修士論文とシラバスを対象とした人文学・社会科学の学際領域の可視化...

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可視化情報学シンポジウム 2014年7月21日 修士論文とシラバスを対象とした人文学・社会科学の学際領域の可視化 —「文化資源学の射程」研究プロジェクト報告 東京大学 鈴木親彦(大学院人文社会系研究科)− 発表者      中村雄祐(大学院人文社会系研究科)      増田勝也(大学総合教育研究センター)

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修士論文とシラバスを対象とした人文学・社会科学の学際領域の可視化

          「文化資源学の射程」研究プロジェクト報告

東京大学 鈴木親彦(大学院人文社会系研究科) 発表者−     中村雄祐(大学院人文社会系研究科)     増田勝也(大学総合教育研究センター)     

可視化情報学シンポジウム  2014 年 7 月 21 日 

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本発表のテーマ

•可視化技術を利用した学際研究の成果、知識の構造化

•いわゆる「文系研究者」が可視化技術を利用した事例、ユーザーとしての気づき

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「文化資源学の射程」研究プロジェクト

人文学・社会科学における学際研究とはどのようなものなのか,これからどのように発展させていくのか?

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学際研究・教育プログラムとしての「文化資源学」がもつ課題•踏まえるべき明示的な伝統,モデルの不在• 2000 年発足以来,まだ時間が経っていない• あえて学問の体系化・細分化以前への原点回帰を重視

する学際的領域として構想されている

•修士論文への注目• 研究科が認めた文化資源学の論文群• 修士論文という性格上,個々の論文の完成度は必ずし

も高くないかもしれないが,集合知として分析する価値はある• 情報学の成果を利用して全体を解析・解釈

•さらにシラバス、修士論文の参考文献も

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MIMA Search の概要•MIMA (Mining Information for Management and Acquisition) Search• 検索・可視化・マイニングの統合システム

•多様な視点からの文書集合の俯瞰を リアルタイムで実行可能• 文書間の関連度計算とクラスタリング• 前処理で文書から「用語」をスコアとともに抽出• 「用語」スコアに基づく文書間の関連度計算• 関連度に基づくネットワーク表示・クラスタリング• クラスタに対するラベルの自動付与

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MIMA Search の概要検索窓

検索結果リスト

ファセット検索( 絞り込み検索 )

クラスタビュー

クラスタ

クラスタラベル

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データと解析解析対象データ( 2014 年 7 月現在)•シラバス•講義数  637 件•語彙数  3,856 ( MIMA Search による)

•修士論文要旨•論文数  76 本(許諾を受けた数)•語彙数  6,726 ( MIMA Search による)

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修士論文要旨

「日本語で, 4,000 字以内とする.外国語の場合はそれに相当する長さ.印字する際,読みやすいよう行間は十分にとること.」

「平成25年度 修士論文の提出について」(東京大学大学院人文社会系研究科)http://www.l.u-tokyo.ac.jp/student/master_thesis.htmlより.

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可視化情報学会 要旨 人文学・社会学における学際研究とはどのようなものなのか、これからどのように発展させていくのか。我々は、東京大学大学院人文社会系研究科に 2000 年に設立された人文社会系の学際的研究・教育プログラム、「文化資源学研究専攻」を対象に研究領域の形成過程を分析している。具体的には、文化資源学研究専攻の授業シラバス( 2013年時点で約 600 件)、および修士論文( 2013 年時点で約 80 本)の「論文要旨」「参考文献一覧」をデータベース化し MIMA SEARCH を用いた分析を行ってきた。 今回は、過去約 10 年分のデータをもとに計算された頻出語群の可視化イメージを手掛かりに、新たな学際的な研究領域の形成過程を考察する。                     ( 280 字)

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文化資源学 修士論文 要旨 本論文では、日本の出版流通産業に対して考察を行う。出版流通とは、出版物が制作されてから読者の手に渡るまでの物流や商流を支える制度である。考察の目的は、出版流通が文化資源を支える役割を持ちえる可能性を確認すること、およびその役割を果たすための方法を示すことである。 論文構成は以下の通りである。全体の方向性を示すために「はじめに」を置き、次に第一章および第二章で研究対象と研究方法を整理する。続いて第三章から第五章までを事例考察に充て、第六章で結論を示す。最後に「結びにかえて」を置き、文化資源学に論文を提出する意義と、今後の研究課題を示す。第一章では、本論で対象とする出版流通の範囲を説明する。まず電子書籍に関して戦わされている議論を例に挙げ、そこでは電子に対置される紙の出版物が特定の範囲に限定されてしまう傾向があることを示す。この考察を入り口とし、出版物と言う言葉が示す範囲は広く、出版社が発行する書籍雑誌の他、個人や同好の志が発行する同人誌、展覧会のカタログの様にイベントなどに際して発行される記録、一度読者の手に渡ってから再度流通することになった古書などが含まれる事を示す。そして、研究対象とする分野を無意識に限定して議論を行うことの危険性を述べる。 出版物の範囲が広いことを確認した上で、本論では対象を出版社が発行し取次とよばれる流通会社が間に入り書店によって販売される、いわゆる新刊出版物に絞ることを宣言する。そして新刊出版物が流通する経路をメインルートと呼んで議論を進めて行くと説明し、さらにメインルートに考察範囲を限定することで得られる研究上のメリットを明示していく。ここで示されるメリットとして、先行研究の厚みがあること、データへのアクセスが容易であることといった研究を行う際の利点と、少数の企業を基礎とする流通システムが出来上がっているため、その企業への提案が全体に波及しやすく、研究による産業へのフィードバックを行いやすいと言う研究後の利点が示されるであろう。 第二章では先行研究をまとめると共に、本論文で軸となるアプローチについての説明を行う。まず先行研究を、出版流通を支える産業の構造を整理する方法、出版流通を支える法律や契約など制度面についての研究、産業研究以外の分野における成果を応用した解釈的な方法の三つに分類し、概要と研究によって得られる利点、および見落とされている問題を整理していく。 この整理を受けて、本論で中心となる、ストックを軸に考えるアプローチを説明する。これは、従来の研究がどのように出版物が流通経路の上を流れて行くかに注目していたのに対して、出版物が社会の中に蓄積され利用される状況に注目すると言う考え方である。出版物の特性は、流通している経路の特殊性からではなく、個々の出版物の持つ内容や機能から生まれるのだと言う佐藤健二の議論を利用し、出版物が文化資源としての意味を持つには、ストックに注目しなくてはならないことを述べて行く。そしてストックを形作る蓄積の多様性を、メインルートにおける小売業の多様性を例として示していく。 第三章では、メインルートの中核となるプレーヤーであり、本論文の結論でも重要な役割を担う取次について考察を行う。前提情報として、メインルートの全体の状況を経済指標を基に確認する。確認する指標は、1950年代以降のメインルート全体の売上・返品率・新刊発行点数、および最近の小売出廃店状況と取次の経営状態である。この指標からは以下のことが明らかになるであろう。一点目は従来のメインルートの中心は雑誌におかれていた事、二点目として1990年代後半からは雑誌、書籍ともに売り上げが低迷し、返品率も増加していると言うこと、三点目はメインルートを担うプレーヤーが絞り込まれていると言う事である。また取次の経営状態も楽観できない状況にあることが示される。 全体の状況と取次の経営状況を確認した上で、取次がメインルートにおいて担っている機能を示していく。出版流通と関わらないものを除き、(1)仕入配本機能、(2)物流機能、(3)営業機能、(4)開発機能、(5)金融機能という5種類の機能に整理して説明を行う。続いて、これら従来の機能に加えて近年取次が取り組んでいる新しい動きを説明する。この動きは、商品を移動させることに重点を置いていた従来に動きに対して、在庫を管理し市場をマネジメントする方向性を持った取り組みであると。新しい動きの具体例としては以下の二つを示すことになる。一つ目は取次会社トーハンが提供する書店在庫管理サービス「適在適書」である。もう一つは、業界全体の新しい取引制度として議論されており、現在取次会社日販が積極導入している「責任販売制度」である。この二つの例から、従来のフロー中心の取り組みから、ストックを重視する取り組みへと、取次の意識が移っている事を示すことができる。一方で取次には、派出版流通が文化資源を支え得るものになるための社会全体のストックを俯瞰的に考える視点が欠けていることも分かる。ここで示された現在の取り組みの限界は、出版流通の持ついくつかの前提条件を明確化しなくては突破できない。その問題を、四章及び五章の事例から探っていくことになる。 第四章では、1975年に起きた「発売日問題」を入り口として、メインルートが雑誌をメイン商材として大量物流に重点を置いてきたために、無意識のうちに前提としてしまった問題を明らかにする。発売日問題とは、通常の流通ルートとは異なる出版物輸送網を持つ鉄道弘済会売店、いわゆる駅の売店が、設定された発売日よりも早く雑誌を店頭に並べたことに対して、書店の連合体である日書連が発売日厳守の運動を起こし、業界全体を巻き込む大論争に発展した事件である。この事件の背景には、新業態の登場や漫画ブームと言った当時の社会情勢があった。しかし、今日も発売日を巡る議論が続いている例もあることから、問題は時代性だけではないことも分かる。そこで、明治以降の出版流通史を振り返ることでメインルート成立の際に刷り込まれた問題を見出していく。明治大正期の出版流通と読者層の形成を研究している永嶺の調査を確認すると、全国一律の流通が確立したことで、読者側に出版物の到着が遅れるという感覚が植え付けられたことが分かる。さらに流通史を紐解くと、雑誌を主軸として扱っていた企業のシステムに書籍流通が取り込まれる形で流通の一本化が図られ、それを基礎として今日のメインルートが成立したことで、雑誌や新聞に関しての感覚として培われてきたこの発売日感覚が出版物全体の問題として拡大してきた事実を確認することができる。ここで、発売日を巡る問題、つまり新刊が届く速さを争点とする感覚が、出版流通を縛ってきた一つ目の前提として明らかになる。 第五章では、Amazon.comの日本法人であるアマゾンジャパンと、メインルート流通に対する非難の原因となってきた客注問題を中心に、近年生じている流通改善の変化を確認する。客注とは、店頭に来店した読者がその店に在庫していない商品の取り寄せ注文をすることである。出版流通は雑誌を扱う大量物流を主軸としてきたため、特定の一冊を対象とした客注対応を不得意としてきた。しかし、ネット通販サイトであるAmazon.comでの購入は、欲しい商品を検索して取り寄せるという、言わば客注と同じ形式をとる。言わばAmazon.comによって客注スタイルによる購入の一般化が進行したと言える。 2000年以前は業界三者が共同で出資したJBS構想など業界一丸で客注問題を解決しようとしていた大きな動きがあったが、アマゾンジャパン上陸と前後して、トーハンによる桶川SCM計画や日販によるwww.projectなど大手取次による大規模投資に流通改善の主軸が移っていく。さらに、アマゾンジャパンに対抗して各社がネット書店を開設し読者ニーズが直接見えるようになり、IT技術の発展によって小売の持つ販売情報を収集できるようになったことで、取次のメインルートを支えるインフラとしての役割が拡大したと言う事ができる。以上の様な事例からの考察を受けて、六章において出版流通メインルートの今後取るべきモデルを提案する。提案の軸となるのは次の三点である。つまり従来のフロー重視した考え方では限界があること、出版流通に関わるデータが蓄積されリアルタイムに概況を把握できるようになったこと、取次が今まで以上に大きな役割を担うようになったことである。提案する新たなモデルは、取次に重要な役割が与えられる。これまでの部分最適を追及する方針を切り替え、流通データとこれまで蓄積してきた開発情報を併せて利用することで、各エリアにどのような出版物の集積地が不足し、どの商材が求められているのかを考える、つまり社会全体を見渡したストック管理を行うという役割である。これは、新たな統制や産業支配に繋がるものではなく、取次が総合的なインフラとなり、その上で生の情報を持つ書店や出版社が活動することで、新しい協力体制を生むものだと言える。またこのモデルは、文化的な観点から言えばストックを支えるものであり、一方で産業的な観点から言えば、産業に新しい役割を与えて継続可能性を広げるものとなる。 最後に、文化資源学研究として今日の出版流通を扱った意義を述べることで結びに換える。本論文は、文化資源学の視点を導入して産業を分析したことで、文化と産業を対立するものと考えて一方の視点からのみ研究を行う、いわば二分法的な態度を克服したと言う重要な意義がある。さらに、資本主義的な利益追求を行う組織や産業をメインに扱う研究が少なかった文化資源学の立場から、今後も産業を継続する為の提案を行えたと言う意義を挙げることができる。

                                                                (3,969字)

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協力体制と作業過程•2012 年度•東京大学大学院情報理工学研究科稲葉研究室と連携、要旨テキストと参考文献のデータベースを作成•頻度分析や可視化技術を使った分析の開始

•2013 年度•新たに「知の構造化センター」と連携•MIMAサーチを利用した、シラバス、修士論文要旨、文化資源関連団体の分析

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事前に行った分析

•参考文献リストの基本的な頻度分析•著者• 特定の分野に集中せず、ばらつきが大きい• 方法論の参照には傾向がみられる

•発行年• 数百年の広がりを持つ

•発行主体・出版者• 商業出版社の比率が高い• 特定学会の比率は大きくはない(文化資源学会は下位)• 学会以外の研究団体、協議会も多い

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シラバスの解析

•全講義の説明( 637 件)を一度に表示することは可能だが、解釈には向かない。

•3 年のまとまりで解析。どのようなキーワードが登場しどうクラスタ化されるかを見る。•所属大学院生の傾向から

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シラバスの解析

•2005 年以降「文化政策」講義のクラスタが拡大→最新の状況まで大きなグループを形成

•美術館・博物館に関するクラスタの安定した出現 (「ミュージアム」「展覧会」と言う揺れはある)

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シラバスの解析• 開設当初 2002-2004

ミュージアム

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シラバスの解析• 「文化政策」クラスタ出現 2005-2007

展覧会

文化政策

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シラバスの解析• 最新の状況 2009-2011

展覧会

文化政策

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シラバスの解析

•2005 年以降「文化政策」講義のクラスタが拡大→最新の状況まで大きなグループを形成

•美術館・博物館に関するクラスタの安定した出現 (「ミュージアム」「展覧会」と言う揺れはある)

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修士論文要旨の解析

展覧会

文化政策

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修士論文要旨の解析•「文化資源(学)」という語の自己言及性は低い•実践的な学問分野については,共通した語彙が形成されている.

→インプット(教育・シラバス)とアウトプット(論文)がある程度合致

               ただし……

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深い理解とわかりやすい可視化「デザイン」という語の解釈の顛末

•誰もが持つ問題• ストーリーを探すバイアス• ユーザーのヴィジュアル・リテラシー

•文系の研究者は語彙と文章を解釈する訓練を積んでいるために、可視化の恩恵とともにバイアスを受けやすい

•今回の例では• インプットとアウトプットの合致を発見•その脇に現れた「デザイン」クラスタ

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インプットとアウトプット• インプットとアウトプットが相似形であることの発見• 「デザイン」というマジックワード• 最大クラスタ「デザイン」を構成する修士論文は遺跡,演劇,工芸,雑誌,帳簿など多様なテーマ

 =やむなく「その他」と呼ぶ

• 「何を」―文化資源―を象徴するキーワードはまだ見出されていない。

•形の相似 ≠ 形を生み出す過程の相似• (形から過程を想像する逆問題)

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まとめ―可視化と文化資源学の視点

•可視化の活用に向けて• 文系研究者のリテラシー向上• 精読・熟読とは違った訓練

• 単語や文章の持つ多義性をカバーする可視化• 「分かりやすさ」(ツリーの断面図)と「深み」(ツリー

の構造)の両方を示す可視化(鳥瞰図?)

• Digital Humanities 分野でも繰り返される議論だが• 複雑なものをシンプルに見せる  → 複雑なものの複雑さを担保したままシンプルに見せる

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