「すざく」衛星による 2 型セイファート銀河の観測
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2006 9 23年 月 日2006 9 23年 月 日 日本物理学会 秋季大会 日本物理学会 秋季大会 11
「すざく」衛星による「すざく」衛星による22 型セイファート銀河の観型セイファート銀河の観
測測磯部直樹磯部直樹 (( 理化学研究所理化学研究所 ))
伊藤健伊藤健 , , 牧島一夫(東大)牧島一夫(東大) , , 粟木久光(愛媛粟木久光(愛媛大)大) , Richard Griffiths (Carnegie Mellon Univ, Richard Griffiths (Carnegie Mellon Univ
ersity)ersity)SuzakuSuzaku SWG team of NGC 4945 SWG team of NGC 4945
NGC 4945 「すざく」
2006 9 23年 月 日2006 9 23年 月 日 日本物理学会 秋季大会 日本物理学会 秋季大会 22
2型セイファート銀河と「すざ2型セイファート銀河と「すざく」く」
巨大ブラックホール
M=106 – 109M◎
降着円盤分子雲トーラス
1 型セイファート銀河 2型セイファート銀河
0.1 1 10 100
フラックス
Chandra/Newton直接 ( 吸収 ) 成分反射成分
すざく XIS/HXD
散乱成分
2006 9 23年 月 日2006 9 23年 月 日 日本物理学会 秋季大会 日本物理学会 秋季大会 33
22 型セイファート銀河 型セイファート銀河 NGC NGC 49454945
距離 距離 D D = 3.7 Mpc = 3.7 Mpc にある、にある、edge-on edge-on の 渦巻銀河の 渦巻銀河
強いスターバースト活動を強いスターバースト活動を示し、赤外線で非常に明る示し、赤外線で非常に明るい。い。
質量 質量 MMBHBH = 1.4x10 = 1.4x1066MM◎◎ 強い吸収を受けた中心核を強い吸収を受けた中心核を
持つ 持つ (Compton-thick)(Compton-thick) 。。 20 keV 20 keV 以上の硬以上の硬 XX 線領域で線領域で
は、もっとも明るいセイは、もっとも明るいセイファート銀河ファート銀河
「すざく」により2回観測「すざく」により2回観測 20052005 年年 88 月月 22-2322-23 日日 (23 ksec)(23 ksec) 20062006 年年 11 月月 15-1715-17 日日 (80 ksec)(80 ksec)
5 分角(5.4kpc)
NGC 4945 の可視光画像 (DSS)
2006 9 23年 月 日2006 9 23年 月 日 日本物理学会 秋季大会 日本物理学会 秋季大会 44
「すざく」「すざく」 XISXIS によるによる XX 線画像線画像 銀河に沿った銀河に沿った XX 線放射、線放射、
いくつかの点源などを検いくつかの点源などを検出した。出した。
22 回目の観測で、新しい回目の観測で、新しい XX線源線源 (Ultraluminous X-ray (Ultraluminous X-ray Source)Source) が出現した。が出現した。
2005 年 8 月 22 日2006 年 1 月 15 日
XIS FI (0.5 -10 keV)赤外線 (2MASS K-band)
2006 9 23年 月 日2006 9 23年 月 日 日本物理学会 秋季大会 日本物理学会 秋季大会 55
「すざく」「すざく」 XISXIS によるによる XX 線画像線画像 銀河に沿った銀河に沿った XX 線放射、い線放射、い
くつかの点源などを検出しくつかの点源などを検出した。た。
22 回目の観測で、新しい回目の観測で、新しい XX線源 線源 (Ultraluminous X-ray (Ultraluminous X-ray Source) Source) が出現した。が出現した。
NGC 4945 NGC 4945 からの放射は、からの放射は、0.5 – 2 keV, 2 – 10 keV0.5 – 2 keV, 2 – 10 keV ととも広がっている。も広がっている。
鉄の輝線は、中心核の周辺鉄の輝線は、中心核の周辺に集中している。に集中している。
新新 XX 線源は、線源は、 NGC 4945 NGC 4945 よりも明るいよりも明るい (0.5 – 2 keV)(0.5 – 2 keV) 。。
銀河に沿った輝度分布
銀河
PSF
2006 9 23年 月 日2006 9 23年 月 日 日本物理学会 秋季大会 日本物理学会 秋季大会 66
すざくによるすざくによる XX 線スペクトル線スペクトル 吸収された中心核吸収された中心核 (( 直接成分直接成分 ))
Power LawPower Law = 1.64 ± 0.07= 1.64 ± 0.07 NNHH = (4.1±0.5) x 10 = (4.1±0.5) x 102121 cm cm-1-1
Cut off Power LawCut off Power Law ~ ~ 1.51.5 E > 150 keVE > 150 keV
LL20-100keV20-100keV = 1.0 x 10 = 1.0 x 104343 ergs s ergs s-1-1
反射成分反射成分 直接成分の ~ 直接成分の ~ 1 %1 %
鉄の輝線 鉄の輝線 EEkk = 6.39±0.01 keV, = 6.39±0.01 keV, EW EW ~ ~ 1.2 keV1.2 keV EEkk = 7.05±0.02 keV, = 7.05±0.02 keV, EW EW ~ ~ 200 eV200 eV EE33 = 6.67±0.02 keV (FeXXX) = 6.67±0.02 keV (FeXXX)
ホットな熱的プラズマホットな熱的プラズマ kTkT ~ ~ 6 keV6 keV
ソフトな熱的プラズマソフトな熱的プラズマ kTkT ~ ~ 0.3 keV0.3 keV
0.5 – 100 keV0.5 – 100 keV にわたる、にわたる、統計のよいスペクトルが得られた統計のよいスペクトルが得られた
2006 9 23年 月 日2006 9 23年 月 日 日本物理学会 秋季大会 日本物理学会 秋季大会 77
XX 線の光度変動線の光度変動
XISXIS のの 0.5 – 2 keV, 2 – 10 0.5 – 2 keV, 2 – 10 keVkeV のライトカーブには、のライトカーブには、有意な時間変動はない。有意な時間変動はない。
PINPIN のライトカーブには、のライトカーブには、有意な変動が見られる。有意な変動が見られる。 33 倍程度倍程度 ~~ 10 ksec10 ksec のタイムスケーのタイムスケー
ル ル PINPIN の の Hardness Ratio Hardness Ratio
は、ほとんど変化しない。は、ほとんど変化しない。 スペクトルの形はほとんスペクトルの形はほとん
ど変化していない。ど変化していない。
XIS のライトカーブ
PIN のライトカーブ
2006 9 23年 月 日2006 9 23年 月 日 日本物理学会 秋季大会 日本物理学会 秋季大会 88
これまでの硬これまでの硬 XX 線観測との比較線観測との比較
1990 – 2006 年の 16 年で、中心核の活動は、約 2 倍変動した。スペクトルの形は、ほとんど変化しない。
Ginga : Iwasawa et al. 1993BeppoSAX : Guainazzi et al. 2000RXTE : Madejski et al. 2000RXTE/Chandra : Done et al. 2003
2006 9 23年 月 日2006 9 23年 月 日 日本物理学会 秋季大会 日本物理学会 秋季大会 99
まとめまとめ 「すざく」は、近傍の「すざく」は、近傍の 22 型セイファート銀河型セイファート銀河 NGC 4945 NGC 4945 を、を、 20052005
年年 1818 月月 2222 日と日と 20062006 年年 11 月月 1515 日の日の 22 回観測した。回観測した。 0.5 – 200 keV 0.5 – 200 keV にわたる広帯域のにわたる広帯域の XX 線スペクトルが、良い精度で得線スペクトルが、良い精度で得
られた。られた。 「すざく」による広帯域の「すざく」による広帯域の XX 線スペクトルは、強い吸収を受けた線スペクトルは、強い吸収を受けた
中心核、反射成分、強い鉄輝線、熱的プラズマに、分解することが中心核、反射成分、強い鉄輝線、熱的プラズマに、分解することが出来た。出来た。
中心核のスペクトル成分は、中心核のスペクトル成分は、 Power Law Power Law でも でも Cut off Power LaCut off Power Laww でもあらわすことが出来た。でもあらわすことが出来た。
Cut off Cut off の有無を決めるには、より精度の高いバックグラウンドとの有無を決めるには、より精度の高いバックグラウンドとレスポンスが必要と思われる。レスポンスが必要と思われる。
中心核の活動は、長期的にも短期的にも 中心核の活動は、長期的にも短期的にも 2 – 3 2 – 3 倍程度変化してい倍程度変化していることがわかった。しかし、スペクトルの形は、ほとんど変化しることがわかった。しかし、スペクトルの形は、ほとんど変化していないことがわかった。ていないことがわかった。
今回詳しく報告しなかったが、今回詳しく報告しなかったが、 22 回目の観測の際に新しい天体が回目の観測の際に新しい天体がNGC4945NGC4945 の南西の腕の領域に出現した。この新天体は、質量が の南西の腕の領域に出現した。この新天体は、質量が MM ~ ~ 20 20 MM◎◎ 程度のブラックホールと考えられる。程度のブラックホールと考えられる。
2006 9 23年 月 日2006 9 23年 月 日 日本物理学会 秋季大会 日本物理学会 秋季大会 1010
2006 9 23年 月 日2006 9 23年 月 日 日本物理学会 秋季大会 日本物理学会 秋季大会 1111
5.0-8.0 keV5.0-8.0 keV
6.2-6.6 keV6.2-6.6 keV
12-25 keV12-25 keV
25-50 keV25-50 keV
12-25/25-50 12-25/25-50 keVkeV
2006 9 23年 月 日2006 9 23年 月 日 日本物理学会 秋季大会 日本物理学会 秋季大会 1212
Cygnus X1
NGC 4945
Mrk 3
NGC 4051