○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

18
1 ○ 先先先先先先先先 先先先先先先先先先 • 先先先先先 先先先先先先 • 先先先先先先先先先先先先 先先先先先 先先先先先 () • 先先先先 先先 先先先先先先先先先 先先先 • 先先先 先先先先先先先先先先先先先先先 先先先先先先先先先 :、 • 2011 先 先先先先先先 :: 1 先 6559 先先 先先先先先 、: 1 先 3601 先先 先先 先先先先先先先先先3413 先先 先先先先 、: 793 先先 • 先先先先先 先先先先先先先先先先先先先 、。

description

○ 先週の授業の補足 自社株買いについて. 自社株買い=自己株式取得 自社 株買いで取得した株式(自己株式)の処理 方法 消却処分、合併・株式交換に伴う移転、再発行 金庫株:会社が買い取ってまだ処理せず、保有している自社株 2011 年:自社株買い: 1 兆 6559 億円、消却処分: 1 兆 3601 億円、 合併・株式交換に伴う 移転: 3413 億円、再発行: 793 億円 金庫 株には、株主総会での議決権はない。. 自社株買いのデメリットは? デメリットという程の問題はないが、従来自社株買いは禁止されていた。 なぜ? 「資本維持の原則」:債権者保護 - PowerPoint PPT Presentation

Transcript of ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

Page 1: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

1

○先週の授業の補足自社株買いについて

• 自社株買い=自己株式取得

• 自社株買いで取得した株式(自己株式)の処理方法• 消却処分、合併・株式交換に伴う移転、再発行• 金庫株:会社が買い取ってまだ処理せず、保有している自社株

• 2011年:自社株買い: 1兆 6559億円、消却処分: 1兆3601億円、合併・株式交換に伴う移転: 3413億円、再発行: 793億円

• 金庫株には、株主総会での議決権はない。

Page 2: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

2

• 自社株買いのデメリットは?– デメリットという程の問題はないが、従来自社株買いは禁止されていた。

– なぜ?– 「資本維持の原則」:債権者保護– 自社株買いにより自己資本が減少し、債権者の利益が侵害される恐れ

• 1994年の商法改正により自社株買い・消却が解禁

• 2001年の商法改正により金庫株解禁– 自社株買いの限度:配当可能限度額

• 利益積み立て等による剰余金

Page 3: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

3

• 自社株買いのルール:取引所の立会取引の場合– 基本的考え方:金融商品取引法上の「相場操縦的行為」にならないようにする• 「相場操縦的行為」:自己の利益を得るために、相場を変動させる等人為的に操作すること

– 買付けの時間:取引終了直前 30分以外の時間、終値への影響をなくす

– 買付けの価格:注文は指値注文、• 寄り付き前に注文する場合:前日終値以下• 寄り付き後の場合:その日の高値を上回る価格での注文は不可

– 注文の数量:買付け週の直近4週間の1日平均売買数量の 25%まで

• 自己株式立会外買付取引– 立会取引では制約が多く、必要数量を買い集めるのが難しいので、大口の株主から立会外取引で買い付けることが多い

– 前日終値での買い付け

Page 4: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

4

第 1章(2)株式の流通市場

• 株式流通市場の種類① 取引所市場: ・立会取引 ・立会外取引( ToSTNeT取引)

② 取引所以外での取引             (a) (上場銘柄の)取引所外取引   (a.1) 証券会社による取引所外取引   (a.2) PTS(私設取引システム) (b) 未公開株取引市場

Page 5: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

5

第 1章(6)株式市場の役割③株価のシグナル機能

• 株式市場の機能:

– –株価:数多くの投資家の意見を集約(公正)。現在の株価が割高と考える投資家は売り、割安と考える投資家は買い、そうした意見を集約して株価が決定されている(適正)。

• 投資家に対する情報提供–投資判断上重要な情報を投資家に提供

Page 6: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

6

• 企業に対する情報提供–投資・事業計画、経営戦略、現行の経営陣の質に対する市場の判断を示す

–この企業の事業リスクに対する市場の判断(資本コスト)→投資・事業計画の基礎的判断材料• 資本コスト:株主価値を引き上げるために必要最低限の事業投資(の期待)収益率:金利 r +リスクプレミアム δ• 事業リスクの大きい(小さい)企業は、資本コストが大きい(小さい)

• cf. 渡辺茂『しっかりわかるファイナンス』中央経済社、第2,3章、

• 井出・高橋『ビジネス・ゼミナール経営財務入門』日本経済新聞社、第6章

Page 7: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

7

④企業支配権の移転を促進• 株式市場で株を買い集めることで、企業の支配権を獲得する( or影響を及ぼす)ことができる。

• 株式交換制度を利用することによって企業の買収・合併が容易になる–株式交換:

• 国有企業の支配権を株式市場を通じて民間に移転

Page 8: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

8

買収企業  A社

被買収企業   B社

A社の株主B社の株主

A社株

B社株A社 株

B社株

・株式交換による買収の仕組み

Page 9: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

9

買収企業  A社

被買収企業   B社

元からのA社の株主

元の B社の株主

A社株

・株式交換による買収(完全子会社化)後

A社の株主

B社株

Page 10: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

10

・株式交換の例• ソフトバンクの株式交換によるイー・アクセス買収(完全子会社化) 2012年 10 月 1日– 株式交換比率:イー・アクセス 1株に対してソフトバン

ク株 16.74株• トヨタ自動車によるトヨタ車体の完全子会社化 12年 1 月– トヨタは以前から、トヨタ車体株の 56.23%を保有– 株式交換比率:トヨタ車体株 0.45株に対しトヨタ株 1株

• パナソニックによる三洋電機の完全子会社化 11年4 月– パナソニックは、 2010年 10 月の TOB(株式公開買い付け)により三洋電機株の 80.77%を保有

– 株式交換比率:三洋電機株 1株に対しパナソニック株0.115株

Page 11: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

11

・買収方式の比較:現金対価と株式交換• 株式交換のメリット:買収企業にとって– 現金を必要としない(株式が現金代わり)

• 株式交換のデメリット– 発行済株式数が増える:買収側株主にとって

• EPS( 1株当り収益)、 ROE(自己資本利益率)への影響• cf. 本講義「自社株買いの理由」

– 被買収側株主にとって• 株式交換で受け取れる株式の価値が変動する

– 買収側企業の株価が変動するため– 現金による買収であれば、受け取れる金額が決まっている

• 株式交換前の株価が買収企業株価と連動し(交換比率で)、買収企業の株価下落の影響を受ける可能性

Page 12: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

12

⑤ コーポレート・ガバナンス機能• 株価は、企業の投資計画、経営戦略、現行の経営陣の質に対する投資家の判断を示す

– Cf. 前期の「証券経済論」第 1章金融仲介、金融システムの比較(市場型と相対型)、④コーポレート・ガバナンス機能

– 本章第 2 節株式の流通市場、外国人の日本株投資• 企業が買収される危険性– 株価低迷は買収される危険性を高める→経営陣に対する株式市場からの強い圧力• 特に PBR(株価純資産倍率 )が1以下といった企業は買収の対

象になりやすい

Page 13: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

13

⑥資本の集中とリスクの分担

• 株式会社制度– 株式の発行を通じて幅広く事業に必要な資本を集中、事業リスクを多くの株主間で分担

• 多くの投資家から資本を提供(リスクを負担)してもらうには、流動性のある株式市場②が必要

Page 14: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

14

○リスク分担の促進の例:• 株式の公募と売出し–公募:新規に発行する株式の投資家への販売

• 株式の販売代金は企業が受け取る– 売出し:既存の株主による保有株式の投資家への売却

• 株式の販売代金は既存の株主が受け取る

• IPOにおける起業家等の保有株の売出し– IPO時には、起業家等の既存の株主が保有株の

一部を売り出すのが普通

Page 15: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

15

2004年

05 06 07 08 09 10 11 12年

公募(新規公開株式発行)

4200億円

4000億円

5950 1465 432 339 2068 1285 392

売出し 1兆円 5100億円

9260 1460 936 234 1兆 1130億円

375 6972

・国有企業の民営化 国有企業株の売り出し:多くの株主に事業リスクを分担してもらう   NTT、 JR、 JT、郵政

・日本証券業協会「増資等の状況」

日本の新規株式公開 IPO時の売出しと公募(新規株式発行):公募よりも売出しの金額が大きい

Page 16: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

16

・ツイッターの新規株式公開 Initial Public Offering: 2013年 11 月 7日

ツイッター フェイスブック:2012 年 5 月に IPO

公募・売出し価格   26 ドル    38 ドル資金調達額    18.2 億ドル    184 億ドル公募と売出しの比率

  100 : 0ツイッターの調達資金は 18.2 億ドル

43 : 57フェイスブックが調達した資金は184 億ドル ×0.43 = 79 億ドル

初値    45.1 ドル   42.05 ドル終値    44.9 ドル   38.23 ドル現在の株価 一時 17 ドルまで下落、現在は 48-49

ドル・フェイスブック株の売出しに応じた投資家

Goldman Sachsが運営するファンド:保有株の 50%を売却ベンチャーキャピタルの Accel Partners:保有株の 24%を売却

Page 17: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

17

株価収益率 PER

28.8 倍

70.6 (上場時は110)

 ∞

  22.3

Page 18: ○ 先週の授業の補足 自社株買いについて

18

• リスク負担の裏側:ハイリターンの投資対象を投資家に提供する(という株式市場の役割)

– 幅広い投資家による事業のリスク分担– →所有と経営の分離– →企業への出資者である株主の利益を実現するよう、本当に企業が管理・運営されるのか?

– → コーポレート・ガバナンスの問題⑤