注意すべき感染症と その対策

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注注注注注注注注注 注注注注注注注注注 注注注注 注注注注

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注意すべき感染症と その対策. 感染症の成立. よく問題となる感染症. <接触感染>*経口感染も含む 感染性胃腸炎( ノロウイルス 、腸管出血性大腸菌等) 疥癬 MRSA <飛沫感染> インフルエンザ <空気感染> 結核 <血液を介した感染> HBV・HCV HIV. 総合的な感染予防策. 感染予防策の基本は標準予防策の徹底です!. 接触予防策. 飛沫予防策. 空気予防策. 標準予防策. 標準予防策とは?. すべての目視できる湿性の血液、体液、分泌物、創傷のある皮膚・粘膜等は、感染の可能性があるものとして取り扱う。 - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: 注意すべき感染症と その対策

注意すべき感染症と注意すべき感染症とその対策その対策

Page 2: 注意すべき感染症と その対策

感染症の成立感染症の成立

Page 3: 注意すべき感染症と その対策

よく問題となる感染症よく問題となる感染症<接触感染>*経口感染も含む<接触感染>*経口感染も含む 感染性胃腸炎(感染性胃腸炎(ノロウイルスノロウイルス、腸管出血性大腸菌、腸管出血性大腸菌

等)等) 疥癬疥癬 MRSAMRSA<飛沫感染><飛沫感染> インフルエンザインフルエンザ<空気感染><空気感染> 結核結核<血液を介した感染><血液を介した感染> HBV・HCVHBV・HCV HIVHIV

Page 4: 注意すべき感染症と その対策

標準予防策

接触予防策 飛沫予防策 空気予防策

総合的な感染予防策総合的な感染予防策感染予防策の基本は標準予防策の徹底です!

Page 5: 注意すべき感染症と その対策

標準予防策とは?標準予防策とは? すべての目視できる湿性の血液、体液、分泌物、すべての目視できる湿性の血液、体液、分泌物、

創傷のある皮膚・粘膜等は、感染の可能性があ創傷のある皮膚・粘膜等は、感染の可能性があるものとして取り扱う。るものとして取り扱う。

  必要に応じ、手洗い・手袋・ガウン・マスク  必要に応じ、手洗い・手袋・ガウン・マスク・ゴーグルの着用、針刺し事故防止対策、感染・ゴーグルの着用、針刺し事故防止対策、感染性リネン・感染性廃棄物等の取り扱いを性リネン・感染性廃棄物等の取り扱いをすべてすべての対象者にすべての職員が適正に行う。の対象者にすべての職員が適正に行う。

具体的には・・・

Page 6: 注意すべき感染症と その対策

血液体液

喀痰

便

尿

すべての湿性生体物質は感染性あり

HIV 、 B ・ C 型肝炎ウイルスなど

結核菌、インフルエンザウイルスなど

O157,  ノロウイルスなど

MRSA 、緑膿菌など

大腸菌、緑膿菌など

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標準予防策の基本標準予防策の基本 日常及び定期的な清掃日常及び定期的な清掃 手洗い手洗い // 手指衛生の励行と手袋の着用手指衛生の励行と手袋の着用 呼吸器の防護:マスクの着用呼吸器の防護:マスクの着用 眼の防護:フェースシールド、ゴーグルの着眼の防護:フェースシールド、ゴーグルの着

用用 ガウンや防護服、キャップの着用ガウンや防護服、キャップの着用 ケアに用いられる器具ケアに用いられる器具 リネンや洗濯物の管理リネンや洗濯物の管理 皿、コップ、グラス、その他の食器の管理皿、コップ、グラス、その他の食器の管理

Page 8: 注意すべき感染症と その対策

手指衛生手指衛生 「1ケア1手洗い」、「ケア前後の手洗い」「1ケア1手洗い」、「ケア前後の手洗い」

目的目的 ・患者を医療・介護従事者の手指を介した感染から守 ・患者を医療・介護従事者の手指を介した感染から守

る。る。 ・医療・介護従事者を未同定の病原体から守る。 ・医療・介護従事者を未同定の病原体から守る。

手指衛生手指衛生 ・ ・手洗い手洗い:普通石けんと流水による物理的な手洗い:普通石けんと流水による物理的な手洗い ・ ・手指消毒手指消毒:手指洗浄消毒液と流水で洗浄消毒する :手指洗浄消毒液と流水で洗浄消毒する 

ことまたは、擦式手指消毒薬で消毒すること ことまたは、擦式手指消毒薬で消毒すること

Page 9: 注意すべき感染症と その対策

手洗いと手指消毒の比較手洗いと手指消毒の比較

手洗い方法手洗い方法 流水と石けん流水と石けん ** 擦式消毒法擦式消毒法 洗浄消毒法洗浄消毒法

洗浄消毒剤洗浄消毒剤 界面活性剤界面活性剤 アルコール+消毒アルコール+消毒剤剤

界面活性剤+消毒界面活性剤+消毒剤剤

除菌又は殺菌機序除菌又は殺菌機序 物理的洗浄物理的洗浄 消毒剤の殺菌効果消毒剤の殺菌効果 物理的洗浄と消毒物理的洗浄と消毒剤による殺菌効果剤による殺菌効果

汚れ・有機物の除汚れ・有機物の除去去 可能可能 不可能不可能 可能可能

通過菌通過菌 物理的除去物理的除去 殺菌作用殺菌作用 物理的除去と殺菌物理的除去と殺菌作用作用

常在菌常在菌 除去されない除去されない 一部殺菌される一部殺菌される 一部殺菌される一部殺菌される

* 石けん:医薬部外品の薬用石けんや薬用ハンドソープを含む。

Page 10: 注意すべき感染症と その対策

日本環境感染学会監修 病院感染マニュアル(2001)

親指のまわり、指先、指のあいだは要注意!

Page 11: 注意すべき感染症と その対策

手洗いの順序手洗いの順序

 手掌を合わせて良く洗う 手掌で手の甲を洗う 指先・爪の間を入念に洗う

指の間を入念に洗う 親指と手掌のねじり洗いをする

手首も忘れずに洗う

① ② ③

④ ⑤ ⑥

Page 12: 注意すべき感染症と その対策
Page 13: 注意すべき感染症と その対策

速乾性すり込み式手指消毒剤の正しい使用速乾性すり込み式手指消毒剤の正しい使用法法

手が有機物で汚染されていない状態で使用する。手が有機物で汚染されていない状態で使用する。原則として、液体石けんと流水による手洗いの原則として、液体石けんと流水による手洗いの後、手を十分に乾燥させた後に使用する。後、手を十分に乾燥させた後に使用する。

十分な量(約3mL)を取り、摩擦熱が出るま十分な量(約3mL)を取り、摩擦熱が出るまでよくすり込む。でよくすり込む。

主な販売名主な販売名 消毒剤消毒剤ウェルパスウェルパス 0.2%0.2% 塩化ベンザルコニウムと消毒用エタノール塩化ベンザルコニウムと消毒用エタノールヒビソフトヒビソフト 0.2%0.2% グルコン酸クロルヘキシジンと消毒用エタノグルコン酸クロルヘキシジンと消毒用エタノ

ールールイソジンパームイソジンパーム 00.. 55%ポピドンヨードと消毒用エタノール%ポピドンヨードと消毒用エタノール

主な速乾性すり込み式手指消毒剤

Page 14: 注意すべき感染症と その対策

手袋の使用と交換の目安手袋の使用と交換の目安処置など処置など 必要必要 必ずしも必ずしも

必要でな必要でないい

交換の目安交換の目安

採血時採血時 普通シリンジ+スピッツ管普通シリンジ+スピッツ管 ○○ 汚染時等汚染時等真空採血管へ直接真空採血管へ直接 ○○ --

注射時注射時 通常の筋注・静注通常の筋注・静注 ○○ --エラスタ針・サーフロ針等エラスタ針・サーフロ針等 ○○ 患者ごと患者ごと

創の処置創の処置 ○○ 患者ごと患者ごと口腔ケア・吸引口腔ケア・吸引 ○○ 患者ごと患者ごと失禁患者の清拭失禁患者の清拭 ○○ 患者ごと患者ごと排便の排便の介助介助

ささえるだけささえるだけ ○○ --排泄物に触れる可能性があるとき排泄物に触れる可能性があるとき ○○ 1回ごと1回ごと

採尿パックの取り扱い採尿パックの取り扱い ○○ 1回ごと1回ごと清掃時、こぼれた血液・体液・排泄物の取り清掃時、こぼれた血液・体液・排泄物の取り扱い扱い

○○ 清掃ごと清掃ごと

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ケア時の手袋の交換タイミングケア時の手袋の交換タイミング 原則は介護時、原則は介護時、対象者ごと対象者ごとに交換する。に交換する。 血液・体液・排泄物が付着し、他の部位血液・体液・排泄物が付着し、他の部位

を汚染させる可能性があるときはを汚染させる可能性があるときは処置ご処置ごととに交換する。に交換する。

処置中に手袋の破損に気づいたら交換す処置中に手袋の破損に気づいたら交換する。る。

長時間使用し、手に汗をかいたときに交長時間使用し、手に汗をかいたときに交換する。換する。

Page 16: 注意すべき感染症と その対策

手袋を外した後にも手を洗うのはなぜ?手袋を外した後にも手を洗うのはなぜ?

汗をかいて、手袋内で微生物が増殖して汗をかいて、手袋内で微生物が増殖している可能性がある。いる可能性がある。

手袋にピンホールがある可能性がある。手袋にピンホールがある可能性がある。

手袋を外すときに血液・体液・排泄物が手袋を外すときに血液・体液・排泄物が手につく可能性がある。手につく可能性がある。

Page 17: 注意すべき感染症と その対策

ノロウイルスノロウイルス<特徴><特徴> 幅広い年齢層に、感染性胃腸炎を起こすウイル幅広い年齢層に、感染性胃腸炎を起こすウイル

スス 年間を通じて発生するが、特に年間を通じて発生するが、特に冬季冬季に多発に多発 10~100個という少量で感染が起こる。10~100個という少量で感染が起こる。  (患者の便や嘔吐物には1グラムあたり10  (患者の便や嘔吐物には1グラムあたり100万から10億個もの大量のウイルスが含まれ0万から10億個もの大量のウイルスが含まれる。)る。)

Page 18: 注意すべき感染症と その対策

ノロウイルスの流行ノロウイルスの流行

地方衛生研究所でノロウイルスが原因と確認されたもの

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昨冬流行のノロ、新型ウイルス…国立感染症研究昨冬流行のノロ、新型ウイルス…国立感染症研究所 所

(( 20072007年年 99月月 1212 日 読売新聞)日 読売新聞)    昨冬、全国で猛威をふるったノロウイルスは、過去に流行したタ

イプに比べ、外殻の構造が大きく変化した新型ウイルスだったことを、国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センターが突き止めた。形を変えることで、同センターは「大流行の一因になった可能性がある」としている。ノロウイルスは「G1」と「G2」に大別され、さらに細かい型が30以上ある。2006年以降は、このうち「G24」が流行の中心になっている。同センターは、昨年5月から今年1月にかけて各地の地方衛生研究所が患者から採取したG24のウイルス37株の遺伝子配列を詳細に解析した。その結果、同じG24でも、国内で過去に検出報告があったタイプは1株だけ。残りは、欧州や香港などで日本よりやや早くから流行していた「ヨーロッパ2006b」が33株、「ヨーロッパ2006a」が3株だった。「2006b」の外殻を作るたんぱく質の立体構造をコンピューターで推定すると、過去の流行株とは大幅に変わっていた。

    

Page 20: 注意すべき感染症と その対策

ノロウイルスの感染経路ノロウイルスの感染経路

①① ノロウイルスを含有したカキなどの二枚貝を、 ノロウイルスを含有したカキなどの二枚貝を、十分に加熱しないで食べることにより感染する。十分に加熱しないで食べることにより感染する。

②② ノロウイルスに感染した人が、十分に手洗いを ノロウイルスに感染した人が、十分に手洗いを行わずウイルスが手についたまま調理をすると、行わずウイルスが手についたまま調理をすると、食品が汚染され、その食品を食べることにより食品が汚染され、その食品を食べることにより感染する。感染する。

③③  ノロウイルスに感染した人の便や嘔吐物を処理ノロウイルスに感染した人の便や嘔吐物を処理した後、手についたウイルスや、不適切な処理した後、手についたウイルスや、不適切な処理で残ったウイルスが、口から取り込まれ感染すで残ったウイルスが、口から取り込まれ感染する。る。

Page 21: 注意すべき感染症と その対策

ノロウイルスの感染サイクルノロウイルスの感染サイクル

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塵埃感染(塵埃感染( dust infection)dust infection) の可能性の可能性 19981998年年 1212月、あるレストランで発生した感染月、あるレストランで発生した感染

性胃腸炎の集団発生。食事をしている一人がテー性胃腸炎の集団発生。食事をしている一人がテーブルで嘔吐し、同日同所で食事をしていた人12ブルで嘔吐し、同日同所で食事をしていた人126人中6人中 5252人が人が 4848時間以内に発症。時間以内に発症。嘔吐した人嘔吐した人から離れたテーブルでも感染者が出ている一方、から離れたテーブルでも感染者が出ている一方、同じレストランの別の部屋(区分けされた)で同同じレストランの別の部屋(区分けされた)で同じ日に食事をした人は全く発症しなかったじ日に食事をした人は全く発症しなかった。嘔吐。嘔吐した人からかなり遠くに座っていた人も感染したした人からかなり遠くに座っていた人も感染したこと、嘔吐した客が座っていた場所は他の利用客こと、嘔吐した客が座っていた場所は他の利用客の動線上にはないこと、などから、の動線上にはないこと、などから、空気感染の経空気感染の経路が伝播経路として最も相応しい路が伝播経路として最も相応しいことを示唆する。ことを示唆する。

Marks PJ らによる報告

Page 23: 注意すべき感染症と その対策

ノロウイルス感染症の症状ノロウイルス感染症の症状 潜伏期:24~48時間潜伏期:24~48時間

症状:下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱などで、通常症状:下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱などで、通常3日以内に回復するが、3日以内に回復するが、ウイルスは感染してから1週ウイルスは感染してから1週間程度(長い場合は1ヶ月)便中に排泄される。間程度(長い場合は1ヶ月)便中に排泄される。

  *高齢者では、吐物が誤って気管に入り誤嚥性肺炎を起*高齢者では、吐物が誤って気管に入り誤嚥性肺炎を起

こしたり、のどに詰まって窒息することがある。こしたり、のどに詰まって窒息することがある。*感染しても症状が出ない人もいるが、便中にはウイル*感染しても症状が出ない人もいるが、便中にはウイル

スが排泄されている。スが排泄されている。

Page 24: 注意すべき感染症と その対策

ノロウイルスの消毒方法ノロウイルスの消毒方法

①① 他の微生物などと比べると熱に強く、他の微生物などと比べると熱に強く、885℃で1分以上5℃で1分以上の加熱が必要。の加熱が必要。

②② 逆性石けん、アルコールの消毒効果は十逆性石けん、アルコールの消毒効果は十分ではない。塩素系漂白剤の分ではない。塩素系漂白剤の次亜塩素酸次亜塩素酸ナトリウムナトリウムは効果がある。は効果がある。

Page 25: 注意すべき感染症と その対策

平常時のノロウイルス対策平常時のノロウイルス対策

**正しい手洗い正しい手洗いの実行が大切の実行が大切 (手袋を脱いだ後の手洗いも忘れずに) (手袋を脱いだ後の手洗いも忘れずに)

*入所者(通所者)の便や嘔吐物などを処理*入所者(通所者)の便や嘔吐物などを処理するときは、するときは、使い捨て手袋を着用使い捨て手袋を着用することすることが必要。おむつの処理の場合も同様。手袋が必要。おむつの処理の場合も同様。手袋のほか、予防衣、マスクをつける。のほか、予防衣、マスクをつける。

標準予防策の実施!

Page 26: 注意すべき感染症と その対策

ノロウイルスへ発生時の対応ノロウイルスへ発生時の対応

原則個室管理だが、同病者の集団隔離も検討。原則個室管理だが、同病者の集団隔離も検討。 次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒の徹底。次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒の徹底。 入所者・職員の健康管理。入所者・職員の健康管理。 保健所・医療機関への相談、対応検討。保健所・医療機関への相談、対応検討。 リネン類を介した感染の防止。リネン類を介した感染の防止。 面会者の制限。面会者の制限。 入所者・家族への情報提供。入所者・家族への情報提供。

*どれだけ早く発見できるかが鍵。*どれだけ早く発見できるかが鍵。 日常の入所者・職員の健康管理の徹底を。 日常の入所者・職員の健康管理の徹底を。

Page 27: 注意すべき感染症と その対策

ノロウイルスは、少量でも発症するので排ノロウイルスは、少量でも発症するので排泄物や嘔吐物は泄物や嘔吐物は迅速かつ確実に迅速かつ確実に処理してく処理してく

ださい!ださい!

排泄物や嘔吐物が付着した床、衣類、トイレなどを消毒する場合排泄物や嘔吐物が付着した床、衣類、トイレなどを消毒する場合 ①感染しないよう、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用する。 ①感染しないよう、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用する。 ②使い捨ての布等を使用し、 ②使い捨ての布等を使用し、 0.10.1%次亜塩素酸ナトリウム%次亜塩素酸ナトリウムで浸すで浸す

ように拭く。ように拭く。 ③使用した布等は床に置かず、すぐにビニール袋に密閉して処分 ③使用した布等は床に置かず、すぐにビニール袋に密閉して処分

する。する。 ④処置後、手袋を外して手洗いをおこなう。 ④処置後、手袋を外して手洗いをおこなう。

直接手が触れる手すりやトイレのドアノブ等を消毒する場合直接手が触れる手すりやトイレのドアノブ等を消毒する場合   0.020.02%次亜塩素酸ナトリウム%次亜塩素酸ナトリウム消毒液で清拭。消毒液で清拭。

  

Page 28: 注意すべき感染症と その対策

モニタリングの重要性モニタリングの重要性

Page 29: 注意すべき感染症と その対策

行政への報告行政への報告<報告が必要な場合><報告が必要な場合>ア、 同一の感染症や食中毒による、またはそれア、 同一の感染症や食中毒による、またはそれ

らが疑われる死亡者・重篤患者が1週間以内にらが疑われる死亡者・重篤患者が1週間以内に2名以上発生した場合。2名以上発生した場合。

イ、 同一の感染症や食中毒の患者、またはそれイ、 同一の感染症や食中毒の患者、またはそれらが疑われる者が10名以上又は全利用者の半らが疑われる者が10名以上又は全利用者の半数以上発生した場合数以上発生した場合 ** 。 。  **累積ではない。累積ではない。

ウ、 通常の発生動向を上回る感染症等の発生がウ、 通常の発生動向を上回る感染症等の発生が疑われ、特に施設長が報告を必要と認めた場合疑われ、特に施設長が報告を必要と認めた場合

厚生労働省通知「社会福祉施設等における感染症等発生時に関わる報告について」

Page 30: 注意すべき感染症と その対策

インフルエンザインフルエンザ(感染経路) 主に飛沫感染(感染経路) 主に飛沫感染

(流行時期) 例年(流行時期) 例年 1212月~3月下旬月~3月下旬

(潜伏期間) 通常1~3日(潜伏期間) 通常1~3日

(症状)  急激な発熱で発症。(症状)  急激な発熱で発症。

      呼吸器症状に加え、全身症状も強い。      呼吸器症状に加え、全身症状も強い。

((診断診断) 迅速診断キットが普及) 迅速診断キットが普及

((治療治療) 抗インフルエンザウイルス薬) 抗インフルエンザウイルス薬

((予防予防) ワクチンの接種) ワクチンの接種

Page 31: 注意すべき感染症と その対策

飛沫感染と飛沫核感染(空気感飛沫感染と飛沫核感染(空気感染)染)

飛沫感染飛沫感染  飛沫感染の原因となる粒子が  飛沫感染の原因となる粒子が 55 マイクロメートル以上マイクロメートル以上とと

大きく重い微粒子で、大きく重い微粒子で、 3feet3feet (約1m)未満(約1m)未満までしか到達までしか到達しないものをいう。しないものをいう。咳咳ややくしゃみくしゃみで放出された体液の飛沫で放出された体液の飛沫が病原体を含んでいて、これが他人の粘膜に付着することが病原体を含んでいて、これが他人の粘膜に付着することで感染が成立するで感染が成立する。。インフルエンザ等インフルエンザ等がこの形式をとる。がこの形式をとる。

飛沫核感染(空気感染)  飛沫として空気中に飛散した病原体が、空気中で飛沫の

水分が蒸発して 5 マイクロメートル以下の軽い微粒子(飛沫核)となっても病原性を保ったまま、単体で 3feet以上浮遊するもの。 麻疹・結核等がこの形式で伝染する。

Page 32: 注意すべき感染症と その対策

飛沫と飛沫核飛沫と飛沫核

水分

蒸発

飛沫直径 5μm以上

飛沫核直径 5μm以下

Page 33: 注意すべき感染症と その対策

サージカルマスク水分水分

飛沫

飛沫核

N95マスク

飛沫感染と飛沫核感染(空気感飛沫感染と飛沫核感染(空気感染)染)

Page 34: 注意すべき感染症と その対策

くしゃみくしゃみ 1,940,000 1,940,000 個個 咳咳 900,765 900,765 個個 11

55 分間の会話でも、咳と同じ程度の飛沫分間の会話でも、咳と同じ程度の飛沫を発生させる。を発生させる。 22

1Gerone PJ et al. Bacteriol Rev 1966;30:576-88 (taken from Viral Infections of Humans, and numbers in text were possibly wrong, but they make the point)

2Bates JH, Stead WW. Med Clin NA 1993;77:2105-17.

咳、くしゃみ、会話に含まれる飛沫量咳、くしゃみ、会話に含まれる飛沫量

Page 35: 注意すべき感染症と その対策

インフルエンザ流行曲線インフルエンザ流行曲線

Page 36: 注意すべき感染症と その対策

小児と高齢者への影響(インフルエン小児と高齢者への影響(インフルエンザ)ザ)

Page 37: 注意すべき感染症と その対策

高齢者におけるインフルエンザワクチンの高齢者におけるインフルエンザワクチンの効果効果

32.6

49.6

4.79.8

0

10

20

30

40

50

60

37.5度以上 死亡者数

ワクチン接種未接種

65歳以上、および 60-64歳で基礎疾患のある人は、予防接種法による定期接種の対象

Page 38: 注意すべき感染症と その対策

インフルエンザへの対応インフルエンザへの対応

【平常時の対応】【平常時の対応】   インフルエンザウイルスは感染力が非常に   インフルエンザウイルスは感染力が非常に強いことから、できるだけウイルスが施設内に強いことから、できるだけウイルスが施設内に持ち込まれないようにすることが基本持ち込まれないようにすることが基本

   *施設従事者が最も施設にウイルスを持ち込む *施設従事者が最も施設にウイルスを持ち込む

可能性が高い集団であり、かつ、高危険群にも可能性が高い集団であり、かつ、高危険群にも密接に接する集団であることを認識する密接に接する集団であることを認識する

Page 39: 注意すべき感染症と その対策

インフルエンザ対策インフルエンザ対策

【ウイルス施設内への持ち込み防止のポイント】【ウイルス施設内への持ち込み防止のポイント】 入所者・通所者の健康状態の把握入所者・通所者の健康状態の把握 入所者・通所者へのワクチン接種入所者・通所者へのワクチン接種及び一般的な及び一般的な

予防の実態予防の実態 施設に出入りするヒトの把握と健康管理施設に出入りするヒトの把握と健康管理 施設の衛生の確保、加湿器等の整備施設の衛生の確保、加湿器等の整備

「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」より

*地域におけるインフルエンザ流行状況の把握を。

Page 40: 注意すべき感染症と その対策

インフルエンザへの対応インフルエンザへの対応

【発生時の対応】【発生時の対応】 ① ① 原則個室管理。同病者の集団隔離とする場合も。原則個室管理。同病者の集団隔離とする場合も。 ② ② 隔離できないときは、ベッド間隔を2m以上あ隔離できないときは、ベッド間隔を2m以上あ

ける。ける。 カーテンなどの障壁カーテンなどの障壁 ③ ③ 特殊な空調は必要ない。特殊な空調は必要ない。 ④ ④ ケア時はマスク(外科用)を着用する。ケア時はマスク(外科用)を着用する。 ⑤ ⑤ 手洗い・うがいの徹底。手洗い・うがいの徹底。

* 患者が高齢者等の高危険群である場合、肺炎等を合併した場合、重症化する可能性があるので、施設内での治療とともに、状況に応じて医療機関への入院も検討する。(関連医療機関の確保)

Page 41: 注意すべき感染症と その対策

・表面はロウ状の物質でできた・表面はロウ状の物質でできた 丈夫な膜で覆われている 丈夫な膜で覆われている・発育が遅い・発育が遅い   11回の分裂に回の分裂に 1010~~ 1515時間かか時間かか

るる・・直射日光には弱い直射日光には弱いが、冷暗所でが、冷暗所で は は 33~~ 44 か月生存可能か月生存可能

結核菌結核菌を吸い込むことによってうつる感染症

1~ 4μm

0.3~ 0.6μm

結核について結核について

Page 42: 注意すべき感染症と その対策

結核菌結核菌 感染経路:空気感染(飛沫核感染)感染経路:空気感染(飛沫核感染) 感染予防上、問題となるのは肺結核が主。感染予防上、問題となるのは肺結核が主。 症状 症状    ①呼吸器症状:咳と痰、時に血痰   ①呼吸器症状:咳と痰、時に血痰   ②全身症状:発熱(微熱)、体重減少、倦怠   ②全身症状:発熱(微熱)、体重減少、倦怠

感感  *高齢者では、全身の衰弱、食欲不振などの症状*高齢者では、全身の衰弱、食欲不振などの症状

 が主となり、呼吸器症状を示さない場合も多い。 が主となり、呼吸器症状を示さない場合も多い。  *高齢者では過去に結核にかかったことがある者*高齢者では過去に結核にかかったことがある者

が、結核を発病するケースが目立つ。が、結核を発病するケースが目立つ。  (体力・免疫力の低下による)  (体力・免疫力の低下による)

Page 43: 注意すべき感染症と その対策

結核の世界と日本の状況結核の世界と日本の状況

【世界の状況】【世界の状況】    約20億人が感染     約20億人が感染     毎年880万人が新たに発症    毎年880万人が新たに発症【日本の状況】【日本の状況】  日本は中蔓延国 (わが国最大の感染症)  日本は中蔓延国 (わが国最大の感染症)   全国  新規登録者(H17) 28,3   全国  新規登録者(H17) 28,3

19人19人   福岡県 新規登録者(H17)     福岡県 新規登録者(H17)   11,12,123人3人※※原因のひとつとして結核は過去の病気と思いこみ症状が現れても原因のひとつとして結核は過去の病気と思いこみ症状が現れても

  本人も医師も気づかず受診や診断が遅れるケースが多いためです。  本人も医師も気づかず受診や診断が遅れるケースが多いためです。

Page 44: 注意すべき感染症と その対策
Page 45: 注意すべき感染症と その対策
Page 46: 注意すべき感染症と その対策

結核登録者の年齢構成(管内の状況)結核登録者の年齢構成(管内の状況)

6%12%

24%

24%

34%

30~39歳 50~59歳 60~69歳 70~79歳 80歳以上

H17 朝倉保健福祉事務所

Page 47: 注意すべき感染症と その対策

一次結核

感染と発病の違い感染と発病の違い

*感染しても必ず発病するものではない。

結核菌に暴露(200人)

感染(100人)

非感染(100人)

非発病(95人)

発病(5人)

晩期発病(5人)

一次結核(ほとんどが2年以内)

二次結核

<ある200人の群が結核菌に暴露した後にたどる経過の1例>

ツベルクリン反応:感染の予測胸部レントゲン:発病の有無の確認

Page 48: 注意すべき感染症と その対策

予防対策(皆さんができるこ予防対策(皆さんができること)と)

感染源を見逃さない。感染源を見逃さない。  ・  ・早期に結核を疑うことができるかが鍵早期に結核を疑うことができるかが鍵

採用時健診・定期健康診断の徹底採用時健診・定期健康診断の徹底  (胸部X線検査、ツベルクリン反応)  (胸部X線検査、ツベルクリン反応)  ・感染源にならないように  ・感染源にならないように  ・接触者となった場合の的確な感染者の把握  ・接触者となった場合の的確な感染者の把握

感染対策委員会の設置。啓発教育。感染対策委員会の設置。啓発教育。

Page 49: 注意すべき感染症と その対策

結核菌感染症への対応結核菌感染症への対応

【【平常時の対応平常時の対応】】 ・対象者が結核でないことを確認する。 ・対象者が結核でないことを確認する。年に1度年に1度

は、胸部レントゲン検査は、胸部レントゲン検査を行って、結核に感染しを行って、結核に感染していないことを確認する。ていないことを確認する。【発生時の対応】【発生時の対応】 ・ 診断した医師は ・ 診断した医師は直ちに直ちに保健所へ届け出。保健所へ届け出。 ・ 排菌者は、結核専門医療機関への入院が必要。 ・ 排菌者は、結核専門医療機関への入院が必要。 ・ 患者にはサージカルマスク、職員はN95マ ・ 患者にはサージカルマスク、職員はN95マ

スクのスクの   着用が必要。(個室へ隔離)   着用が必要。(個室へ隔離)

* 保健所等からの指示に従った対応

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結核を発病しやすい人結核を発病しやすい人★★ 糖尿病の人  糖尿病の人  ★★ 胃切除をした人 胃切除をした人 ★★ 副腎皮質ホルモン剤の治療を受けている副腎皮質ホルモン剤の治療を受けている人人★★ 最近、感染を受けた人 最近、感染を受けた人 ★★ 人工透析を受けている人 人工透析を受けている人 ★★ 悪性腫瘍がある人悪性腫瘍がある人

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「結核」を知ることが予防への第一歩「結核」を知ることが予防への第一歩ですです

  BCG予防接種は一生に一回だけの機会でBCG予防接種は一生に一回だけの機会です。生後す。生後 66ヶ月までに受けさせましょう。ヶ月までに受けさせましょう。

あと・・・

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結核と感染症法結核と感染症法

結核は2類感染症に分類(第6条)結核は2類感染症に分類(第6条) 診断した医師は、直ちに最寄りの保健所長を経由して都診断した医師は、直ちに最寄りの保健所長を経由して都道府県知事へ届け出る(第12条)道府県知事へ届け出る(第12条)

勧告入院(第19条・20条)勧告入院(第19条・20条) 入院患者(勧告・措置)の医療(第37条)入院患者(勧告・措置)の医療(第37条) 結核患者の医療(第37条の2)結核患者の医療(第37条の2) 病院の管理者は、結核患者が入院もしくは退院した場合病院の管理者は、結核患者が入院もしくは退院した場合

には7日以内に最寄りの保健所長に届け出る(第53条には7日以内に最寄りの保健所長に届け出る(第53条の11)の11)

接触者検診(第17条)接触者検診(第17条)などなど

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接触者検診接触者検診(ツベルクリン反応と胸部X線写真)(ツベルクリン反応と胸部X線写真)

自覚症状発症から受診までの期間が長い排菌患者は、自覚症状発症から受診までの期間が長い排菌患者は、周囲へ感染させた危険性が高い。周囲へ感染させた危険性が高い。

予防内服について予防内服について ・結核に感染した者に対して、発病を防止する目的 ・結核に感染した者に対して、発病を防止する目的

で抗      結核薬(通常で抗      結核薬(通常 INHINH 単独投与)投与単独投与)投与すること。すること。

 ・感染が明らかな者に ・感染が明らかな者に INHINH を投与すると、投与中のを投与すると、投与中のみならず、その後も結核発病をみならず、その後も結核発病を 1/21/2 ~~ 1/51/5 程度に抑程度に抑えることができる。えることができる。

感染危険度数=最大ガフキー号数 ×咳の持続期間(月)10以上:最重要   0. 1~ 9. 9 :重要  0及び肺外結核:その他*ランク、接触の程度、年齢等に応じた対応を保健所で検討

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QFT検査についてQFT検査について(ツベルクリン反応の問題点)(ツベルクリン反応の問題点)   BCGや非結核性抗酸菌に含まれる抗原を含む   BCGや非結核性抗酸菌に含まれる抗原を含む

ため、ため、BCG接種BCG接種や非結核性抗酸菌や非結核性抗酸菌によっても陽性によっても陽性となり、特異度が低いとなり、特異度が低い。。

(QFT検査)(QFT検査) ・結核菌には存在し、BCGには存在しない結核特 ・結核菌には存在し、BCGには存在しない結核特異抗原の異抗原の ESAT-6ESAT-6 とと CFP-10CFP-10 を用いた診断キット。を用いた診断キット。

 ・採取した血液に ・採取した血液に ESAT-6ESAT-6 とと CFP-10CFP-10 などを添加し、などを添加し、一晩培養した後、免疫細胞から産生されたIFN一晩培養した後、免疫細胞から産生されたIFN --γγ を測定する。を測定する。

BCGの影響を受けない