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応用物理学会 関西支部主催 リフレ 理科教室 応用物理学会 関西支部主催 リフレ理科教室 第一回 理科教員のための現代テクノロジー講座 太陽電池現状未来教材化 太陽電池現状未来 教材化 産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 櫻井 櫻井 ver 1 22: 2008 1 9 ver .1.22: 2008.1.9 http://ksakurai.nwr.jp

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Page 1: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

応用物理学会関西支部主催 リフレ シ 理科教室応用物理学会関西支部主催 リフレッシュ理科教室

第一回 理科教員のための現代テクノロジー講座

太陽電池の現状と未来教材化太陽電池の現状と未来 教材化

産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター

櫻井啓一郎櫻井啓 郎

ver 1 22 2008 1 9ver122 200819httpksakurainwrjp

第一部第 部

太陽光発電の現状と未来

地球は温暖化しています

地球温暖化のしくみ

CO が増えて保温効果が高まりCO2が増えて保温効果が高まり地球は確実に温暖化しています

もはや温暖化は隠しようもない事実「疑う余地は無 ( 第 次評価報告書)「疑う余地は無い」(IPCC第4次評価報告書)

温暖化の原因は人間です源

人為起源

(自然要因)

二酸化炭素などの放出が温暖化を促進している

人間の行動が将来を左右します

量の上昇量

シナリオ別の将来予測

平均気温

地上平

(現在の濃度維持を仮定)

今後 人為的な温暖化ガ 排出が大きく影響する

出典IPCC Fourth Assessment Report (AR4) WG1 SPM

今後の人為的な温暖化ガス排出が大きく影響する頑張ればぎりぎり2ぐらいの上昇に抑えられそう対策して2ぐらいに抑えた方が経済的にも得勝負はこの20~30年の努力で決まる

対策は急を要します

ギ 増 途

「2030年のエネルギー需給展望」資源エネルギー調査会H173より

エネルギー需要は増加の一途その一方で温暖化ガス排出量は大幅に減らさねばならないそれも大急ぎで

(ちなみに排出量の殆どがエネルギー用途起源でうち4割が発電用)

温暖化の抑制(IPCC 第4次評価報告書WG3によるまとめ)

温暖化の抑制は可能である温暖化の抑制は可能である省エネルギー

低排出エネルギーへの移行炭素貯留固定炭素貯留 固定

など様々な手法を同時に使えば抑制できるも 急がな ればな なでも急がなければならない

世界経済への影響も小さくできる世界経済への影響も小さくできる対策費の影響はGDP成長率にして‐01年程度

対策心得

慌てず急げ慌てず急げ

デマに騙されるなデマに騙されるな憶測だけで断定微分値を積分値のように扱うでたらめな数式を並べて証明したように見せかける古すぎるデータを使うetc

情報の出所を確かめよ情報の出所を確かめよ(査読のある国際的な学会で認められているか)

現在の主な発電方式

火力発電(化石燃料)

化石燃料(石油天然ガス石炭など)

炉(酸化)

火力発電(化石燃料)

出力調節がしやすい

(昼夜の需要の差を埋める)

CO2をたくさん出してしまう 石炭など)熱エネルギー

蒸気

運動エネルギー

運動エネルギー

CO2をたくさん出してしまう

資源が有限 これが問題

核燃料(ウラン

原子炉

運動エネルギ(回転運動)原子力発電

一定の出力を出すのが得意

出力調節が苦手

プルトニウムなど) 原子炉(核分裂) タービン 発電機

運動エネルギー

(夜は余剰電力の処理が必要)

使える国や地域が限られる

水流(ダム等)

運動 ネルギ

水力発電

貯水式なら出力調節が得意揚水もできる

立地が限られる (水の資源量に制限される)電力

水流(ダム等)立地が限られる (水の資源量に制限される)

各電力源の外部コスト

出典IPCC AR4 WG3 Chapter4出典IPCC AR4 WG3 Chapter4

化石燃料の利用は温暖化を促進し また環境を汚染する化石燃料の利用は温暖化を促進しまた環境を汚染するこれは市場価格の他に社会に追加のコスト負担を強いる

エネルギーの分類

新エネルギー(実用化段階に達しつつあるがまだ普及が十分 な も )まだ普及が十分でないもの)

再生可能エネルギー自然界に存在するエネルギー流で

太陽光発電太陽熱利用風力 化石燃料廃棄物

枯渇性エネルギー使い切り型のもの

自然界に存在するエネルギー流で利用する以上の速度で再生するもの

風力バイオマス地熱水力

化石燃料(石炭石油天然ガスなど)

原子力

廃棄物水素利用燃料電池蓄熱水力

海洋(温度差波力潮汐など)など

蓄熱など

便利だが利用できる量に限界後の世代のリスクが増す半永久的に利用できて資源量も充分

環境に優しく温暖化を抑制できる

後の世代のリスクが増すCO2貯留や原子力で時間稼ぎは可能

排出量の少ない発電方式へ化石燃料

519 ~ 975 g‐CO2kWh(平均 690)

化石燃料(石炭石油天然ガス等)

再生可能エネルギ

(いずれも寿命30年日本の標準的な環境における値)

kW

h)

太陽光

再生可能エネルギー排出量(g‐CO2

原子力地熱

風力5~29

多結晶シリコン

28~3220~30薄膜シリコン

CIGS

太陽光

温室効果気体排

24 水力11

地熱15

18~22CIGS

将来

発電方式種別参考文献[1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月 (報告書No010019372)

を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮[2] Ewan D Dunlop and David Halton Prog Photovolt Res Appl 2006 Vol14 pp53‐64[3] 電中研レビューNo45 第4章[4] 電中研ニュースNo338[5] 中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86[6] Life cycle assessment of offshore and onshore sited wind power plants based on Vestas V90‐30 MW turbines

htt t NR d l CB1E6A32 EB4E 4845 9451 4B5255BBB1110

再生可能エネルギーは温暖化ガスの排出量が少ないしかも枯渇しないhttpwwwvestascomNRrdonlyresCB1E6A32‐EB4E‐4845‐9451‐4B5255BBB1110

LCA_V9030_20MW_onshore_og_offshore_samt_energibalance_202005pdf

しかも枯渇しな

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 2: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

第一部第 部

太陽光発電の現状と未来

地球は温暖化しています

地球温暖化のしくみ

CO が増えて保温効果が高まりCO2が増えて保温効果が高まり地球は確実に温暖化しています

もはや温暖化は隠しようもない事実「疑う余地は無 ( 第 次評価報告書)「疑う余地は無い」(IPCC第4次評価報告書)

温暖化の原因は人間です源

人為起源

(自然要因)

二酸化炭素などの放出が温暖化を促進している

人間の行動が将来を左右します

量の上昇量

シナリオ別の将来予測

平均気温

地上平

(現在の濃度維持を仮定)

今後 人為的な温暖化ガ 排出が大きく影響する

出典IPCC Fourth Assessment Report (AR4) WG1 SPM

今後の人為的な温暖化ガス排出が大きく影響する頑張ればぎりぎり2ぐらいの上昇に抑えられそう対策して2ぐらいに抑えた方が経済的にも得勝負はこの20~30年の努力で決まる

対策は急を要します

ギ 増 途

「2030年のエネルギー需給展望」資源エネルギー調査会H173より

エネルギー需要は増加の一途その一方で温暖化ガス排出量は大幅に減らさねばならないそれも大急ぎで

(ちなみに排出量の殆どがエネルギー用途起源でうち4割が発電用)

温暖化の抑制(IPCC 第4次評価報告書WG3によるまとめ)

温暖化の抑制は可能である温暖化の抑制は可能である省エネルギー

低排出エネルギーへの移行炭素貯留固定炭素貯留 固定

など様々な手法を同時に使えば抑制できるも 急がな ればな なでも急がなければならない

世界経済への影響も小さくできる世界経済への影響も小さくできる対策費の影響はGDP成長率にして‐01年程度

対策心得

慌てず急げ慌てず急げ

デマに騙されるなデマに騙されるな憶測だけで断定微分値を積分値のように扱うでたらめな数式を並べて証明したように見せかける古すぎるデータを使うetc

情報の出所を確かめよ情報の出所を確かめよ(査読のある国際的な学会で認められているか)

現在の主な発電方式

火力発電(化石燃料)

化石燃料(石油天然ガス石炭など)

炉(酸化)

火力発電(化石燃料)

出力調節がしやすい

(昼夜の需要の差を埋める)

CO2をたくさん出してしまう 石炭など)熱エネルギー

蒸気

運動エネルギー

運動エネルギー

CO2をたくさん出してしまう

資源が有限 これが問題

核燃料(ウラン

原子炉

運動エネルギ(回転運動)原子力発電

一定の出力を出すのが得意

出力調節が苦手

プルトニウムなど) 原子炉(核分裂) タービン 発電機

運動エネルギー

(夜は余剰電力の処理が必要)

使える国や地域が限られる

水流(ダム等)

運動 ネルギ

水力発電

貯水式なら出力調節が得意揚水もできる

立地が限られる (水の資源量に制限される)電力

水流(ダム等)立地が限られる (水の資源量に制限される)

各電力源の外部コスト

出典IPCC AR4 WG3 Chapter4出典IPCC AR4 WG3 Chapter4

化石燃料の利用は温暖化を促進し また環境を汚染する化石燃料の利用は温暖化を促進しまた環境を汚染するこれは市場価格の他に社会に追加のコスト負担を強いる

エネルギーの分類

新エネルギー(実用化段階に達しつつあるがまだ普及が十分 な も )まだ普及が十分でないもの)

再生可能エネルギー自然界に存在するエネルギー流で

太陽光発電太陽熱利用風力 化石燃料廃棄物

枯渇性エネルギー使い切り型のもの

自然界に存在するエネルギー流で利用する以上の速度で再生するもの

風力バイオマス地熱水力

化石燃料(石炭石油天然ガスなど)

原子力

廃棄物水素利用燃料電池蓄熱水力

海洋(温度差波力潮汐など)など

蓄熱など

便利だが利用できる量に限界後の世代のリスクが増す半永久的に利用できて資源量も充分

環境に優しく温暖化を抑制できる

後の世代のリスクが増すCO2貯留や原子力で時間稼ぎは可能

排出量の少ない発電方式へ化石燃料

519 ~ 975 g‐CO2kWh(平均 690)

化石燃料(石炭石油天然ガス等)

再生可能エネルギ

(いずれも寿命30年日本の標準的な環境における値)

kW

h)

太陽光

再生可能エネルギー排出量(g‐CO2

原子力地熱

風力5~29

多結晶シリコン

28~3220~30薄膜シリコン

CIGS

太陽光

温室効果気体排

24 水力11

地熱15

18~22CIGS

将来

発電方式種別参考文献[1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月 (報告書No010019372)

を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮[2] Ewan D Dunlop and David Halton Prog Photovolt Res Appl 2006 Vol14 pp53‐64[3] 電中研レビューNo45 第4章[4] 電中研ニュースNo338[5] 中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86[6] Life cycle assessment of offshore and onshore sited wind power plants based on Vestas V90‐30 MW turbines

htt t NR d l CB1E6A32 EB4E 4845 9451 4B5255BBB1110

再生可能エネルギーは温暖化ガスの排出量が少ないしかも枯渇しないhttpwwwvestascomNRrdonlyresCB1E6A32‐EB4E‐4845‐9451‐4B5255BBB1110

LCA_V9030_20MW_onshore_og_offshore_samt_energibalance_202005pdf

しかも枯渇しな

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 3: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

地球は温暖化しています

地球温暖化のしくみ

CO が増えて保温効果が高まりCO2が増えて保温効果が高まり地球は確実に温暖化しています

もはや温暖化は隠しようもない事実「疑う余地は無 ( 第 次評価報告書)「疑う余地は無い」(IPCC第4次評価報告書)

温暖化の原因は人間です源

人為起源

(自然要因)

二酸化炭素などの放出が温暖化を促進している

人間の行動が将来を左右します

量の上昇量

シナリオ別の将来予測

平均気温

地上平

(現在の濃度維持を仮定)

今後 人為的な温暖化ガ 排出が大きく影響する

出典IPCC Fourth Assessment Report (AR4) WG1 SPM

今後の人為的な温暖化ガス排出が大きく影響する頑張ればぎりぎり2ぐらいの上昇に抑えられそう対策して2ぐらいに抑えた方が経済的にも得勝負はこの20~30年の努力で決まる

対策は急を要します

ギ 増 途

「2030年のエネルギー需給展望」資源エネルギー調査会H173より

エネルギー需要は増加の一途その一方で温暖化ガス排出量は大幅に減らさねばならないそれも大急ぎで

(ちなみに排出量の殆どがエネルギー用途起源でうち4割が発電用)

温暖化の抑制(IPCC 第4次評価報告書WG3によるまとめ)

温暖化の抑制は可能である温暖化の抑制は可能である省エネルギー

低排出エネルギーへの移行炭素貯留固定炭素貯留 固定

など様々な手法を同時に使えば抑制できるも 急がな ればな なでも急がなければならない

世界経済への影響も小さくできる世界経済への影響も小さくできる対策費の影響はGDP成長率にして‐01年程度

対策心得

慌てず急げ慌てず急げ

デマに騙されるなデマに騙されるな憶測だけで断定微分値を積分値のように扱うでたらめな数式を並べて証明したように見せかける古すぎるデータを使うetc

情報の出所を確かめよ情報の出所を確かめよ(査読のある国際的な学会で認められているか)

現在の主な発電方式

火力発電(化石燃料)

化石燃料(石油天然ガス石炭など)

炉(酸化)

火力発電(化石燃料)

出力調節がしやすい

(昼夜の需要の差を埋める)

CO2をたくさん出してしまう 石炭など)熱エネルギー

蒸気

運動エネルギー

運動エネルギー

CO2をたくさん出してしまう

資源が有限 これが問題

核燃料(ウラン

原子炉

運動エネルギ(回転運動)原子力発電

一定の出力を出すのが得意

出力調節が苦手

プルトニウムなど) 原子炉(核分裂) タービン 発電機

運動エネルギー

(夜は余剰電力の処理が必要)

使える国や地域が限られる

水流(ダム等)

運動 ネルギ

水力発電

貯水式なら出力調節が得意揚水もできる

立地が限られる (水の資源量に制限される)電力

水流(ダム等)立地が限られる (水の資源量に制限される)

各電力源の外部コスト

出典IPCC AR4 WG3 Chapter4出典IPCC AR4 WG3 Chapter4

化石燃料の利用は温暖化を促進し また環境を汚染する化石燃料の利用は温暖化を促進しまた環境を汚染するこれは市場価格の他に社会に追加のコスト負担を強いる

エネルギーの分類

新エネルギー(実用化段階に達しつつあるがまだ普及が十分 な も )まだ普及が十分でないもの)

再生可能エネルギー自然界に存在するエネルギー流で

太陽光発電太陽熱利用風力 化石燃料廃棄物

枯渇性エネルギー使い切り型のもの

自然界に存在するエネルギー流で利用する以上の速度で再生するもの

風力バイオマス地熱水力

化石燃料(石炭石油天然ガスなど)

原子力

廃棄物水素利用燃料電池蓄熱水力

海洋(温度差波力潮汐など)など

蓄熱など

便利だが利用できる量に限界後の世代のリスクが増す半永久的に利用できて資源量も充分

環境に優しく温暖化を抑制できる

後の世代のリスクが増すCO2貯留や原子力で時間稼ぎは可能

排出量の少ない発電方式へ化石燃料

519 ~ 975 g‐CO2kWh(平均 690)

化石燃料(石炭石油天然ガス等)

再生可能エネルギ

(いずれも寿命30年日本の標準的な環境における値)

kW

h)

太陽光

再生可能エネルギー排出量(g‐CO2

原子力地熱

風力5~29

多結晶シリコン

28~3220~30薄膜シリコン

CIGS

太陽光

温室効果気体排

24 水力11

地熱15

18~22CIGS

将来

発電方式種別参考文献[1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月 (報告書No010019372)

を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮[2] Ewan D Dunlop and David Halton Prog Photovolt Res Appl 2006 Vol14 pp53‐64[3] 電中研レビューNo45 第4章[4] 電中研ニュースNo338[5] 中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86[6] Life cycle assessment of offshore and onshore sited wind power plants based on Vestas V90‐30 MW turbines

htt t NR d l CB1E6A32 EB4E 4845 9451 4B5255BBB1110

再生可能エネルギーは温暖化ガスの排出量が少ないしかも枯渇しないhttpwwwvestascomNRrdonlyresCB1E6A32‐EB4E‐4845‐9451‐4B5255BBB1110

LCA_V9030_20MW_onshore_og_offshore_samt_energibalance_202005pdf

しかも枯渇しな

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 4: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

温暖化の原因は人間です源

人為起源

(自然要因)

二酸化炭素などの放出が温暖化を促進している

人間の行動が将来を左右します

量の上昇量

シナリオ別の将来予測

平均気温

地上平

(現在の濃度維持を仮定)

今後 人為的な温暖化ガ 排出が大きく影響する

出典IPCC Fourth Assessment Report (AR4) WG1 SPM

今後の人為的な温暖化ガス排出が大きく影響する頑張ればぎりぎり2ぐらいの上昇に抑えられそう対策して2ぐらいに抑えた方が経済的にも得勝負はこの20~30年の努力で決まる

対策は急を要します

ギ 増 途

「2030年のエネルギー需給展望」資源エネルギー調査会H173より

エネルギー需要は増加の一途その一方で温暖化ガス排出量は大幅に減らさねばならないそれも大急ぎで

(ちなみに排出量の殆どがエネルギー用途起源でうち4割が発電用)

温暖化の抑制(IPCC 第4次評価報告書WG3によるまとめ)

温暖化の抑制は可能である温暖化の抑制は可能である省エネルギー

低排出エネルギーへの移行炭素貯留固定炭素貯留 固定

など様々な手法を同時に使えば抑制できるも 急がな ればな なでも急がなければならない

世界経済への影響も小さくできる世界経済への影響も小さくできる対策費の影響はGDP成長率にして‐01年程度

対策心得

慌てず急げ慌てず急げ

デマに騙されるなデマに騙されるな憶測だけで断定微分値を積分値のように扱うでたらめな数式を並べて証明したように見せかける古すぎるデータを使うetc

情報の出所を確かめよ情報の出所を確かめよ(査読のある国際的な学会で認められているか)

現在の主な発電方式

火力発電(化石燃料)

化石燃料(石油天然ガス石炭など)

炉(酸化)

火力発電(化石燃料)

出力調節がしやすい

(昼夜の需要の差を埋める)

CO2をたくさん出してしまう 石炭など)熱エネルギー

蒸気

運動エネルギー

運動エネルギー

CO2をたくさん出してしまう

資源が有限 これが問題

核燃料(ウラン

原子炉

運動エネルギ(回転運動)原子力発電

一定の出力を出すのが得意

出力調節が苦手

プルトニウムなど) 原子炉(核分裂) タービン 発電機

運動エネルギー

(夜は余剰電力の処理が必要)

使える国や地域が限られる

水流(ダム等)

運動 ネルギ

水力発電

貯水式なら出力調節が得意揚水もできる

立地が限られる (水の資源量に制限される)電力

水流(ダム等)立地が限られる (水の資源量に制限される)

各電力源の外部コスト

出典IPCC AR4 WG3 Chapter4出典IPCC AR4 WG3 Chapter4

化石燃料の利用は温暖化を促進し また環境を汚染する化石燃料の利用は温暖化を促進しまた環境を汚染するこれは市場価格の他に社会に追加のコスト負担を強いる

エネルギーの分類

新エネルギー(実用化段階に達しつつあるがまだ普及が十分 な も )まだ普及が十分でないもの)

再生可能エネルギー自然界に存在するエネルギー流で

太陽光発電太陽熱利用風力 化石燃料廃棄物

枯渇性エネルギー使い切り型のもの

自然界に存在するエネルギー流で利用する以上の速度で再生するもの

風力バイオマス地熱水力

化石燃料(石炭石油天然ガスなど)

原子力

廃棄物水素利用燃料電池蓄熱水力

海洋(温度差波力潮汐など)など

蓄熱など

便利だが利用できる量に限界後の世代のリスクが増す半永久的に利用できて資源量も充分

環境に優しく温暖化を抑制できる

後の世代のリスクが増すCO2貯留や原子力で時間稼ぎは可能

排出量の少ない発電方式へ化石燃料

519 ~ 975 g‐CO2kWh(平均 690)

化石燃料(石炭石油天然ガス等)

再生可能エネルギ

(いずれも寿命30年日本の標準的な環境における値)

kW

h)

太陽光

再生可能エネルギー排出量(g‐CO2

原子力地熱

風力5~29

多結晶シリコン

28~3220~30薄膜シリコン

CIGS

太陽光

温室効果気体排

24 水力11

地熱15

18~22CIGS

将来

発電方式種別参考文献[1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月 (報告書No010019372)

を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮[2] Ewan D Dunlop and David Halton Prog Photovolt Res Appl 2006 Vol14 pp53‐64[3] 電中研レビューNo45 第4章[4] 電中研ニュースNo338[5] 中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86[6] Life cycle assessment of offshore and onshore sited wind power plants based on Vestas V90‐30 MW turbines

htt t NR d l CB1E6A32 EB4E 4845 9451 4B5255BBB1110

再生可能エネルギーは温暖化ガスの排出量が少ないしかも枯渇しないhttpwwwvestascomNRrdonlyresCB1E6A32‐EB4E‐4845‐9451‐4B5255BBB1110

LCA_V9030_20MW_onshore_og_offshore_samt_energibalance_202005pdf

しかも枯渇しな

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 5: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

人間の行動が将来を左右します

量の上昇量

シナリオ別の将来予測

平均気温

地上平

(現在の濃度維持を仮定)

今後 人為的な温暖化ガ 排出が大きく影響する

出典IPCC Fourth Assessment Report (AR4) WG1 SPM

今後の人為的な温暖化ガス排出が大きく影響する頑張ればぎりぎり2ぐらいの上昇に抑えられそう対策して2ぐらいに抑えた方が経済的にも得勝負はこの20~30年の努力で決まる

対策は急を要します

ギ 増 途

「2030年のエネルギー需給展望」資源エネルギー調査会H173より

エネルギー需要は増加の一途その一方で温暖化ガス排出量は大幅に減らさねばならないそれも大急ぎで

(ちなみに排出量の殆どがエネルギー用途起源でうち4割が発電用)

温暖化の抑制(IPCC 第4次評価報告書WG3によるまとめ)

温暖化の抑制は可能である温暖化の抑制は可能である省エネルギー

低排出エネルギーへの移行炭素貯留固定炭素貯留 固定

など様々な手法を同時に使えば抑制できるも 急がな ればな なでも急がなければならない

世界経済への影響も小さくできる世界経済への影響も小さくできる対策費の影響はGDP成長率にして‐01年程度

対策心得

慌てず急げ慌てず急げ

デマに騙されるなデマに騙されるな憶測だけで断定微分値を積分値のように扱うでたらめな数式を並べて証明したように見せかける古すぎるデータを使うetc

情報の出所を確かめよ情報の出所を確かめよ(査読のある国際的な学会で認められているか)

現在の主な発電方式

火力発電(化石燃料)

化石燃料(石油天然ガス石炭など)

炉(酸化)

火力発電(化石燃料)

出力調節がしやすい

(昼夜の需要の差を埋める)

CO2をたくさん出してしまう 石炭など)熱エネルギー

蒸気

運動エネルギー

運動エネルギー

CO2をたくさん出してしまう

資源が有限 これが問題

核燃料(ウラン

原子炉

運動エネルギ(回転運動)原子力発電

一定の出力を出すのが得意

出力調節が苦手

プルトニウムなど) 原子炉(核分裂) タービン 発電機

運動エネルギー

(夜は余剰電力の処理が必要)

使える国や地域が限られる

水流(ダム等)

運動 ネルギ

水力発電

貯水式なら出力調節が得意揚水もできる

立地が限られる (水の資源量に制限される)電力

水流(ダム等)立地が限られる (水の資源量に制限される)

各電力源の外部コスト

出典IPCC AR4 WG3 Chapter4出典IPCC AR4 WG3 Chapter4

化石燃料の利用は温暖化を促進し また環境を汚染する化石燃料の利用は温暖化を促進しまた環境を汚染するこれは市場価格の他に社会に追加のコスト負担を強いる

エネルギーの分類

新エネルギー(実用化段階に達しつつあるがまだ普及が十分 な も )まだ普及が十分でないもの)

再生可能エネルギー自然界に存在するエネルギー流で

太陽光発電太陽熱利用風力 化石燃料廃棄物

枯渇性エネルギー使い切り型のもの

自然界に存在するエネルギー流で利用する以上の速度で再生するもの

風力バイオマス地熱水力

化石燃料(石炭石油天然ガスなど)

原子力

廃棄物水素利用燃料電池蓄熱水力

海洋(温度差波力潮汐など)など

蓄熱など

便利だが利用できる量に限界後の世代のリスクが増す半永久的に利用できて資源量も充分

環境に優しく温暖化を抑制できる

後の世代のリスクが増すCO2貯留や原子力で時間稼ぎは可能

排出量の少ない発電方式へ化石燃料

519 ~ 975 g‐CO2kWh(平均 690)

化石燃料(石炭石油天然ガス等)

再生可能エネルギ

(いずれも寿命30年日本の標準的な環境における値)

kW

h)

太陽光

再生可能エネルギー排出量(g‐CO2

原子力地熱

風力5~29

多結晶シリコン

28~3220~30薄膜シリコン

CIGS

太陽光

温室効果気体排

24 水力11

地熱15

18~22CIGS

将来

発電方式種別参考文献[1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月 (報告書No010019372)

を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮[2] Ewan D Dunlop and David Halton Prog Photovolt Res Appl 2006 Vol14 pp53‐64[3] 電中研レビューNo45 第4章[4] 電中研ニュースNo338[5] 中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86[6] Life cycle assessment of offshore and onshore sited wind power plants based on Vestas V90‐30 MW turbines

htt t NR d l CB1E6A32 EB4E 4845 9451 4B5255BBB1110

再生可能エネルギーは温暖化ガスの排出量が少ないしかも枯渇しないhttpwwwvestascomNRrdonlyresCB1E6A32‐EB4E‐4845‐9451‐4B5255BBB1110

LCA_V9030_20MW_onshore_og_offshore_samt_energibalance_202005pdf

しかも枯渇しな

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 6: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

対策は急を要します

ギ 増 途

「2030年のエネルギー需給展望」資源エネルギー調査会H173より

エネルギー需要は増加の一途その一方で温暖化ガス排出量は大幅に減らさねばならないそれも大急ぎで

(ちなみに排出量の殆どがエネルギー用途起源でうち4割が発電用)

温暖化の抑制(IPCC 第4次評価報告書WG3によるまとめ)

温暖化の抑制は可能である温暖化の抑制は可能である省エネルギー

低排出エネルギーへの移行炭素貯留固定炭素貯留 固定

など様々な手法を同時に使えば抑制できるも 急がな ればな なでも急がなければならない

世界経済への影響も小さくできる世界経済への影響も小さくできる対策費の影響はGDP成長率にして‐01年程度

対策心得

慌てず急げ慌てず急げ

デマに騙されるなデマに騙されるな憶測だけで断定微分値を積分値のように扱うでたらめな数式を並べて証明したように見せかける古すぎるデータを使うetc

情報の出所を確かめよ情報の出所を確かめよ(査読のある国際的な学会で認められているか)

現在の主な発電方式

火力発電(化石燃料)

化石燃料(石油天然ガス石炭など)

炉(酸化)

火力発電(化石燃料)

出力調節がしやすい

(昼夜の需要の差を埋める)

CO2をたくさん出してしまう 石炭など)熱エネルギー

蒸気

運動エネルギー

運動エネルギー

CO2をたくさん出してしまう

資源が有限 これが問題

核燃料(ウラン

原子炉

運動エネルギ(回転運動)原子力発電

一定の出力を出すのが得意

出力調節が苦手

プルトニウムなど) 原子炉(核分裂) タービン 発電機

運動エネルギー

(夜は余剰電力の処理が必要)

使える国や地域が限られる

水流(ダム等)

運動 ネルギ

水力発電

貯水式なら出力調節が得意揚水もできる

立地が限られる (水の資源量に制限される)電力

水流(ダム等)立地が限られる (水の資源量に制限される)

各電力源の外部コスト

出典IPCC AR4 WG3 Chapter4出典IPCC AR4 WG3 Chapter4

化石燃料の利用は温暖化を促進し また環境を汚染する化石燃料の利用は温暖化を促進しまた環境を汚染するこれは市場価格の他に社会に追加のコスト負担を強いる

エネルギーの分類

新エネルギー(実用化段階に達しつつあるがまだ普及が十分 な も )まだ普及が十分でないもの)

再生可能エネルギー自然界に存在するエネルギー流で

太陽光発電太陽熱利用風力 化石燃料廃棄物

枯渇性エネルギー使い切り型のもの

自然界に存在するエネルギー流で利用する以上の速度で再生するもの

風力バイオマス地熱水力

化石燃料(石炭石油天然ガスなど)

原子力

廃棄物水素利用燃料電池蓄熱水力

海洋(温度差波力潮汐など)など

蓄熱など

便利だが利用できる量に限界後の世代のリスクが増す半永久的に利用できて資源量も充分

環境に優しく温暖化を抑制できる

後の世代のリスクが増すCO2貯留や原子力で時間稼ぎは可能

排出量の少ない発電方式へ化石燃料

519 ~ 975 g‐CO2kWh(平均 690)

化石燃料(石炭石油天然ガス等)

再生可能エネルギ

(いずれも寿命30年日本の標準的な環境における値)

kW

h)

太陽光

再生可能エネルギー排出量(g‐CO2

原子力地熱

風力5~29

多結晶シリコン

28~3220~30薄膜シリコン

CIGS

太陽光

温室効果気体排

24 水力11

地熱15

18~22CIGS

将来

発電方式種別参考文献[1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月 (報告書No010019372)

を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮[2] Ewan D Dunlop and David Halton Prog Photovolt Res Appl 2006 Vol14 pp53‐64[3] 電中研レビューNo45 第4章[4] 電中研ニュースNo338[5] 中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86[6] Life cycle assessment of offshore and onshore sited wind power plants based on Vestas V90‐30 MW turbines

htt t NR d l CB1E6A32 EB4E 4845 9451 4B5255BBB1110

再生可能エネルギーは温暖化ガスの排出量が少ないしかも枯渇しないhttpwwwvestascomNRrdonlyresCB1E6A32‐EB4E‐4845‐9451‐4B5255BBB1110

LCA_V9030_20MW_onshore_og_offshore_samt_energibalance_202005pdf

しかも枯渇しな

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 7: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

温暖化の抑制(IPCC 第4次評価報告書WG3によるまとめ)

温暖化の抑制は可能である温暖化の抑制は可能である省エネルギー

低排出エネルギーへの移行炭素貯留固定炭素貯留 固定

など様々な手法を同時に使えば抑制できるも 急がな ればな なでも急がなければならない

世界経済への影響も小さくできる世界経済への影響も小さくできる対策費の影響はGDP成長率にして‐01年程度

対策心得

慌てず急げ慌てず急げ

デマに騙されるなデマに騙されるな憶測だけで断定微分値を積分値のように扱うでたらめな数式を並べて証明したように見せかける古すぎるデータを使うetc

情報の出所を確かめよ情報の出所を確かめよ(査読のある国際的な学会で認められているか)

現在の主な発電方式

火力発電(化石燃料)

化石燃料(石油天然ガス石炭など)

炉(酸化)

火力発電(化石燃料)

出力調節がしやすい

(昼夜の需要の差を埋める)

CO2をたくさん出してしまう 石炭など)熱エネルギー

蒸気

運動エネルギー

運動エネルギー

CO2をたくさん出してしまう

資源が有限 これが問題

核燃料(ウラン

原子炉

運動エネルギ(回転運動)原子力発電

一定の出力を出すのが得意

出力調節が苦手

プルトニウムなど) 原子炉(核分裂) タービン 発電機

運動エネルギー

(夜は余剰電力の処理が必要)

使える国や地域が限られる

水流(ダム等)

運動 ネルギ

水力発電

貯水式なら出力調節が得意揚水もできる

立地が限られる (水の資源量に制限される)電力

水流(ダム等)立地が限られる (水の資源量に制限される)

各電力源の外部コスト

出典IPCC AR4 WG3 Chapter4出典IPCC AR4 WG3 Chapter4

化石燃料の利用は温暖化を促進し また環境を汚染する化石燃料の利用は温暖化を促進しまた環境を汚染するこれは市場価格の他に社会に追加のコスト負担を強いる

エネルギーの分類

新エネルギー(実用化段階に達しつつあるがまだ普及が十分 な も )まだ普及が十分でないもの)

再生可能エネルギー自然界に存在するエネルギー流で

太陽光発電太陽熱利用風力 化石燃料廃棄物

枯渇性エネルギー使い切り型のもの

自然界に存在するエネルギー流で利用する以上の速度で再生するもの

風力バイオマス地熱水力

化石燃料(石炭石油天然ガスなど)

原子力

廃棄物水素利用燃料電池蓄熱水力

海洋(温度差波力潮汐など)など

蓄熱など

便利だが利用できる量に限界後の世代のリスクが増す半永久的に利用できて資源量も充分

環境に優しく温暖化を抑制できる

後の世代のリスクが増すCO2貯留や原子力で時間稼ぎは可能

排出量の少ない発電方式へ化石燃料

519 ~ 975 g‐CO2kWh(平均 690)

化石燃料(石炭石油天然ガス等)

再生可能エネルギ

(いずれも寿命30年日本の標準的な環境における値)

kW

h)

太陽光

再生可能エネルギー排出量(g‐CO2

原子力地熱

風力5~29

多結晶シリコン

28~3220~30薄膜シリコン

CIGS

太陽光

温室効果気体排

24 水力11

地熱15

18~22CIGS

将来

発電方式種別参考文献[1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月 (報告書No010019372)

を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮[2] Ewan D Dunlop and David Halton Prog Photovolt Res Appl 2006 Vol14 pp53‐64[3] 電中研レビューNo45 第4章[4] 電中研ニュースNo338[5] 中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86[6] Life cycle assessment of offshore and onshore sited wind power plants based on Vestas V90‐30 MW turbines

htt t NR d l CB1E6A32 EB4E 4845 9451 4B5255BBB1110

再生可能エネルギーは温暖化ガスの排出量が少ないしかも枯渇しないhttpwwwvestascomNRrdonlyresCB1E6A32‐EB4E‐4845‐9451‐4B5255BBB1110

LCA_V9030_20MW_onshore_og_offshore_samt_energibalance_202005pdf

しかも枯渇しな

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 8: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

対策心得

慌てず急げ慌てず急げ

デマに騙されるなデマに騙されるな憶測だけで断定微分値を積分値のように扱うでたらめな数式を並べて証明したように見せかける古すぎるデータを使うetc

情報の出所を確かめよ情報の出所を確かめよ(査読のある国際的な学会で認められているか)

現在の主な発電方式

火力発電(化石燃料)

化石燃料(石油天然ガス石炭など)

炉(酸化)

火力発電(化石燃料)

出力調節がしやすい

(昼夜の需要の差を埋める)

CO2をたくさん出してしまう 石炭など)熱エネルギー

蒸気

運動エネルギー

運動エネルギー

CO2をたくさん出してしまう

資源が有限 これが問題

核燃料(ウラン

原子炉

運動エネルギ(回転運動)原子力発電

一定の出力を出すのが得意

出力調節が苦手

プルトニウムなど) 原子炉(核分裂) タービン 発電機

運動エネルギー

(夜は余剰電力の処理が必要)

使える国や地域が限られる

水流(ダム等)

運動 ネルギ

水力発電

貯水式なら出力調節が得意揚水もできる

立地が限られる (水の資源量に制限される)電力

水流(ダム等)立地が限られる (水の資源量に制限される)

各電力源の外部コスト

出典IPCC AR4 WG3 Chapter4出典IPCC AR4 WG3 Chapter4

化石燃料の利用は温暖化を促進し また環境を汚染する化石燃料の利用は温暖化を促進しまた環境を汚染するこれは市場価格の他に社会に追加のコスト負担を強いる

エネルギーの分類

新エネルギー(実用化段階に達しつつあるがまだ普及が十分 な も )まだ普及が十分でないもの)

再生可能エネルギー自然界に存在するエネルギー流で

太陽光発電太陽熱利用風力 化石燃料廃棄物

枯渇性エネルギー使い切り型のもの

自然界に存在するエネルギー流で利用する以上の速度で再生するもの

風力バイオマス地熱水力

化石燃料(石炭石油天然ガスなど)

原子力

廃棄物水素利用燃料電池蓄熱水力

海洋(温度差波力潮汐など)など

蓄熱など

便利だが利用できる量に限界後の世代のリスクが増す半永久的に利用できて資源量も充分

環境に優しく温暖化を抑制できる

後の世代のリスクが増すCO2貯留や原子力で時間稼ぎは可能

排出量の少ない発電方式へ化石燃料

519 ~ 975 g‐CO2kWh(平均 690)

化石燃料(石炭石油天然ガス等)

再生可能エネルギ

(いずれも寿命30年日本の標準的な環境における値)

kW

h)

太陽光

再生可能エネルギー排出量(g‐CO2

原子力地熱

風力5~29

多結晶シリコン

28~3220~30薄膜シリコン

CIGS

太陽光

温室効果気体排

24 水力11

地熱15

18~22CIGS

将来

発電方式種別参考文献[1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月 (報告書No010019372)

を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮[2] Ewan D Dunlop and David Halton Prog Photovolt Res Appl 2006 Vol14 pp53‐64[3] 電中研レビューNo45 第4章[4] 電中研ニュースNo338[5] 中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86[6] Life cycle assessment of offshore and onshore sited wind power plants based on Vestas V90‐30 MW turbines

htt t NR d l CB1E6A32 EB4E 4845 9451 4B5255BBB1110

再生可能エネルギーは温暖化ガスの排出量が少ないしかも枯渇しないhttpwwwvestascomNRrdonlyresCB1E6A32‐EB4E‐4845‐9451‐4B5255BBB1110

LCA_V9030_20MW_onshore_og_offshore_samt_energibalance_202005pdf

しかも枯渇しな

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 9: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

現在の主な発電方式

火力発電(化石燃料)

化石燃料(石油天然ガス石炭など)

炉(酸化)

火力発電(化石燃料)

出力調節がしやすい

(昼夜の需要の差を埋める)

CO2をたくさん出してしまう 石炭など)熱エネルギー

蒸気

運動エネルギー

運動エネルギー

CO2をたくさん出してしまう

資源が有限 これが問題

核燃料(ウラン

原子炉

運動エネルギ(回転運動)原子力発電

一定の出力を出すのが得意

出力調節が苦手

プルトニウムなど) 原子炉(核分裂) タービン 発電機

運動エネルギー

(夜は余剰電力の処理が必要)

使える国や地域が限られる

水流(ダム等)

運動 ネルギ

水力発電

貯水式なら出力調節が得意揚水もできる

立地が限られる (水の資源量に制限される)電力

水流(ダム等)立地が限られる (水の資源量に制限される)

各電力源の外部コスト

出典IPCC AR4 WG3 Chapter4出典IPCC AR4 WG3 Chapter4

化石燃料の利用は温暖化を促進し また環境を汚染する化石燃料の利用は温暖化を促進しまた環境を汚染するこれは市場価格の他に社会に追加のコスト負担を強いる

エネルギーの分類

新エネルギー(実用化段階に達しつつあるがまだ普及が十分 な も )まだ普及が十分でないもの)

再生可能エネルギー自然界に存在するエネルギー流で

太陽光発電太陽熱利用風力 化石燃料廃棄物

枯渇性エネルギー使い切り型のもの

自然界に存在するエネルギー流で利用する以上の速度で再生するもの

風力バイオマス地熱水力

化石燃料(石炭石油天然ガスなど)

原子力

廃棄物水素利用燃料電池蓄熱水力

海洋(温度差波力潮汐など)など

蓄熱など

便利だが利用できる量に限界後の世代のリスクが増す半永久的に利用できて資源量も充分

環境に優しく温暖化を抑制できる

後の世代のリスクが増すCO2貯留や原子力で時間稼ぎは可能

排出量の少ない発電方式へ化石燃料

519 ~ 975 g‐CO2kWh(平均 690)

化石燃料(石炭石油天然ガス等)

再生可能エネルギ

(いずれも寿命30年日本の標準的な環境における値)

kW

h)

太陽光

再生可能エネルギー排出量(g‐CO2

原子力地熱

風力5~29

多結晶シリコン

28~3220~30薄膜シリコン

CIGS

太陽光

温室効果気体排

24 水力11

地熱15

18~22CIGS

将来

発電方式種別参考文献[1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月 (報告書No010019372)

を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮[2] Ewan D Dunlop and David Halton Prog Photovolt Res Appl 2006 Vol14 pp53‐64[3] 電中研レビューNo45 第4章[4] 電中研ニュースNo338[5] 中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86[6] Life cycle assessment of offshore and onshore sited wind power plants based on Vestas V90‐30 MW turbines

htt t NR d l CB1E6A32 EB4E 4845 9451 4B5255BBB1110

再生可能エネルギーは温暖化ガスの排出量が少ないしかも枯渇しないhttpwwwvestascomNRrdonlyresCB1E6A32‐EB4E‐4845‐9451‐4B5255BBB1110

LCA_V9030_20MW_onshore_og_offshore_samt_energibalance_202005pdf

しかも枯渇しな

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 10: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

各電力源の外部コスト

出典IPCC AR4 WG3 Chapter4出典IPCC AR4 WG3 Chapter4

化石燃料の利用は温暖化を促進し また環境を汚染する化石燃料の利用は温暖化を促進しまた環境を汚染するこれは市場価格の他に社会に追加のコスト負担を強いる

エネルギーの分類

新エネルギー(実用化段階に達しつつあるがまだ普及が十分 な も )まだ普及が十分でないもの)

再生可能エネルギー自然界に存在するエネルギー流で

太陽光発電太陽熱利用風力 化石燃料廃棄物

枯渇性エネルギー使い切り型のもの

自然界に存在するエネルギー流で利用する以上の速度で再生するもの

風力バイオマス地熱水力

化石燃料(石炭石油天然ガスなど)

原子力

廃棄物水素利用燃料電池蓄熱水力

海洋(温度差波力潮汐など)など

蓄熱など

便利だが利用できる量に限界後の世代のリスクが増す半永久的に利用できて資源量も充分

環境に優しく温暖化を抑制できる

後の世代のリスクが増すCO2貯留や原子力で時間稼ぎは可能

排出量の少ない発電方式へ化石燃料

519 ~ 975 g‐CO2kWh(平均 690)

化石燃料(石炭石油天然ガス等)

再生可能エネルギ

(いずれも寿命30年日本の標準的な環境における値)

kW

h)

太陽光

再生可能エネルギー排出量(g‐CO2

原子力地熱

風力5~29

多結晶シリコン

28~3220~30薄膜シリコン

CIGS

太陽光

温室効果気体排

24 水力11

地熱15

18~22CIGS

将来

発電方式種別参考文献[1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月 (報告書No010019372)

を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮[2] Ewan D Dunlop and David Halton Prog Photovolt Res Appl 2006 Vol14 pp53‐64[3] 電中研レビューNo45 第4章[4] 電中研ニュースNo338[5] 中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86[6] Life cycle assessment of offshore and onshore sited wind power plants based on Vestas V90‐30 MW turbines

htt t NR d l CB1E6A32 EB4E 4845 9451 4B5255BBB1110

再生可能エネルギーは温暖化ガスの排出量が少ないしかも枯渇しないhttpwwwvestascomNRrdonlyresCB1E6A32‐EB4E‐4845‐9451‐4B5255BBB1110

LCA_V9030_20MW_onshore_og_offshore_samt_energibalance_202005pdf

しかも枯渇しな

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 11: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

エネルギーの分類

新エネルギー(実用化段階に達しつつあるがまだ普及が十分 な も )まだ普及が十分でないもの)

再生可能エネルギー自然界に存在するエネルギー流で

太陽光発電太陽熱利用風力 化石燃料廃棄物

枯渇性エネルギー使い切り型のもの

自然界に存在するエネルギー流で利用する以上の速度で再生するもの

風力バイオマス地熱水力

化石燃料(石炭石油天然ガスなど)

原子力

廃棄物水素利用燃料電池蓄熱水力

海洋(温度差波力潮汐など)など

蓄熱など

便利だが利用できる量に限界後の世代のリスクが増す半永久的に利用できて資源量も充分

環境に優しく温暖化を抑制できる

後の世代のリスクが増すCO2貯留や原子力で時間稼ぎは可能

排出量の少ない発電方式へ化石燃料

519 ~ 975 g‐CO2kWh(平均 690)

化石燃料(石炭石油天然ガス等)

再生可能エネルギ

(いずれも寿命30年日本の標準的な環境における値)

kW

h)

太陽光

再生可能エネルギー排出量(g‐CO2

原子力地熱

風力5~29

多結晶シリコン

28~3220~30薄膜シリコン

CIGS

太陽光

温室効果気体排

24 水力11

地熱15

18~22CIGS

将来

発電方式種別参考文献[1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月 (報告書No010019372)

を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮[2] Ewan D Dunlop and David Halton Prog Photovolt Res Appl 2006 Vol14 pp53‐64[3] 電中研レビューNo45 第4章[4] 電中研ニュースNo338[5] 中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86[6] Life cycle assessment of offshore and onshore sited wind power plants based on Vestas V90‐30 MW turbines

htt t NR d l CB1E6A32 EB4E 4845 9451 4B5255BBB1110

再生可能エネルギーは温暖化ガスの排出量が少ないしかも枯渇しないhttpwwwvestascomNRrdonlyresCB1E6A32‐EB4E‐4845‐9451‐4B5255BBB1110

LCA_V9030_20MW_onshore_og_offshore_samt_energibalance_202005pdf

しかも枯渇しな

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 12: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

排出量の少ない発電方式へ化石燃料

519 ~ 975 g‐CO2kWh(平均 690)

化石燃料(石炭石油天然ガス等)

再生可能エネルギ

(いずれも寿命30年日本の標準的な環境における値)

kW

h)

太陽光

再生可能エネルギー排出量(g‐CO2

原子力地熱

風力5~29

多結晶シリコン

28~3220~30薄膜シリコン

CIGS

太陽光

温室効果気体排

24 水力11

地熱15

18~22CIGS

将来

発電方式種別参考文献[1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月 (報告書No010019372)

を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮を元に2006年時点での変換効率および寿命30年で計算20年あたり10の劣化を考慮[2] Ewan D Dunlop and David Halton Prog Photovolt Res Appl 2006 Vol14 pp53‐64[3] 電中研レビューNo45 第4章[4] 電中研ニュースNo338[5] 中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86[6] Life cycle assessment of offshore and onshore sited wind power plants based on Vestas V90‐30 MW turbines

htt t NR d l CB1E6A32 EB4E 4845 9451 4B5255BBB1110

再生可能エネルギーは温暖化ガスの排出量が少ないしかも枯渇しないhttpwwwvestascomNRrdonlyresCB1E6A32‐EB4E‐4845‐9451‐4B5255BBB1110

LCA_V9030_20MW_onshore_og_offshore_samt_energibalance_202005pdf

しかも枯渇しな

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 13: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

再生可能エネルギーとは(renewable energy)

定義定義自然界に存在するエネルギーの流れによる(光風水流地熱など)利用する と同じかそれ 上 速度 自然界 力 よ 再生する利用するのと同じかそれ以上の速度で自然界の力によって再生する(再生しないのは単なる収奪なのでtimes)

特長持続的に利用できる続化石燃料に比べて二酸化炭素など温室効果気体の排出量が少ない環境汚染も少なくできる無数の小型の設備を合わせて使うので 全体ではとても信頼性が高くなる無数の小型の設備を合わせて使うので全体ではとても信頼性が高くなる(壊れても影響が小さい修理やメンテナンスも速く済む)

新しい技術産業や雇用を産み出す新しい技術産業や雇用を産み出す

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 14: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

各エネルギー源の特徴再生可能エネルギ再生可能エネルギー太陽光 膨大な資源量昼間のピークカット場所や規模を選ばない

値段がまだ高め時間や天候で出力が変わる太陽熱 直射日光さえあれば高効率 蓄熱して安定した出力太陽熱 直射日光さえあれば高効率蓄熱して安定した出力

地域を選ぶ(直射日光が多く気温も比較的高い地域が良い)風力 温暖化対策として即効性があり比較的低費用の発電方式

出力が激しく変わる 出力が激しく変わる水力 出力を自在に変えられる

水資源量が限られるバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高いバイオマス 燃料の形態なので汎用性が高い

燃料調達にやや手間がかかる地熱 一定の出力

利用量が少なかった(今後は増加が期待される)利用 少な (今後 増 期待 )枯渇性エネルギー原子力 一定の出力運転時はCO2を出さない

トラブルで止まりやすい汚染事故や悪用のリスク出力を変えにくい将来の燃料調達が不透明

化石燃料 広く普及している便利

times 温暖化ガスを大量に出す環境を汚染する価格が激しく変動する

どれも一長一短だが特に温暖化のリスクが今は一番大きい

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 15: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽エネルギーの資源量

太陽

総放射エネルギー38times1026W

地球の大気圏に到達するエネルギー約 17約18times1017W = 180PW(1PW(ペタワット) = 1000TW(テラワット) = 106GW(ギガワット) = 109MW(メガワット) = 1012kW(キロワット))

(写真気象庁提供)

人類が消費するエネルギー

地表面に到達するエネルギー約85times1016W = 85PW

約13times1013W = 13TW= 0013PW

実際に人類が地上で収集可能な太陽エネルギー約1times1015W = 1PW (世界のエネルギー需要量の数十倍)約1times10 W 1PW (世界のエネルギ 需要量の数十倍)(BSorensen Energy Policy (1991) 386‐391)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 16: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽エネルギーの利用法太陽熱利用 集熱器

温水暖房など

変換効率が高い蓄熱できる

照明家電

太陽光発電(太陽熱発電)

太陽電池など家電

通信

(太陽熱発電)

電力

冷房

動力用途が広い(価値が高い)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 17: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽光発電のGEG削減効果

利用する太陽電池の種類 耐用年数20年の場合 耐用年数30年の場合 想定モジュール効率多結晶シリコン 40~45 28~32 132~15アモルファス(薄膜)シリコン 29~43 20~30 8~12

温暖化ガス(GEG)排出源単位(g-CO2kWh)

アモルファス(薄膜)シリコン 29 43 20 30 8 12CIGS 26~32 18~22 12~147

 年産規模100MW日本の平均的環境での利用を想定 参考NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合2003年3月

ス排

出量

化石燃料火力発電全体の平均(約690g‐CO2kWh 需要端)

2年程度で元が取れる

の温

暖化

ガス

日本の電力全体の平均(約360g‐CO2kWh同)

(約690g CO2kWh需要端)元が取れる

発電

量あ

たり

の ( g )中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料P86httpwwwenvgojpcouncil06earthr062‐012‐4pdf

削減効果

同じ

太陽光発電

設置後は殆ど排出しない302520151050

利用期間(年)

排(保守廃棄時のみ)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 18: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽光発電のエネルギー収支

図1 太陽光発電システムの製造時投入エネルギーとペイバックタイム[1][2]算出条件[1]多結晶Si(1991年) 地上設置1MW生産規模=不明運用エネルギー=1[2]その他 住宅用3kWシステム生産規模=100MW年運用エネルギー=省略多結晶 (現状)の値は 文献[ ]を元に当センタ にて再計算を行 たもの

エネルギー的にも2年前後で元が取れる多結晶Si(現状)の値は文献[2]を元に当センターにて再計算を行ったもの

<参考文献>[1] 内山他電力中央研究所研究報告 Y90015 (199111)[2] NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」太陽光発電技術研究組合(20013)[3] E Alsema他Proc 21th EUPVSECp3201 (2006)

「10年かかる」「生産エネルギーの元が取れない」などというのは誤りなので注意

[ ] p ( )[4] 米国再生可能エネルギー研究所資料 httpwwwnrelgovdocsfy05osti37322pdf

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 19: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽光発電の利用法昼間余剰電力を売電余剰電力を売電

太田市「パルタウン城西の杜」(太田市土地開発公社webページより引用)

夜間雨天系統から買電

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 20: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

昼間の需要ピークに最適

電力需要

昼間の需要ピーク時だけ発電rarr余らない

が がらなrarrコストが上がらない

太陽光発電時間帯

発電出力

原発など余剰電力

時間帯

稼働率が下がるが

(負荷追従した場合)

余剰電力の処理が必要rarr設備が増えるほど高コストに発電出力

時間帯

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 21: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

エネルギーの自給率を向上させます

再生可能エネルギーは資源を持続的に国内で調達でき日本のエネルギー供給のリスクを低減します

枯渇性エネルギーの利用には将来のリスク(コスト)が伴います

本 供給 リ クを低減 す

風力発電風力発電

バイオマス太陽光発電

bull輸入価格の変動政治的なbull政治的なリスクbull温室効果ガスの大量排出bull核燃料利用のリスクなど

地熱マイクロ水力海洋温度差発電

など

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 22: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

どこにでも設置できる

人 衛星移動体 人工衛星移動体

家庭事業所街路灯信号灯

壁でも屋根でも取り付けられる冷却水がいらない騒音や排ガスもないメンテナンスも基本的に不要で高信頼性(ダウンタイムが極めて少ない)設置規模を選ばない(効率変わらない)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 23: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

事故や災害に強い

小規模分散型の発電集中型の発電

影響量小短期間

小規模分散型の発電影響量大長期間

集中型の発電

短期間

弱点想定外のトラブルで止まりやすい影響範囲が広く大きい

長所システムが単純で止まりにくい個々のトラブルの影響範囲が狭くて小さい

復帰するまでの期間が長い 復帰するまでの期間が短い

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 24: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

分散配置による平滑化効果

helliphellip

個々の設備の出力急変す

広い範囲に分散したくさ 備

足りない分は他方式の=急変する

力 力たくさんの設備の出力=なめらかに変化

足りない分は他方式の発電所でフォローできる

出力

出力

時間 時間

分散してたくさん配置すれば 変動しても充分実用になる分散してたくさん配置すれば変動しても充分実用になる

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 25: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池とは一言で言うと

普通の物質の場合 太陽電池の場合普通の物質の場合 太陽電池の場合

光光 光ー

電力

通常の物質 太陽電池(半導体を利用)

太陽光のエネルギーが熱に変わる

太陽光のエネルギーを電力に変える

太陽光のエネルギ が熱に変わる

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 26: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池の材料の種類bull シリコン系 いわずと知れた半導体の王様bull シリコン系hellipいわずと知れた半導体の王様

単結晶hellip高効率多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中多結晶hellipバランスの取れた性能で最もたくさん普及現在も進化中アモルファスhellip軽くて安い室内でも使える薄膜シリコン(微結晶アモルファス多接合など)

hellip省資源で単純なアモルファス型よりも高性能

化合物系化合物系GaAs系hellip最も高性能だけど高価主に宇宙用CIGS系 新型 省資源で多結晶シリコンに近い性能 多彩な形態CIGS系hellip新型省資源で多結晶シリコンに近い性能多彩な形態その他(CdTe系など)

有機系有機薄膜hellip開発中低コストフレキシブル色素増感hellip開発中カラフル低コスト

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 27: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

3つの主な形態

集光式太陽電池(直射日光が多い地域向け)

結晶シリコン太陽電池(日本のような気候向け)(日本のような気候向け)

(IEA PVPS T k 8)

薄膜太陽電池(安くて軽量)

(IEA PVPS Task 8)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 28: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

結晶シリコン太陽電池

モジュール

高純度シリコン

変換効率(量産品モジュール効率)単結晶18~20ぐらい多結晶 13 16ぐらい

純度

多結晶13~16ぐらい製法や構造などで変わる

研究段階のセルでの世界記録単結晶24 7 多結晶20 3

セル(15cm角 単結晶247多結晶203

(MAGreen Prog Photovolt 15 (2007) 35)

多結晶シリコン太陽電池現在最も普及している太陽電池

など 半導体に使われるより

(15cm角200μm厚ぐらい)

LSIなどの半導体に使われるより純度の低いシリコンでOK

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 29: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

薄膜太陽電池

(アモルファスシリコン微結晶シリコンCIGSなど)

光吸収層(CIGSなど)

バッファ層(ZnS InSなど)

透明電極(ZnO)光

薄い省資源セルの直列接続工程が不要

裏面電極(Moなど)

光吸収層(CIGSなど)基板を選ばない(フレキシブル化もできる)

市販品 変換効率 ぐら+ -2~4μm

市販品の変換効率7~12ぐらい(向上中)

CIGS系太陽電池モジュールの構造例(この図では3つのセルが直列になっている)

基板(青板ガラスプラスチック金属箔など)

(この図では3つのセルが直列になっている)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 30: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

CIGS太陽電池の例

大きなものを大 な を一気に造れる

軽くて丈夫で性能も良い

宇宙用超軽量フレキシブルCIGS太陽電池(25μm厚のチタン箔上に形成) CIGSS太陽電池モジュール

(ガラス基板上に形成)(提供Hahn‐Meitner Institut)

(ガラス基板上に形成)(提供昭和シェル)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 31: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

フレキシブルだと何が嬉しい

「曲がる」ことは実はさほど重要ではないもっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)もっとも大きな利点は「軽い」ことである(ガラスや金属枠がない)

体育館やスレート葺きなど強度のない屋根 人工衛星強度のない屋根 人工衛星

移動体

高速道路の防音壁マンションのベランダマンションのベランダ

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 32: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

アモルファスシリコンでの実例 (UniSolar製)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 33: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

集光式システム

太陽を追尾して効率よく発電する(IEA PVPS Task 8)

太陽を追尾して効率よく発電する( )

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 34: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

各種太陽電池の性能向上

新型の太陽電池の性能が続々と実用域に

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 35: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池生産量の推移(出典PV News Special Supplement April 2007)

1000

日本

750

日本

ヨーロッパ

アメリカ

500

量(MW)

ア リカ

その他

年間生産量

250年

0

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006年年

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 36: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

価格推移の歴史バイオエタノールの累積生産量

風力)

価格

りの

価格

太陽

光風

の生産者価

ートル

容量あたり

ルkW)(太

タノール

の1立

方メー

設備容

(米ドル

バイオエタ

(米ドル

累積導入量(MW) (太陽光風力)

出典 IPCC AR4 WGIIIChap4 Fig411

導入量の増加と共に着実に安くなり原油のように乱高下もしない

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 37: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

将来のエネルギー供給源世界のエネルギー需要増大予測と内訳(独BMUによる予測)

世界の電力需要予測(米ヒューストン大による他の低排出電源が最大限に伸びた場合の予測)

将来のエネルギー需要をまかなうには太陽エネルギーの利用が必須太陽エネルギ の利用が必須

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 38: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

化石燃料を掘る代わりにhellip

ゴビ砂漠での利用例

(IEA PVPS Task 8)

建物に付けるだけでなくこのような大規模システムものような大規模システムも現実的になってきた

(IEA PVPS Task 8 VLS‐PV)有り余る太陽光で全世界にエネルギーを供給(サハラ砂漠の適地だけでも余裕で足りる)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 39: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

解説書出してます

単行本 159ページ出版社 日刊工業新聞社 (200701)ISBN 10 4526057959 注後半部から読んでくださいISBN‐10 4526057959ISBN‐13 978‐4526057953

注後半部から読んでください

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 40: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

第 部第二部

太陽電池の原理と教材化太陽電池の原理と教材化

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 41: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

構成太陽電池の動作はとても単純 体感しやすい太陽電池の動作はとても単純体感しやすいしかし原理を理解するのは実は大変

そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)そもそも太陽電池とは何ぞや(再掲)

基礎知識電力とは光の性質の二重性 (波粒子)光子光光電効果とアインシュタイン導体半導体絶縁体n型p型の半導体

大学レベルの知識をかみ砕いて

n型 p型の半導体

太陽電池基本構造基本構造動作

動作のイメ ジ これならなんとか中高生にも 動作のイメージ これならなんとか中高生にもhellip

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 42: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池とは一言で言うと太陽電池とは一言で言うと

太陽電池の場合太陽電池の場合

光光ー

電力

太陽電池(半導体を利用)

光のエネルギーを電力に変える

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 43: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

基礎知識電力とは

電子

負荷(電球モーターヒーターなど)

電力=電圧times電流 =電気的なエネルギー電圧=電子を押し流そうとする力

‐‐

電子

導線(銅 アルミなど)

電圧=電子を押し流そうとする力電流=単位時間あたりに電子が流れる量

(ただし定義上「電流の向き」と「実際に電子が流れる向き」は逆)(銅アルミなど) 「実際に電子が流れる向き」は逆)

電力量=電力times時間 =電気的なエネルギー量(「電流」の向き)

水に例えるならば電圧=水圧

負荷(水車)

電圧=水圧電流=流量(単位時間あたりに流れる量)電力=水圧times流量(水車の出力に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)電力量=水圧times流量times時間(水車にさせた仕事量に対応)

のような概念

電力とは電子を抵抗に逆らって押し流すエネルギーである

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 44: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

基礎知識光とは何電界

光は波(電磁波)の 種

電界

光は波(電磁波)の一種色によって波長が異なる

磁界

原子や電子の単位で見ると光のエネルギーには最小単位があるこれを「光子」と呼ぶ最小単位があるこれを 光子」と呼ぶ1905年にアインシュタインによって「光量子」として提唱された概念(光の「量子」つまり最小単位)

エネルギーを持つ「波」であると同時に「粒子」のようでもある

「何故」最小単位があるのかということは神のみぞ知る「そうなってるから」としか答えようがない(量子力学とはそういう変な学問である)

「粒子」のようでもある

しかし半導体照明センサなどに広く応用されている

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 45: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

基礎知識光子

光子は質量が無くエネルギーを持つ「粒子」のように振る舞う光子1個あたりのエネルギ は波長が短いほど大きく光子1個あたりのエネルギーは波長が短いほど大きくE=hcλ (hプランク定数c光速λ波長)で表される

可視光だと数 (電子ボルト)程度可視光だと数eV(電子ボルト)程度真夏の正午の太陽光には約43E+21個含まれる

太陽光=ものすごい数の「光子」ものすごい数の 光子」

合計のエネルギー密度は地上で1kWm2ぐらい

電子 光子は電子に吸収されてエネルギーを与えることができる

電子と相互作用する

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 46: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

基礎知識光電効果物質 光が当たると 物質中 電子が光 応 動く物質に光が当たると物質中の電子が光に反応して動く一部は反射散乱されそれ以外は電子が吸収rarr 電子自体の運動エネルギーやポテンシャルエネルギーに変換rarr 熱として再放出rarr 熱として再放出rarr 自由電子になったり物質の外に飛び出したり(光電効果)rarr 蛍光など

光電効果光子が物質の中の電子にrdquo衝突rdquoして電子が光子のエネルギーを受け取る電子が光子のエネルギ を受け取る(1905年頃アインシュタインの光量子仮説)

光を「波」と考えると説明が かない現象

‐電子物質の中にたくさんある

説明がつかない現象

物質(金属半導体絶縁体など)

(例えばシリコンなら1cc中に5times1022個ぐらいの原子がありそれぞれが

‐‐

‐‐

物質(金属半導体絶縁体など)さらに14個の電子を持つ) ‐‐

‐‐

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 47: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

基礎知識導体絶縁体半導体光 熱 電圧など

導体(銅アルミなど) 絶縁体(ビニールなど) 半導体

光熱電圧など

A+

A+

A+

+ -

+ -

‐伝導電子

+ -

価電子(マイナスの電荷)

+ +

‐‐

+ + + +

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷)

+ +

+ +

‐ ‐

+ +

‐ ‐

導体伝導電子になりやすい(電子が動きやすい)

絶縁体電子は捕まったまま(電子が動きにくい)

半導体条件によって変わる半導体 条件 よ 変わる(外部から制御できる)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 48: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

基礎知識半導体

+ +

伝導帯(電子が動きやす

ギー

ギー

(電子が動きやすいエネルギー帯)

伝導電子(ーに帯電)

光(光子)

‐ ‐ ‐‐

つエネルギ

価電子帯 ‐ ‐‐

つエネルギ禁制帯(電子が存在しにくい)

光(光子)

電子の持つ

価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

電子の持つ

+正孔(電子が不足している場所+に帯電)

電 電に帯電)

光や熱によって価電子が励起され伝導電子(自由電子)になる

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 49: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

基礎知識導体絶縁体半導体(2)導体 絶縁体 半導体導体 絶縁体 半導体

伝導帯(電子が動きやすい

ー エネルギー帯)

エネル

ギー

禁制帯‐

の持つエ

禁制帯(電子が存在しにくいエネルギー帯)

エネルギー(光熱など)

‐ ‐ ‐‐ 価電子帯(電子が動きにくいエネルギー帯)

‐ ‐ ‐

電子 ‐ ‐ ‐

ギ ギエネルギ 帯)

室温の熱エネルギーだけで電子が動ける(金属伝導)

かなり大きなエネルギーがないと電子が動けない(電流が流れにくい)

ある程度のエネルギーで電子が動けるようになる

「禁制帯」があるかどうかで導体とそれ以外が分かれる禁制帯の幅は「価電子がどれだけ簡単に伝導電子になれるか」に影響する禁制帯の広さで半導体と絶縁体を区別(明確な境界は無い)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 50: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

n型とp型の半導体pー ー

エネル

ギー

エネル

ギー

‐ ‐

子の持つエ

++ 子の持つエ

電子 ++

電子

p型半導体 わずかに正孔が過剰 n型半導体 わずかに伝導電子が過剰

SiSi

PSi

SiSi

BSi

SiSi

Si SiSi Si

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 51: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

pn接合型太陽電池の基本構造

n型半導体p型半導体

p

動きやすい電子(伝導電子)が多い

p電子の足りない場所(正孔)

が多いp型とn型の半導体を

接合したもの=いわゆる「ダイオード」

-+ -+

接合する

帯電する

接合領域(空乏層)

-(空乏層)

-+ -+

+-

電荷が打ち消し合う 反発して追い返される

電界

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 52: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

型半導体型半導体

pn接合型太陽電池の基本構造(2)

n型半導体p型半導体

接合領域(空乏層)

---

ギー

内蔵電場によって追い返される

伝導帯

つエネルギ

-+

価電子帯

禁制帯

電子の

持つ

電位差

) +-

価電子帯

電 (電

互いに結びついて動けない電子と正孔

接合部分に電界が出来て安定する

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 53: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

pn接合型太陽電池の動作(1)光

p n-+

電子

ネルギー

伝導帯

光(光子)持つエネ

禁制帯

正孔電子の

価電子帯帯

接合領域から伝導電子が叩き出される

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 54: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

‐pn接合型太陽電池の動作(2)

p ni

---

-+

電子が押し出される(起電力が発生)

エネル

ギー (起電力が発生)

子の持つエ

(外部の電気回路)

‐電界に押されて流れ出る

電子

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 55: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池以外の物の場合(イメージ)(イメージ)

光(光子)

‐ 熱や光を放出

安定な状態に戻るネルギ を電子(マイナスの電荷)

安定な状態に戻るエネルギーを電子が吸収(不安定になる)‐

+ + +

原子核その他の電子

熱になる(暖まる)その他の電子

(全体はプラスの電荷)(暖まる)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 56: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池の場合(イメージ)

光(光子)

エネルギーを吸収して自由電子になる

‐光(光子)

電子を誘導する「坂」で

‐‐‐

電子を誘導する 坂」で外に押し出す(半導体を利用)

‐外部の電気回路で

電子の持つエネルギー

気仕事をする(エネルギーを放出)

++

原子核その他の電子(全体はプラスの電荷を帯びた「正孔」になる)

元のエネルギー準位に戻る

電子を押し流す力(電力)に変わる「正孔」になる) 電子を押し流す力(電力)に変わる

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 57: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

pn接合型太陽電池の動作(まとめ)型半導体型半導体

+-

n型半導体p型半導体

-++

--++極 -極

-+

光のエネルギ によって光のエネルギーによって接合部の半導体から伝導電子(と正孔)が叩き出される

-+

--

+ -+

戻ってきて正孔と結合

エネルギーを放出する

光が当たっている限り電流が流れ続ける

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 58: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池の動作(まとめ)

電子が光から

エネルギーを吸収した電子を外に押し出す

電子が光からエネルギーを受け取る

外に押し出す

外の電気回路で

外の電気回路で仕事をする(エネルギーを放出)

‐ ‐+

‐‐‐

薄くて広~いダイオード( 型と 型の半導体を積層)

+ + ++ ++

(p型とn型の半導体を積層)

半導体を利用して光エネルギーを電力に直接的に変換する

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 59: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池の利用波長

AM15 GlobalTiltCIGS

単位)

アモルファスSi

Data ASTM G173‐03結晶Si

感度

(任意

300 500 700 900 1100 1300

分光

波長

種類による利用波長域の違い温帯での平均的な太陽光スペクトル

多くは可視光~近赤外光まで利用する種類によって利用する波長域は異なる種類によって利用する波長域は異なる

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 60: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池の特性

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

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モジュールの構造

必要な電圧を得るため必要 電 を得 複数のセルを直列接続する

強化白板ガラス樹脂(EVA)

樹脂やガラスで保護

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 62: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

実際のシステムでは

直流 バッテリ(充電し 使用)

送電網へ逆潮流

(安定) (充電して使用)

MPPT(インバータ)

モジュールアレイ

逆潮流(売電)

送電網から

直流(変動)

交流100V

買電

設置した建物内で使用

最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT) 余った分を売り最大電力点追従装置(Maximum Power Point TrackerMPPT)常に太陽電池から最大の電力を取り出せるよう動的に制御

余った分を売り足りなければ買う

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 63: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池の動作何はともあれ 動作を体感してもらう何はともあれ動作を体感してもらう

用意するもの用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケットプロペラ+ソーラーモータミノムシ適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

繋いでとにかく動かす繋いでとにかく動かす当てる角度光源からの距離などを変える晴れていれば太陽光を当てる

extra 蛍光灯とも比較してみる(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため(蛍光灯は視感度の高い波長の光だけを強めに出力するため見た目は同じでも光のエネルギー密度は白熱灯より小さい)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 64: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

秋月モジュールの特性(例)

300 600秋月電子太陽電池モジュール(15V-250mA)出力特性の例

250 500larr出力電流

200

(mA

) 400

電力

Voc = 182VIsc = 272mAFF = 0682η = 13

AM1 5G 25 100mWcm2

150

100

電流

300

200力

(mW

)

AM15G 25 100mWcm

100

50

200

100出力電力rarr

この手のモジュールは規格外品や

0

2 01 51 00 50 0

0

この手のモジュ ルは規格外品や割れた製品の一部が使われることが多い特性が同じとは限らない

2015100500電圧 (V)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 65: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

動作点の決定方法

300 60015V300mA豆球300

250

600

500

1Ω 2Ω豆球

15V300mAx2豆球(直列)

200

mA

) 40047Ω

負荷の電流‐電圧特性と交わる所が動作点になる

150

電流

(m

300 ただし豆球は非線形またモーターは

100

50

200

100

10Ω 始動時低抵抗(大電流)回転中高抵抗

になるソーラーモーターはこの差が

0 0

100Ω 少なく起動しやすいモーター

なおここでは15Vの豆球を使ったが2015100500

電圧 (V)

なお では 5 の豆球を使ったが25Vの方が良く光るかも

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 66: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

光が弱くなると

300

250通常状態(1SUN照射時) が 曲線が

250

200

mA

)

(1SUN照射時) 光が弱くなるとI‐V曲線が電流方向に沿って圧縮された形状になる

150

100

電流

(

50 一部を紙で覆った状態

0

2015100500電圧 (V)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 67: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

MPPTの例昇圧回路

(インバータ)バッテリPWM信号

電圧取得

出力(直流)

充電電流

1チップマイコン電圧低

下検出 リセット信号

電圧取得

バッテリーを用いる独立蓄電型システム用のMPPT回路の構成例

バ 製

制御用電源

マイコン用電源

MPPT回路の構成例(出典トランジスタ技術20059) バッテリ用の製品

系統連系する家庭用の製品(パワーコンディショナ効率97 5)

CPUを内蔵したインテリジェントな製品が流通している

(パワ コンディショナ効率975)

良くできた製品ならば損失が数程度しかない

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 68: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

モーターの特性

モーターのI-V特性(タミヤ ソ ラ モ タ 01)

モーターは起動時に多くの電流を必要とする(低抵抗殆ど短絡状態)

一度回り出すと抵抗が上がる300

250

(タミヤ ソーラーモーター01)

200

150流 (m

A)

150

100

電流

50

0

15V250mAtimes1個

2015100500電圧 (V)

モーターは起動前後で抵抗が大きく変わるモ タ は起動前後で抵抗が大きく変わる特に起動時の突入電流に注意が必要

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 69: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池の動作(2)最適動作点からずらす

用意するもの15Vの太陽電池15Vの豆球ソケット times2ミノ虫ケーブル適宜60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

豆球を複数直列または並列接続する豆球を複数直列または並列接続する動作点がずれるため明るさが変わったり点灯しなくなったりする

通常の乾電池やボタン電池と比較しても良い(乾電池の能力が大きければ並列でも良く光る)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 70: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池の特性(再掲)

解放電圧 (Voc) 材料で決まる(禁制帯幅に依存)(禁制帯幅に依存)

短絡電流(Jsc) 利用できる光子の数で決まる

流 の面積が最大出力

最適動作点(最大出力点)

電流 の面積が最大出力

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

電圧

の面積を で割ったものが曲線因子(FF)

を入射した太陽光エネルギーで割ったものが変換効率

電流が制限される原因 光量電圧が制限される原因 太陽電池の直列数電 制限される原因 太陽電池 直列数最大のパワーを取り出すには最適動作点(Maximum Power Point)付近で動作させる

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 71: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池の動作(3)太陽電池を複数使う

用意するもの15Vの太陽電池 times2

の豆球 ケ ト15Vの豆球ソケット times2モーター+プロペラ60W白熱球ランプ60W白熱球ランプ

太陽電池を複数にする均等に受光しやすいように置く

直列並列時の電圧を確認豆球やモーターの動作を確認

直列接続時1つを完全に影にすると動かないことを確認する並列だと 並列だとhellip

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 72: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池を複数繋いだ時の特性600

2個並列500

400A

)

2個並列

300

電流

(m

A

200

100

2個直列

0

43210電圧 (V)電圧 (V)

直列にすると電圧方向に並列にすると電流方向にI-V曲線が引き延ばされる

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 73: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

太陽電池を直列にすると

300球より消費電流 少な 麦球を使用

250 麦球2個並列

豆球より消費電流の少ない麦球を使用して太陽電池を2個直列にしたらどうなる

麦球が2個並列の場合200

150

電流

(m

A)

麦球1個

麦球2個直列

麦球が2個並列の場合動作点の位置が殆ど変わらない=殆ど明るさが変わらない

100

電 麦球2個直列

麦球1個または2個直列の場合電圧times電流が大幅に増加=明るさ増加

50

0

15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

=明るさ増加

ただし直列にした太陽電池それぞれに均等かつ充分に光が当たっていないと

43210電圧 (V)

均等かつ充分に光が当たっていないと直列にした効果が確認しづらい後述のLEDを使った方が楽かも知れない

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 74: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

影になるとhellip

300光照射時と非照射時の電流-電圧特性

電流300

200光照射時 ー

n

電流(発電)

100

流 (m

A)

p

0

100

電流

非照射時

電流

(発電中でも外から電圧をかければ無理矢理流せる)

-100

-200 ー

電流

光が当た な 太陽電池は

2015100500-05-10電圧 (V)

np

光が当たっていない太陽電池は普通のダイオードとして作用する(逆方向には流れない)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 75: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

影の影響(1)結晶シリコン太陽電池

全部直列になっているrarr1つでも完全に影になると電流が流れなくなる

(ただし実際の製品では「バイパスダイオード」などを付けて影の影響を緩和することも多い)影の影響を緩和することも多い)

影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

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影の影響(2)薄膜太陽電池光照射光照射

逆向きの

透明電極

半導体 (pn接合)裏面電極

発電する逆向きのダイオードとして電流を止めてしまう

光照射

裏面電極

hellip それなりに

薄膜太陽電池モジュールの構造例

基板(ガラスプラスチック金属箔など)

hellip

hellip発電する

薄膜太陽電池 ジ ルの構造例たくさんの太陽電池(セル)が直列になっている

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 77: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

LEDを点灯させるLEDを点灯させてみる半導体を用いて電力を光に変換=太陽電池の真逆

LEDは数mAの電流でも点灯するので確認しやすい極性 長い足の方がプラス(アノ ド)極性長い足の方がプラス(アノード)最大定格は1個あたり20~30mAぐらいそれ以上流すと壊れる壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する壊さないように赤色には47Ω青色には33Ωを直列接続する

赤色LEDは15Vのモジュール1個で点灯可能青色は2個必要LEDを駆動するには電流よりも電圧が必要で短波長ほど高い電圧が必要これは短波長の光ほど 光子1個あたりのエネルギ が高いためこれは短波長の光ほど光子1個あたりのエネルギーが高いため

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

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電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 78: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

LEDのI-V特性

300LEDと太陽電池のI-V特性

30 LEDのI-V特性の例

25025

200

150

電流

(m

A) 15V250mA

times2個直列15V250mAtimes1個

20

15

電流

(mA

) 赤色 青色

100

10

5

50

0

赤色LED +33Ω青色LED +47Ω(30mA)

5

0

43210電圧 (V)

3530252015100500電圧(V)

LEDは非常に少ない電流で点灯する(数mAでも視認できる)ただし一定の電圧に達するまでは点灯しない点灯する電圧は発光色が短波長であるほど高くなる

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 79: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

型半導体型半導体

LEDの基本

n型半導体p型半導体

電圧をかけて流し込む

---

---+

ギー -

エネルギ

エネルギーを光として放出電位差1~数eV

子の持つ

電位差)

+ -

電子

(電 電子と正孔が結びつく

(発光再結合)

基本構造は同じ太陽電池と全く逆の過程

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 80: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

光子や電子のエネルギー

温帯での平均的な太陽光スペクトル

青 赤

1eV (電子ボルト)=電子1個が1V高い電位に置かれた時に得るエネルギー青 赤

半導体の中で3Vの電位差を超えて再結合=3eV(紫色)のエネルギーを放出することになる

LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

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LEDと太陽電池のI V特性(拡大)

LEDの動作範囲100

80

LEDと太陽電池のI-V特性(拡大)

80

60

(mA

) 15V250mAtimes2個直列

15V250mAtimes1個

40電

赤色LED +33Ω 青色LED +47Ω(30mA)

20

0

( )

0

43210電圧 (V)

通常の5mmφのLEDだと最大定格電流は30mAぐらいであるそれ以上流すと壊れるので適宜抵抗を使って制限すること(この例の場合太陽電池モジュールを2個直列にして青色LEDを駆動すると抵抗なしでは壊すおそれがあるまた赤色の抵抗も33Ωでは足りずモジュールを直列にした場合はやはり最大定格をオーバーする)

逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

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逆も可なりLEDにデジタルテスターを繋ぐレンジは直流電圧2VぐらいLEDを白熱灯にかざすと発電するを 熱灯 ざす 発電する

ただし面積が極小なので電流も極小(アナログテスターの針も動かせない)利用する波長域も 紫外 赤 (青色 なら紫外 青) み利用する波長域も紫外~赤 (青色LEDなら紫外~青)のみ

ちなみに 太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るちなみに太陽電池にも電流を流せば弱いながらも光るただし近赤外なので見えない(赤外線カメラを用いて太陽電池の製造時のムラを製発見したりするのに用いる)

その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

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その他考えられる実験

温度による効率の変化利用波長域の違い(アモルファス vs結晶)利用波長域の違い(アモルファス vs 結晶)薄膜太陽電池の場合の影の影響 (少ない)

OHPやプロジェクタのランプを使ってhellipプロジ クタなら 色を変えた実験もある程度可能プロジェクタなら色を変えた実験もある程度可能

抵抗器を複数用意してI‐V特性をプロット (大学レベル)抵抗器を複数用意してI V特性をプロット (大学レベル)光の強度による変化

色んなLEDを並列接続(それぞれ抵抗器は入れる)して日照計をつくる(LEDの色ごとに点灯する電圧が違うことを利用する)

まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

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まとめ()

太陽電池の動作を体感するのはとても簡単である誰にでも取り扱える誰にでも取り扱えるクリーン燃料いらない排ガスも騒音も出さないいじって楽しい

太陽電池は重要なエネルギー源である技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギ を供給できる技術的には太陽電池だけでも全世界に充分なエネルギーを供給できる

太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要太陽電池の原理を完全に理解するには大学の専門課程の教育が必要むしろ勉強の必要性を理解させるネタに

微積分複素数代数幾何学物性科学電子物性工学電磁気学半導体工学光工学量子力学

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 85: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

ご静聴有難う御座いました御

光(光子)光(光子)

‐ 電子

+

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )

Page 86: 太陽電池の現状と未来・教材化ksakurai.nwr.jp/R/slides/PV4Education-20071212.pdf11 15 18~22 将来 ? 温 発電方式種別 参考文献: [1] NEDO委託業務成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合、2003年3月(報告書No.010019372)

国際単位系(SI)接頭語

付録単位と物理定数国際単位系(SI) 接頭語

1018 = 1E(エクサ) = 10000000000000000001015 = 1P(ペタ) = 10000000000000001012 = 1T(テラ) = 1000000000000109 = 1G(ギガ) = 1 000 000 000 = 100万k109 = 1G(ギガ) = 1000000000 = 100万k106 = 1M(メガ) = 1000000103 = 1k(キロ) = 100010‐3 = 1m(ミリ) = 000110‐6 = 1μ(マイクロ) = 0 000 00110 6 = 1μ(マイクロ) = 0000 00110‐9 = 1n(ナノ) = 0000 000 00110‐12 = 1p(ピコ) = 0000 000 000 001

単位1W (ワット) = 1 Js (ジュール秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト)times 1A (アンペア)1W (ワット) = 1 Js (ジュ ル秒) 直流ならば 1W = 1V(ボルト) times 1A (アンペア)1Ws (ワット秒) = 1J (ジュール)1Wh (ワット時) = 3600J 1EJ(エクサジュール) = 2777 x 1014Wh = 277777 TWh1Å(オングストローム) = 10‐10m (メートル) = 01nm (ナノメートル)

物理定数物理定数電気素量 e = ‐1602 176 487times 10‐19 C (クーロン)1eV (電子ボルト) = 1602 176 487 x 10‐19 J (ジュール)プランク定数 h = 6626 068 96times10‐34 Js (ジュール秒)ディラック定数 h 2π = 1 054 571 628times10‐34 Jsディラック定数 h 2π = 1054 571 628 times10 J s 光速度(真空中) c = 299 792 458 ms (メートル秒)ボルツマン定数 k = 1380 6504times10‐23 JK (ジュールケルビン)アヴォガドロ定数 NA = 6022 141 79times1023 mol (モル)原子質量単位(12C原子の質量の12分の1) u = 1 660 538 782times10‐27 kg(10‐24 g)原子質量単位( C原子の質量の12分の1) u = 1660 538 782times10 kg(10 g)真空の誘電率 ε0 = 8854 187 817 x 10‐12 Fm

(出典2006 CODATA recommended valueshttpphysicsnistgovcuuConstants )