横浜市インフルエンザ流行情報 16¿育所・ 幼稚園 82件, 8.6% 小学校 726件,...
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市全体で流行警報解除基準値を下回りましたが、依然
として流行は続いており、引き続き注意が必要です。
2017/2018 シーズン 2018 年 3 月 15 日
【概況】
横浜市全体の第 10 週(3 月 5 日~11 日)の定点※1あたりの患者報告数は、
8.60 となり、第 9 週の 13.48※2より減少し、流行警報解除基準値(10.00)を下回
りました。流行警報は解除されますが、これは流行が終息したということではあ
りません。依然として流行は続いており、引き続き注意は必要です。
年齢別では、15 歳未満の報告は 63.0%と、多くを占めています。学級閉鎖等
の報告件数は減少していますが、高齢者施設や医療機関、保育園での集団発
生報告は続いています。市内基幹定点※3からのインフルエンザ入院患者の報
告は減少しているものの続いており、10歳未満と70歳以上の報告が多いため、
重症化には引き続き注意が必要です。
迅速診断キットの結果は、第 10 週では A 型 48.7%、B 型 51.3%と、B 型が
やや多く報告されていますが、A 型の割合が増加しています。
今後も引き続き、正しい手洗い※4等や、咳が出る時のマスクの着用及び早期
受診などの対策※5が重要です。 ※1 定点とは、定期的にインフルエンザ患者発生状況を報告していただいている医療機関(市内 153 か
所)のことで、そこから報告された患者数の平均値が定点あたりの患者報告数です。
※2 追加報告があったため、以前お知らせした情報から報告数が更新されています。 ※3 基幹定点:患者を 300 人以上収容する病院(小児科医療と内科医療を提供しているもの)の中
から、地域ごとに指定された医療機関のことで、市内には 4 つの基幹定点があります。 ※4 横浜市保健所ホームページ(「正しい手洗い方法」および、掲示用ポスター「石けんで『手』を洗お
う」をトップページに掲載しておりますので、是非ご活用ください) ※5 市民向けインフルエンザ予防チラシ(横浜市)
1 市内流行状況:市全体の定点あたりの患者報告数は、2017年第 51週に 14.19にて注意報発
令、2018 年第 3 週に 55.76 にて警報発令、第 5 週の 67.58 をピークとして漸減し、第 10 週(3
月 5 日~11 日)で 8.60 となり、流行警報解除基準値(10.00)を下回りました。
横浜市インフルエンザ流行情報 16 号 横浜市衛生研究所 / 横浜市健康福祉局健康安全課
0
10
20
30
40
50
60
70
80
36 38 40 42 44 46 48 50 52 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35
9月 12月 1月 3月 6月
人
週
2012/13
2013/14
2014/15
2015/16
2016/17
2017/18
2 地図で表した今シーズンの区別流行状況(塗り分けの数字は定点あたり報告数)
2017年第 51週にて、市内全体で定点あたり 10.00を超えたため、流行注意報が
発令、2018年第 3週にて 30.00を超えたため、流行警報が発令されていました。
第 5 週の 67.58 をピークとして減少し、第 10 週にて警報解除基準値(10.00)を
下回りましたが、依然として流行は続いています。
第 10週では、神奈川区、南区、保土ケ谷区、瀬谷区で 10.00を上回っています。
≪市全体≫
第 9週 13.48※2
≪市全体≫
第 10週 8.60
警報解除
≪市全体≫
第 8週 18.47
≪市全体≫
第 51週 14.19
注意報発令
≪市全体≫
第 3週 55.76
警報発令
≪市全体≫
第 5週 67.58
報告数のピーク
= 0人~
= 20人~
= 10人~
= 15人~
= 5人~
青葉区
都筑区港北区
鶴見区緑区
神奈川区旭区
保土ケ谷区 西区
中区
泉区
戸塚区
港南区
磯子区
金沢区
栄区
瀬谷区
南区
= 25人~
= 30人以上
インフルエンザ 第51週(2017年)
18.80
6.60
12.40
5.577.13
9.86
13.50
12.00
10.14
17.00
14.77
32.57
19.70
14.00
14.45
26.83
7.71
13.71
= 0人~
= 20人~
= 10人~
= 15人~
= 5人~
青葉区
都筑区港北区
鶴見区緑区
神奈川区旭区
保土ケ谷区 西区
中区
泉区
戸塚区
港南区
磯子区
金沢区
栄区
瀬谷区
南区
= 25人~
= 30人以上
インフルエンザ 第3週
61.20
62.20
31.00
26.5060.00
51.63
61.17
46.67
53.29
45.75
45.00
54.14
47.90
59.50
57.36
58.17
86.71
90.29
= 0人~
= 20人~
= 10人~
= 15人~
= 5人~
青葉区
都筑区港北区
鶴見区緑区
神奈川区旭区
保土ケ谷区 西区
中区
泉区
戸塚区
港南区
磯子区
金沢区
栄区
瀬谷区
南区
= 25人~
= 30人以上
インフルエンザ 第5週
63.40
73.00
44.00
23.5780.25
72.50
60.50
55.30
62.29
54.50
57.62
85.33
53.90
79.38
72.91
71.17
113.71
104.29
= 0人~
= 20人~
= 10人~
= 15人~
= 5人~
青葉区
都筑区港北区
鶴見区緑区
神奈川区旭区
保土ケ谷区 西区
中区
泉区
戸塚区
港南区
磯子区
金沢区
栄区
瀬谷区
南区
= 25人~
= 30人以上
インフルエンザ 第8週
16.00
24.22
15.40
11.8621.50
13.00
16.50
16.90
13.29
17.13
23.92
25.71
13.36
20.57
14.36
18.33
25.29
26.43
= 0人~
= 20人~
= 10人~
= 15人~
= 5人~
青葉区
都筑区港北区
鶴見区緑区
神奈川区旭区
保土ケ谷区 西区
中区
泉区
戸塚区
港南区
磯子区
金沢区
栄区
瀬谷区
南区
= 25人~
= 30人以上
インフルエンザ 第9週
12.60
15.20
13.60
9.5715.00
9.63
17.25
9.80
13.29
9.75
13.85
13.14
14.36
17.75
12.45
10.00
15.57
20.14
= 0人~
= 20人~
= 10人~
= 15人~
= 5人~
青葉区
都筑区港北区
鶴見区緑区
神奈川区旭区
保土ケ谷区 西区
中区
泉区
戸塚区
港南区
磯子区
金沢区
栄区
瀬谷区
南区
= 25人~
= 30人以上
インフルエンザ 第10週
7.20
12.11
5.20
4.1711.88
7.38
11.63
6.20
8.00
8.00
7.58
7.83
9.30
9.57
8.09
8.67
7.29
13.71
保育所・
幼稚園
82件, 8.6%
小学校
726件, 76.3%
中学校
115件, 12.1%
高等学校
24件, 2.5%
その他
4件,0.4%
学級閉鎖等の施設の状況
(今シーズン)
3 年齢層別集計:第 10 週の患者年齢構成は、10 歳未満が 49.8%、10 歳から 15 歳未満が
13.2%となり、15 歳未満が全体の 63.0%を占めています。第 7 週以降、15 歳未満の占める割
合がわずかに減少しつつあり、成人の占める割合が増加しつつあります。
4 市内学級閉鎖等状況:学級閉鎖等の報告は、第 10 週で 11 件、患者報告数 85 人と、減少し
続けています。内訳は、保育所・幼稚園 2 件、小学校 8 件、中学校 1 件です。
今シーズンの第 10週までの報告は累計 951件、患者数は延べ 17,271 人で、施設の割合は、
保育所・幼稚園 8.6%、小学校 76.3%、中学校 12.1%、高等学校 2.5%、その他 0.4%となって
います。
5 インフルエンザ脳症:市内医療機関から全数報告される急性脳炎のうち、インフルエンザ脳
症の報告は、第 10 週はありませんでした。今シーズンのインフルエンザ脳症の報告の累計は、
第 5 週の 2 件(いずれも 10 歳未満で、A 型 1 件、B 型 1 件)でした。
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
0
50
100
150
200
250
第46
週
第47
週
第48
週
第49
週
第50
週
第51
週
第52
週
第1週
第2週
第3週
第4週
第5週
第6週
第7週
第8週
第9週
第10
週
患
者
数
施
設
数
学級閉鎖等の施設数と患者数の推移
保育所・幼稚園
小学校
中学校
高等学校
その他
患者数
54.1%
48.8%
48.1%
47.2%
49.8%
17.8%
16.3%
15.9%
14.8%
13.2%
4.4%
4.9%
5.0%
5.6%
6.0%
3.0%
4.1%
4.6%
4.5%
4.1%
4.9%
5.4%
5.0%
6.1%
6.6%
6.2%
8.4%
8.9%
8.9%
7.0%
4.1%
5.5%
5.6%
5.8%
5.7%
2.8%
3.5%
3.5%
3.5%
3.4%
2.8%
3.2%
3.4%
3.4%
4.2%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
第6週
第7週
第8週
第9週
第10週
年齢層別患者割合
10歳未満 10~14歳 15~19歳 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳以上
6 入院サーベイランス:市内基幹定点医療機関※3におけるインフルエンザ入院患者は、第 10
週は第 8 週、第 9 週より減少し、3 人の報告があり、累計 302 人となりました。うち、10 歳未満
は 48 人、70 歳代は 78 人、80 歳以上は 111 人と、多くを占めています。
入院時の診療内容が把握されている事例で、ICU入室、人工呼吸器の使用、頭部CT検査、
脳波検査等が実施された重症肺炎やインフルエンザ脳症が疑われる入院患者は、第 10 週で
は 1 人の報告がありました(インフルエンザ脳症の発生届はありませんでした)。
7 迅速キット結果:今シーズンの初めはA型が多く報告されてきましたが、第 50週頃より B型の
割合が増え始め、第 1週以降、B型が多く報告されています。第 10週の迅速キットの結果では、
A 型 48.7%、B 型 51.3%となり、第 9 週と比べて A 型の割合が増加しています。B 型の患者報
告数が減少する一方で、A 型の患者報告数が横ばいとなっている状況です。今シーズン累計
は、A 型 33.7%、B 型 66.1%、A・B 型ともに陽性 0.2%となっています。
2414人(33.2%)
2145人(25.1%)
2168人(24.2%)
1362人(21.3%)
696人(21.9%)
722人(30.0%)
676人(36.6%)
529人(48.7%)
1774人(59.1%)
4845人(66.6%)
6376人(74.7%)
6761人(75.6%)
5005人(78.4%)
2473人(77.9%)1678人
(69.7%)1165人(63.1%)
558人(51.3%)
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000
横浜市の患者定点医療機関における
迅速診断用キットによる型別の報告数(人)
A陽性 B陽性 A・B陽性
33.7%
66.1%
0.2%今シーズン累計
0.00
2.00
4.00
6.00
8.00
10.00
12.00
14.00
第36週 第38週 第40週 第42週 第44週 第46週 第48週 第50週 第52週 第2週 第4週 第6週 第8週 第10週
(人) 基幹定点あたりの入院患者報告数の推移
2017/18
2016/17
0
20
40
60
80
100
120
10歳未満 10~14歳 15~19歳 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代 80歳以上
(延べ人数) 今シーズンの入院状況(年齢別)
8 市内病原体検出状況:市内では病原体定点※6からAH1pdm(48株)、AH3(57株)、B(山形系
統)(96 株)が分離・検出されており、B(山形系統)が多くを占めています。AH1pdm は第 6 週
以降は分離・検出されていませんが、AH3はシーズンを通じて一定数が分離・検出されていま
す。全国の分離・検出も同様の傾向と考えられます※7。
B 型ウイルスの流行が早期に始まっていることから、A 型ウイルスとの再感染や重複感染に
も注意が必要です※8。 ※6 病原体定点:採取した検体を衛生研究所に送付する医療機関で、市内に 17 か所あります。うち、イ
ンフルエンザについては 12 か所にて採取されています。 ※7 週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数(国立感染症研究所、2018 年 3 月 14 日作成) ※8 2017/18 シーズンの山形系統の B 型インフルエンザ流行状況―横浜市 市内病原体定点からのインフルエンザウイルス分離・検出状況
(2018年 3月 14日現在)
インフルエンザウイルスの
電子顕微鏡写真(6 万倍)
B 型(山形系統)
撮影:横浜市衛生研究所
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
分離・検出数
AH1pdm:48
AH3型:57
B型(山形系統):96
2017年 10月 11月 12月 2018年1月 2月 3月 週数
48株23.9%
57株28.4%
96株47.8%
今シーズン累計
【お問い合わせ先】 横浜市衛生研究所感染症・疫学情報課 TEL 045(370)9237
横浜市健康福祉局健康安全課 TEL 045(671)2445
同等
60株52.6%
2倍46株
40.4%
4倍8株
7.0%
9 分離株の抗原性解析:市内で分離された株(細胞培養した 251株、3月 9日現在)のワクチン
株との抗原性解析(HI 試験)を実施しました。ワクチン類似とされているのは 4 倍以内です。あ
くまでもウサギの血清を使っているため参考値ですが、AH3 は、37 株のうち 33 株が 8 倍以上
で、AH1pdm(100 株)と B(山形系統)(114 株)は、すべて 4 倍以内となっています。
これは、AH1pdm および B(山形系統)の流行株は「国内ワクチン製造株に抗原性が類似し
ていた」、AH3の分離株の9割以上が「国内ワクチン製造株に対する抗血清との反応性低下が
認められ、ワクチン抗原と流行株の抗原性相違が推定される」とする国立感染症研究所の解
析※9と矛盾しないと考えられます。 ※9 インフルエンザウイルス流行株抗原性解析と遺伝子系統樹 2018 年 3 月 12 日(国立感染症研究所) (参考値)市内で分離された株の抗原性解析
AH1pdm抗原性解析(100株) AH3抗原性解析(37株) B(山形系統)抗原性解析(114株)
※参考リンク
近隣自治体の流行状況
○神奈川県
○川崎市
○東京都
全国の流行状況
○国立感染症研究所
同等 2倍 4倍 8倍 16倍 32倍以上
今シーズンのインフルエンザ流行情報は今号が最後です(再び報告数が
大幅に増加した場合は発行します)。今後の流行状況は横浜市感染症情報セ
ンターホームページに掲載している「最新の感染症発生状況(横浜市内)」
の「週報」の「定点情報」をご参照ください。
同等
26株26.0%
2倍66株
66.0%
4倍8株
8.0%
4倍4株
10.8%
8倍10株
27.0%16倍14株
37.8%
32倍以上
9株24.3%