CUDA Fortranを用いた 圧縮性・非圧縮性流体の差分法計算 · 2015-06-22 · 流体の数値計算に対する立場 専門は流体の数値計算 気液二相流(気泡流)の数値計算法の開発・高精度化
プロペラまわり流れの 数値計算法に関する研究
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研究背景
従来の舶用プロペラの設計法ポテンシャル理論に基づく理論計算と模型試験
問題点粘性の影響非線型性
ナビエ・ストークス方程式に基づく数値計算による設計が必要であるが、計算を行う際の前処理の困難さと精度の問題からまだ CFDを用いての計算は一般的ではない。
粘性損失回転流損失
理想効率
実際の効率
荷重度
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研究目的
舶用プロペラ周り流れの数値シミュレーションを行うための計算格子生成法を検討する。
特に、前処理の手順の確立、及び格子解像度とプロペラ性能の予測精度との関係を検討する。
シャフト・ボスを含んだプロペラ幾何形状が複雑であり、CADで完全に三次元形状を再現することが困難
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従来の研究との比較プロペラ周り流れへの CFD の適用例として以下が有る。 宇都ら(1992) 舩野(2001)しかし、構造格子や部分的構造格子を用いているため、格子生成が困難であった。
そこで、本研究では、複雑形状まわりの格子生成が容易である完全四面体格子を採用した。さらに、解像度が必要なところに格子を集めるために、「解適合格子法」を導入した。
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解適合格子とは 計算結果を利用して、解像度向上の必要
な場所に充分細かい格子が配置されるように、分割し直す格子。
翼端渦などは、細かく分割すべき場所を事前に予測しにくいので、解適合格子は特に有効。
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プロペラ模型の主要目
翼数 4
直径 D 0.2143 (m)ボス比 0.1800ピッチ比 (0.7R)
0.8493
展開面積比 0.6000スキューバック
0.01257 (m)
レーキ 10.00(deg.)ConventionalPropeller
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一様流中でプロペラを回転させ、圧力一定の下、流速を変化させて推力・トルクを計測 プロペラ回転数 n=25[rps] プロペラレイノルズ数 Rn= =1.1×10 6
タンネル減圧により、 σn= =1.0 まで 7通り
それぞれのに σnについて、流速を系統的に変化 流速は、前進係数 Jが 0.05ずつ増すように調節
実験の条件
2nD
2)(21
nD
PP v
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実験結果 ( プロペラ単独性能 )
KT
-0.4
-0.2
0
0.2
0.4
0.6
0.8
0.2 0.4 0.6 0.8 1.0J
non-cavi.n=4.0n=3.0n=2.0
n=1.5n=1.3n=1.0
n小 0
10KQ
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実験結果のまとめ
キャビテーションは推力に影響を及ぼす事がわかるが、キャビテーションを入れた計算は現在、時間がかかる上に計算も合っていない
本研究では、非キャビテーション状態のみを数値計算する。
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数値計算
使用ソフトウェア
形状モデリング Pro/Engineer 2001 ( 3次元 CADソフト)
計算領域の定義と格子生成
Gambit 2.0( CFDプリプロセッサ)
数値計算 Fluent 6.0(汎用熱流体解析ソルバー)
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計算領域と境界条件の定義
3R
4 分の 1 対称領域 5R
3R
5R
流入(vel
ocity inle
t)
流出(pressure outlet)
周期境界(periodic wall)
すべり壁
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Fluent 推奨の計算条件 ( 計算 1)
セル数 約 20 万アルゴリズム SIMPLE
乱流モデル 標準 k-ε モデル反復回数 数百回圧力の補完 Standard
離散化のスキーム
1 次上流差分
四面体、非構造格子に分割
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計算結果 ( 計算 1)
誤差大( J=0.6 で推力 12%、トルク 47%の誤差)
-0.4
-0.2
0
0.2
0.4
0.6
0.8
0.2 0.4 0.6 0.8 1J
実験
計算1
0
KT
10KQ
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計算条件の改良 ( 計算 2)1. 圧力勾配による解適合格子を生成2. 計算条件を以下のように変更
計算 1 計算 2セル数 約 20 万 約 40 万乱流モデル 標準 k-ε RNGk-ε反復回数 数百回 数千回運動量離散化スキーム
1 次上流差分
QUICK(2 次精度 )
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計算結果 ( 計算 2)
誤差の低減に成功
( J=0.6 で 推力の誤差 12%⇒3% トルクの誤差 47%⇒19% )
-0.4
-0.2
0
0.2
0.4
0.6
0.8
0.2 0.4 0.6 0.8 1J
実験
計算1計算2
0
10KQ
KT
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まとめ③ 次に、以下のように改良して計算 格子の解適合分割 乱流モデルを RNGk-ε に変更 運動量方程式の対流項のスキームを QUICK に変更
推力係数 誤差 12%⇒3% トルク係数誤差 47%⇒19%