
MLS
MLSMLS
MLS
信頼保証データ配送
データの移送
MLS の階層構造
• 広帯域 MLS が上位に、狭帯域 MLS は下位に
• 配送対象データは必ず最上位に
– データの流通方向が必ず一方向– 広帯域から順次重なるのが理想的なトポロジー
SHRM の設計と実装
MLS 内データ配送システム
• データの巡回送信・受信– データ一覧の広報– データの巡回送信– 欠落情報の補正
• Negative ACK を使用した信頼性保証• 帯域の使用レートを設定
– 静的なフロー制御
MLS 内データ配送システム
配送データ
配送データの一覧
データ・チャネル広報チャネル
パケット
送信側
受信側
広報データ受信
データ本体受信 再送要求
複数の受信者
MLS 間データ配送
• ホストが MLS 間を接続し、データを中継• 中継ホスト
– 上位 MLS に対しては受信ホスト、下位 MLSに対しては、送信ホスト
中継ホストデータ配送
データ配送
データの中継 上位MLS
下位MLS送信
受信
配布データ配送
• MLS の階層構造– 広帯域 MLS が上位に、順次低帯域のものへ
と接続– データの流れは、必ず上位→下位への一方
向• 下位 MLS中の配布データは、最上位 M
LSへ配送してから配布
SHRMまとめ
MLS
MLS
MLSMLS
MLS
信頼保証データ配送
データの移送
配布データ
SHRM上位 MLS
下位 MLS
実装
• Microsoft Windows 上での実装–アプリケーションとしての実装
• Windows98 / C++言語を使用• Winsock2.0またはそれ以降• 1 つ以上のネットワーク・アダプタ
– 実装上の拡張• ユニキャストによるデータ中継に対応• 中継ホストは 1 つのインターフェースで動作可• 再送要求をしない受動受信モード
– 片方向の通信路に対応
アプリケーション構成
アプリケーション動作の実際
上段・メイン画面下段左・設定下段右・配布データ追加
SHRM についての考察
SHRM と他の Reliable Multicast
Protocol 信頼保証 トポロジー
フロー制御
途中参加
受信者数
帯域の多様性
RMTP ACK 集約 TREE Cache △ 大 ×
MFTP NACK STAR Rate ○ 大 ×
RMP ACK RING Window △ 小 ×
TRAM SACK TREE Window △ 大 ×
SHRM NACK STAR+ TREE
Rate(静的 )
○ 大 ○
SHRM の特徴
• 欠点– 到着順序保証を行わない–パケット損失率が非常に高いと効率が低下
• 利点– 多様なネットワーク帯域への対応– 規模性と効率を両立– システムの簡易さ
まとめ
• Reliable Multicastへの要求とその問題点• SHRM
– 信頼性を持った、多数の受信者へのデータ配送に特化した有効なシステム
– MLS 手法の提案– MLS を用いたデータ配送システムの設計と実
装• ネットワークでの有効なデータ配布システ
ムの実現
今後の課題
• MLS 階層構造の動的な構築– 現実の広域ネットワーク上で、効率的な
MLS 階層構造を構成するための枠組み• フロー制御
– TCP Friendly なフロー制御– システムの簡易さ、全体のスループットと
のバランス