ビットコイン ブロックチェーン技術と既存金融サービス事業者の事業戦略

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暗号通貨・ブロックチェーン技術と

既存金融サービス事業者の役割

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2015年3月25日

弁護士 増 島 雅 和

森・濱田松本法律事務所

[email protected]

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自己紹介

増 島 雅 和(ますじま まさかず)

森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士 (日本法・ニューヨーク州法)

2001 弁護士登録

2006 米国ウィルソン・ソンシーニ法律事務所勤務(-2007)

2007 ニューヨーク州弁護士登録

2010 金融庁監督局保険課兼銀行第一課(-2012)

保険会社のM&A審査、保険会社のグループ経営WG、保険募集WGG-SIFIs破綻処理法制の立案等に関与

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2015 IMF外部カウンセル(米国FSAP:金融破綻処理法制担当)

イニシアチブ: すべてのベンチャーコミュニティ参加者のためのエコシステム構築の処方箋

“Startup Innovators” http://startupinnovators.jp/

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本日のトピック

1. ランドスケープ

2. ブロックチェーン関連エコシステムの構造

3. 仮想通貨領域の現状

4. 既存金融サービス事業者の貢献

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暗号通貨・ブロックチェーン技術への向き合い方

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1.ランドスケープ

既存金融事業者に対して最初に投げかけられるべき問い

「暗号通貨・ブロックチェーン技術をどの地平でとらえるべきか」

暗号通貨は普及するのか?

どの暗号通貨が勝つのか?

暗号通貨の規制動向は?

既存金融事業者に与える影響は?

どのような応用が考えられるのか?

既存金融事業者によるブロックチェーン技術の活用方法は?

どのような未来が待っているのか?

○ 暗号通貨・ブロックチェーン技術の未来をどうしたいのか?

「ネットワークとしての特性上、方向が定まったら誰にも止められない」ことを前提に、

• 先に動いて価値の源泉のポジションをとりにいくのか

• フォロワーとなって利用者レイヤーにとどまるのか

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エコシステム型ビジネスモデル

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1.ランドスケープ

○ 暗号通貨・ブロックチェーンビジネスは、典型的なエコシステム型ビジネス

○ 既存の囲い込み型ビジネスモデルの採用者にとっては破壊的なビジネスモデルとなり得る

「エコシステム型ビジネスモデル」

オープンイノベーションを前提

価値設計図をもとに各パートナーとポジションを分担

設計図を示して初期投資を負担した者が、最大の果実を収受

「囲い込み型ビジネスモデル」

クローズドイノベーションと親近性

単独で投資し、投資成果(顧客・研究成果・人員)を囲い込む

既存のグループ内リソースしか使えず、異業種の知見がなく変化についていけない

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1.ランドスケープ(参考)

「オープン・イノベーション」 : クローズド・イノベーションに対置されるイノベーションへの新しいアプローチ

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• 自ら優秀な人材を抱える

• 自ら開発を行う

• 最初にマーケットに新製品を出した者が勝つ

• 多大な研究開発投資が市場に勝つためのカギ

• 知的財産を守り他者に真似をされないことが大事

研究開発投資

新技術発明

新製品発売

売上・利益増

<クローズド・イノベーションのサイクル>

クローズド・イノベーション:20世紀型イノベーション

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1.ランドスケープ(参考)

クローズド・イノベーションの衰退

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• 高度人材の増加により大企業以外にも高度知識が拡散、高度人材の流動化

• 製品開発のスピードアップにより、クローズド・イノベーションが新製品寿命の短さに追いつけず

• 情報革命により賢くなった顧客、サプライヤーから収益を上げることが困難に

• 海外事業者を巻き込んだ競争の激化

時代はオープン・イノベーションへ

⇒ 単線的なクローズド・イノベーションのサイクルが寸断され、持続可能なモデルでなくなる

イノベーションに対する新しいアプローチとして、オープン・イノベーション

研究 開発

新市場

既存市場

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1.ランドスケープ(参考)

オープン・イノベーションの特徴

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• 社内に優秀な人材は必須ではなく、社外の優秀な人材と協働すればよい

• 社内研究開発は必要だが、外部研究開発からも価値を創出できる

• 早い製品化よりもビジネスモデルの構築の方が重要

• 研究開発投資の額よりも社内と社外のアイディアをいかに効率的に活用するかがカギ

オープン・イノベーション: 21世紀型イノベーション

• 知的財産の囲い込みではなく、適切な社外活用や外部の知的財産の取入れが重要

研究 開発

新市場

既存市場

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エコシステム型ビジネスモデル

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1.ランドスケープ

○ バリューチェーンの発想との異同

バリューチェーンの発想は、サプライヤー、製造者、卸売業者、エンドユーザまでの直線的なつながりにフォーカス

市場への道筋にとって直接的ではないが、成功のために不可欠な補完的パートナーを明示的に価値設計図に位置付ける

各活動のエコシステム上の依存関係を重視

各活動がエコシステムのどこに位置づけられ、どのようにつながっているか

各パートナーが負うべき責任は何か

エコシステムのリスクを明示的に分析

サプライヤーA

サプライヤーB

プロジェクト 仲介者1 仲介者2 エンドユーザ

補完者X

Xへのサプライヤー

Xへのサプライヤー

補完者YYへのサプライヤー

“イノベーションの死角”

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エコシステム型ビジネスモデルの急所

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1.ランドスケープ

○ エコシステムのリスク管理

補完者を含むすべてのプレイヤーにつき以下を確認する。

そのプレイヤーは、その役割をやり遂げられるのか(コ・イノベーションリスクの測定)

そのプレイヤーがその役割を担う動機付けは十分か(アダプションチェーンリスクの測定)

⇒ すべてのプレイヤーにつき、上記2つがグリーンライトになっていないと、エコシステムは回転せず、ビジネスモデルは成立しない

グリーンライトではないすべてのプレイヤーにつき、その原因を分析し、実行可能な解決策を提示する。

例えば、役割分担の見直し、人材の応援、価値全体からの取り分を増やす、取り分の優先度を高める等

上記リスクの程度は刻々と変化するため、定期的・随時に見直し、プレイヤーの変更を含めて対策を更新する。

○ リーダーとフォロワー

リーダーの条件

価値設計図を描いて最初の投資を負担する者

フォロワーシップを誘導する能力

すべてのプレイヤーが儲かるシステムなので、フォロワーが悪いわけではない

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レイヤー

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2.ブロックチェーン関連エコシステムの構造

○ インターネットの構造と同様、レイヤーごとにプレイヤーが割拠

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インターネットとの異同

2.ブロックチェーン関連エコシステムの構造

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○ ブロックチェーン業界とインターネット業界の類似性を指摘する識者は多い

Marc Andreessen (a16z), Reid Hoffman (LinkedIn co-founder), Joi Ito (MIT Media Labo) …..

○ 類似点

Transportation infrastructure: パケット(TCP/IP) - ブロックチェーン

Decentralized: ダイナミック・ネットワーク - 信用生成の構造

Open:

Root: インターネットプロトコル - ブロックチェーンプロトコル

インターネットプロトコルを用いてもICANNルールに準拠しないことができるのと同様に、ブロックチェーンプロトコルを用いてもビットコインと異なる体系を築くことができる(alt.coin)

インターネット創成期(1993年)と現状との事業者の状況: 各レイヤーで割拠状態

アプリレイヤーでのキラーサービス: email - bitcoin

○ 議論のあるポイント

中央組織: ICANN - minerとの異同

核となる技術のデベロッパ: 軍・大学その他政府系機関 - サイバーパンク

レギュレーターの介入動機:

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アプリケーションレイヤー

2.ブロックチェーン関連エコシステムの構造

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○ 分散型台帳としての機能を活用した様々なアプリケーションの登場

Microtransactions(ティッピング): Criptiv, ChangeTip, NeuCoin… Wallets:Circle, Coinbase, Coinkite… Money Services(銀行口座なしの送金):Abra, BitPesa… Payroll(銀行口座なしの給与支払管理):Bitwage, Browsers: Mist(by Ethereum) Cards(ビットコインカード): Bitcoincard, BitPlastic, Eapo… Lending: Bitbond, BitLendingClub, OKCoin, Pylon Loans… Commodity(商品単価にペッグされた仮想通貨): Uro P2P Markets:Bitmarkts, La’Zooz, Purse… ATM: BitAcess, BitcoinATM, Bitcoiniacs, Bitsell… Document Verification(契約書のサイン): Blocksign, CredyCo eCommerce: Coinery, CryptoThrift, BitDazzle… Accounting(ビットコインの税計算、家計簿):Bitcoin Taxes, Copay….See: http://crypto.silk.co/ for 425 bitcoin/blockchain related businesses

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マクロプルーデンシャルな観点からの検討

3.仮想通貨領域の現状

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○ 各国際機関が仮想通貨に関するレポートを公表

World Bank: Virtual currencies, the legal and regulatory challenges (2013.6)

Financial Action Task Force: Virtual currencies: key definitions and potential AML/CFT risks (2014.6)

European Central Banks: Virtual currency schemes – a further analysis (2015.2)

International Monetary Fund: to come

○ ECB報告書

仮想通貨「中央銀行、信用機関又は電子マネー機関によって発行されたものではない価値の電子的な表章であって、マネーの代替として用いられ得るもの」 - 通貨性を否定

エコシステムの存在を認知し、仮想通貨の主要な特徴の一つとして指摘

以下の点を弱みとして認識

・ 透明性の欠如、IT・ネットワークへの過度の依存、参加者の匿名性、ボラティリティの高さ

⇒ システムリスク、カウンターパーティリスク、為替リスク、詐欺リスク

以下の点を強みとして認識

・ 利用者コストの低さ、クロスボーダー取引、支払者の匿名性、決済スピード

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マクロプルーデンシャルな観点からの検討

3.仮想通貨領域の現状

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○ ECB報告書(cont)

通貨安定への影響

理論上は通貨安定・通貨政策への影響を及ぼしうるが、現状の流通量や使用場面からはそのリスクは低い

金融安定への影響

本質的に不安定性を帯びているため、コンセプト上は金融安定を危険にさらしうるものであるが、リアル経済(為替レート、為替マーケット)とのつながりの薄さ、取引量の少なさや広く受容されていないことから、現状においてそのリスクは低い

決済システムの安定性への影響

・ エコシステム型の決済システムであり、ユーザーが決済機関を介さず直接システムにつながる点に、従来にない特徴

⇒ ユーザ自身が決済システムリスクに直面(信用リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスク、リーガルリスク)

・ 現状はその流通量から決済システムへの脅威とはならないが、以下の条件のもと状況は変化する

グローバルな銀行システムに接続する大規模金融セクターが仮想通貨領域に参入

(大規模Eコマース業者による取扱開始等による)ユーザーの急増とこれに伴う取引量の急増

・ 上記条件が充足するかは、仮想通貨が①消費者利便に欠ける点を克服し、②技術上の脆弱性を克服し、③通貨との為替レートの安定性を確保できるか否かによって決まる。

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マクロプルーデンシャルな観点からの検討

3.仮想通貨領域の現状

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○ ECB報告書(cont)

金融システムのインテグリティ保持(AML/CFT)

・ 換金可能な仮想通貨は、クロスボーダー性、インターネットアクセスによるものであること、匿名性の高さから、匿名者の資金調達や支払いに活用される。

・ マネーロンダリング、テロリストファイナンスに関するリスクは、以下の特徴により仮想通貨につき高い。

分散型システムであるため、インテグリティに対して責任を持つ当事者がいない

e.g. 本人確認手段の欠如

AML/CFTルールの適用と執行の困難性

事業者がルールの脆弱な地域に事業を構えることが容易

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オープンイノベーションを軸にした金融業への転換

4.既存金融サービス事業者の貢献

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○ 英国の状況

・ テックコミュニティではなく、金融コミュニティの中にFinTech企業を位置づけ

・ 起業家も金融セクターの出身者(金融機関IT人材等)

・ スタートアップ、金融機関、行政によるFinTech推進のためのコラボレーション

・ Financial Services Trade & Investment Boardを通じ、各金融分野におけるスキルと専門知識を行政と民間が共有

・ NPO法人であるInnovate Financeにおいて、民間事業者(スタートアップ、金融機関)が金融イノベーションを実現する法制を提言

自前主義(NIH忌避)や囲い込み(技術、人員、企業)の発想を脱した提携戦略の重要性

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オープンイノベーションを軸にした金融業への転換

4.既存金融サービス事業者の貢献

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オープン・イノベーションにおけるスタートアップ企業の位置付け

• 自社では行えない新たなビジネスモデルの開発の場

• 協働対象となる社外の優秀な人材の供給元

• 社内の研究開発の活用先

スタートアップ企業のニーズ

• アイディアはあるがリソースが不足

• 売上げを上げることでビジネスモデルを確立したい

• 投資家にエグジット先を提供する必要

事業協働(コラボレーション)

資本業務提携

買収

事業開発投資資金キャッシュフロー(売上)

<既存金融サービス事業者が持っていないもの>

技術・事業モデル迅速でレガシーのない組織安価な事業費

<スタートアップ企業が持っていないもの>

<スタートアップ企業が提供できるもの>

最新事業モデル・技術アントレプレナーシップを持った人材低コスト組織

<既存金融サービス事業者が提供できるもの>

資金顧客

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オープンイノベーションの前提条件

4.既存金融サービス事業者の貢献

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マッチング・コラボレーションの阻害要因

○ 既存金融サービス事業者側の認識

• 資金をはじめとする旧来型のアセットを持つ側が上という感覚

⇔ 組織的要因や技術能力的要因から、自社組織からはスタートアップが持っている人材、技術、プロダクトは構造上生むことができないことを看過(いくら資金を出しても!)

• 囲い込みの発想

スタートアップ企業は、いわゆる中小企業と異なり、エグジットを前提とした資本により構成され、規律を受ける組織であることを看過

囲い込みによって「スケーラブルな事業モデル」というスタートアップ企業が目指す目標を阻害

買収して初めて囲い込みが可能

⇒ スタートアップ企業を成り立たせている利害関係者のロジックやエコシステムを正しく理解する必要

○ 既存金融サービス事業者のリスク管理技術

• 「脆弱な組織体制」「脆弱な財務体質」はスタートアップに内在する特徴(強みの裏側からの表現)

• 上記を踏まえて、スタートアップの特徴を殺さない形での共同プロジェクトのリスク管理態勢を構築するのは、既存金融サービス事業者の責務

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オープンイノベーションのテクニック

4.既存金融サービス事業者の貢献

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スタートアップ企業とのコラボレーションをする際の必要条件

① 誰と?

スタートアップ企業を社内にないスキルセットを持つ社外の有能なチームとして扱う

⇒ 自社でできることをスタートアップ企業にアウトソースするのではなく、同じ時間軸で自社ではできないことをスタートアップ企業と協働することで実現する

イコールパートナーシップ(相互尊重)の精神が貫かれなければ必ず失敗する

② 何を?

共通の目標(新たな事業モデルの開発等)を達成するため、それぞれの強みを持ち寄る

⇒ 明確な目標の設定、目標達成のための透明性の高いプロセス、明確な役割分担

③ どうやって?

財産的価値のある情報やその果実を囲い込まずにシェア

⇒ 知的財産権、データ(個人データ等)の取扱い、秘密保持の範囲を的確に設定、チーム間のコミュニケーション戦略、成果物の帰属ルールの公正性、シェア対象となる収益算出の透明性

④ リスク管理

コ・イノベーションリスク(エコシステム型の場合にはアダプションリスクを含む)の管理

⇒ 役割分担に応じた責任分担、公正な解消プロセス、コンティンジェンシープラン

締結する契約は業務委託契約ではなく共同事業契約

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銀行グループとスタートアップ企業との資本業務提携 ー 現状

4.既存金融サービス事業者の貢献

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○ ビットコインをめぐる我が国法体系上の位置づけについてはご案内のとおり

銀行グループにつき業務範囲規制の壁(金融関連業務該当性)

リスク管理(AML/CFT法制)の文脈からも取組みが困難か

○ 金融グループの業務範囲規制に関する金融審議会における今後の議論(3/3諮問)

持株会社の役割明確化・グループ全体での柔軟な業務展開実現のための枠組み

子会社業務範囲規制改革(従属業務子会社、金融関連業務子会社)

自己資本が充実し、経営管理の状況が良好と見られる持株会社グループに対して、「金融業務を補完する業務」につき申請に基づく個別認可を前提とした柔軟な業務展開を許容する米国の金融持株会社制度が参照されている

※ 保険持株会社は、現行法のもとでも個別許可により一般事業会社を子会社化できる。

実務上は監督当局による運用の壁

上記審議会議論を契機とした新たな展開

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スタートアップ企業との資本業務提携 ー テクニック

4.既存金融サービス事業者の貢献

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資本提携と業務提携を切り分け、資本提携部分はベンチャーファイナンスの資本構成に適合する形で座組みを作る必要

① 取得する株式

次ラウンドの優先株式

※ 投資の是非の判断に際し、キャピタルゲインによる収益のみを頼みとしなければならないVCと異なり、事業上の収益も勘案することができる点で、金融面での投資条件はVCと大きく異なる。

(例) コラボレーションをコミットしながらダウンラウンド防御は必要なのか

⇒ VCラウンドとは異なるラウンドで投資することに合理性

② 契約の建付け

⇒ 資本提携部分と業務提携部分の契約を分け、資本提携部分は他の投資家との株主間契約の枠組みで、必要な条件につき検討する。

業務提携部分については、イコールパートナーシップを前提とした協業契約

③ 株主間契約の条項

業務提携終了時の株式処分については先買権、出資比率維持、取締役選任、買収を見据えた強制売却条項

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5. 質疑応答

[email protected]

tel. 03.5220.1812

森・濱田松本法律事務所

増島 雅和

ご清聴ありがとうございました

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