最終発表Ver10 b

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もう無理〜…寝る

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映像における音楽演出の多様化に向けた

ユーザー参加型WEBサービスの研究

〜MAD動画文化を背景として〜

東京工科大学大学院バイオ情報メディア学科・メディアサイエンス専攻

G3111006

神山 大輝

目次

研究背景

映像に対する複数の音楽演出を楽しむ映像例

問題提起

研究目的

研究方法

調査分析

評価実験

結論

展望

研究背景

一般的な映像作品 = 映像 + 音楽

映像に付加する音楽の選定方法

映像制作者・サウンドデザイナーが複数曲から一曲を選定

他の候補曲は視聴者の元に届かない

動画像With

音楽A

音楽B

音楽C

選定

音楽A視聴者

複数の音楽が視聴者に提示された事例

『2001年宇宙の旅』の事例

監督:スタンリー・キューブリック

作曲家:アレックス・ノース

当初「既存のクラシック楽曲版(音楽A)」公開

その後「アレックス・ノース版(音楽B)」発売

「映像に”合っている”音楽」の基準は人によってまちまち

排除された音楽もである場合がある

映像に対する複数の音楽演出を楽しむ映像例

MAD動画とは?

「動画や音声を編集、改編し新たな意味を付加された動画や音声を指す。」(ニコニコ大百科より抜粋,2013 2/6)

「差し替えMAD動画」

映像に対する音楽を差し替えた二次創作

映像と音楽のギャップ・親和性を楽しむ

本研究における差し替えMAD動画の定義

素材となる映像の音楽を削除し、二次創作者が任意に選定した音楽を付加した映像作品

差し替えMAD動画の具体例

「鳥人間コンテストシリーズ」

鳥人間コンテストの音楽を差替えてギャップを楽しむ作品

その他の作品例「ケンタッキーCMにガイルのテーマ」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm13521321

「ネコ×GONG」http://www.nicovideo.jp/watch/sm4506095

他多数

実際、どれくらい人気?

ニコニコ動画のMAD関連タグ:3057種類ニコニコ動画のMAD動画総数:319,604動画

着眼点

映像の音楽を差し替えて楽しむ流れが生まれている

(制作側が音を差し替えるのは制作工程で当たり前)(要らん…?)

差し替えを楽しむような流れがあるなら、みんな差し替えて楽しんだら良いんじゃん?

一次創作者による選定

問題提起

視聴者に供給される映像に対する音楽は「1通り」

既存の映像・MAD動画、双方ともに同じ

音楽A

音楽B

音楽C

動画像With

音楽A

MAD制作者による選定

視聴者

動画像With

音楽B

視聴者に供給される段階で「誰かが」映像に対する音楽を付加

MAD制作者に転化しない視聴者は結局「一方向的に閲覧するのみ」

研究目的

視聴者自身が映像に対する音楽を選択出来る枠組みを提供

視聴者が興味を示すか否かを実証実験で明らかにする 運用に向けたユーザー獲得に向けたニーズ調査

一次制作者

視聴者映像作品 供給

選曲選曲

視聴MAD制作者 選曲

映像及び音楽素材提供の調査調査分析

個人制作コンテンツの増加

PCの普及/制作ソフトウェアの低価格化、簡易化

映像及び音楽の制作の敷居の低下

インターネット上での個人の表現活動が容易に

Soundcloudユーザー数公開データより本研究者作成

ニコニコ動画アップロード数http://nicovideo.g.hatena.ne.jp/myrmecoleon/20090523/1243058595

個人制作コンテンツの素材提供

提供の枠組みがプラットフォーム化

制作者側が自発的に「素材」を提供する現状

素材サイト黎明期

• サイト独自に規約を設定:

• リンクウェア/著作者名表記

• etc…

CCライセンス

• 独自の規約を均一化

• 適用範囲をサイト毎に設定

• 著作権上の問題をクリア

ニコニ・コモンズ

• プラットフォーム化

• 素材サイトが不要に

コンテンツの二次創作利用

自身のコンテンツを素材として一般公開

素材提供者の理由

自身の作品を誰かに知って欲しい「承認欲求」

「コミックマーケット参加の動機(2012)」より抜粋

二次利用による「伝搬速度の向上」

素材を提案サービスへ…(仮)

映像における音楽を差し替えるサービスの提案

映像と音楽がないと運用が出来ない

既存のMAD動画の映像及び音楽の多くは著作権侵害コンテンツ

『映像のBGMとして「オンライン上のユーザー参加型音楽投稿サイトの音楽の利用する事は一定の有効性がある」』 稲垣秀人,クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを採用するユーザー参加型音楽投稿サイトの音楽を公開映像

作品のBGMとして利用する試み,社団法人情報処理学会研究報告,2008

著作権上問題のない「映像素材・音楽素材」を利用

実証実験用システム「U-MAD」実証実験

「U-MAD」概要

• 映像にさまざまな音楽を付加し、音楽演出の違いを楽しむシステム

• Webベースで利用可能

U-MADとは

• 映像と音楽の個別再生

• リアルタイムでの音楽の切り替え

機能

「U-MAD」ワークフロー

映像素材アップロード

音楽素材アップロード

組み合わせて視聴

素材提供者

素材提供者

視聴者

本実験ではCCライセンスに基づいた素材を本研究者自身がアップロード

視聴者が組み合わせて再生

「U-MAD」実装について

映像及び音楽の抽出

Youtube APIから映像リスト取得

SoundCloud APIから音楽リスト取得

実験のためにアップロードした素材

映像

ストーリー起伏のない1分の映像

音楽

ジャンルの異なる音楽

評価実験

被験者 本学学生27名(18〜26歳)

被験者選定基準(なんて書けば良いのこれ!?) ニコ厨

MADとか良く見たりする連中 的な(提案サービスのターゲット層になる人たち)

実験環境 場所:Media Technology Center(片柳研究棟5階大教室)

使用PC:学生個人のPCからU-MADにアクセス

実験の流れ 1. 操作説明

2. 実際に使用

3. アンケート調査

操作説明について

1. 映像の選択

2.音楽の選択

3.視聴

映像5種×音楽5種

総試行数25

アンケート結果①

設問2.

MADムービーを閲覧した事があり

ますか?

閲覧した事がある

閲覧した事がない

89%

11%

0%

設問1.

動画共有サイトをどの程度の頻度

で閲覧しますか?

日常的に閲覧する

日常的ではないが閲覧

した事がある

閲覧した事がない

被験者の属性:動画共有サイト閲覧経験あり・MAD動画に対する理解あり

アンケート結果②

素材提供について:コンテンツホルダ14名のうち7割が積極的に提供する意思

15%

22%

15%

48%

設問3.

あなたは音楽及び映像制作を行っ

た事がありますか?

音楽制作

映像制作

両方

なし 67%

27%

6%

設問4.

自身の作品群をこれらの素材として再

利用する事についてどう思いますか?

積極的に利用して欲しい

分からない

思わない

アンケート結果③

設問5. U-MADを使用した際に面白さを感じたか?

48%

48%

4%

0%

非常に面白いと感じた

面白いと感じた

面白くないと感じた

全く面白いと感じなかっ

研究目的の達成:視聴者、制作者両方が「面白い」と感じた = ユーザー獲得の可能性

結果

実験結果(※)について

好意的な意見が9割以上を占めた

「音楽演出を自身で行うことは新たな体験であり、楽しめた」

「自身で制作を行う際の参考になった」

音楽演出の多様性を楽しむために本システムは有用

素材提供について

コンテンツホルダに素材提供の意思がある事を示唆

改善点

自由記入欄のKJ分析により以下4点を改善点として策定

1. 組み合わせの共有機能の追加 音楽選定を自発的に行う=既に制作者へと転化している

制作者側のインセンティブ(=作品知って貰いたい)が働く

2. 組み合わせの評価とランキングの表示 制作者側のインセンティブに同じ

自身の「作品」が評価される → 充足感

3.音楽をタイムライン上に複数配置する機能 異なる音楽を付加する事でストーリー展開を作る

4. 映像と音楽の検索機能 素材数が増えた際、タグなどで検索したい

結論

MAD動画の歴史的なあれ

有益だったヴァー

素材提供についての調査→提案サービスへの参入が示唆

映像音楽分野における表現の民主化に寄与(言い回し)

展望

自発的に音楽選定を行う = 既に制作者へと転化

音楽演出に関する表現の民主化

既存のMAD動画のアップロードは不安が多い… 伸びなかったらどうしよう

著作権侵害で逮捕されたらどうしよう

U-MADは同じ素材、同じ編集という制約が存在

「なんでもできる」より、敷居の低下に繋がる

運用に向けての技術的制約

本研究では技術的側面に触れていない

今後の運用に際してより詳細な要件策定

外部発表

映像と音楽の適合プロセスの指標化に向けたオンラインプラットフォームの開発, 2012, 芸術科学会NICOGRAPH2012

参考文献

[1] 岩宮眞一郎:音と映像のマルチモーダルコミュニケーション, サーベル社, 2005

[2] 金子満:映像コンテンツの作り方, ボーンデジタル, 東京, 2007

[3] 井出口彰典:同人音楽とその周辺〜新世紀の振源をめぐる技術・制度・概念〜, 青弓社, 2012

[4] ミシェル・シオン:映画にとって音とはなにか, 勁草書房, 東京, 1993

[5] 阿部庄之助:スコア・サントラを聴く映画音楽200CD, 株式会社立風書房, 東京, 1999

[6] 川喜田二郎:発想法―創造性開発のために, 中公新書, 1967

[7] A.H.マズロー, 人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ ,産業能率大学出版部,東京, 1987

[8] 鷲見良彦, 山本純, 山本茂, 星合信宏:情報メディア白書, ダイヤモンド社, 東京, 2012

[9] 樺島榮一郎, ”個人制作コンテンツの興隆とコンテンツ産業の進化論”,東京大学大学院情報学環紀要情報学研究 No.77

[10] 中野倫靖1,室伏空3,後藤真孝2,森島繁生3:DanceReProducer: Web上の音楽動画を再利用して新たな音楽動画を自動生成するN次創作支援システム, 2産業技術総合研究所 3早稲田大学,2011

[11] 稲垣秀人:クリエイティブ・コモンズ・ライ

センスを採用するユーザー参加型音楽投稿サイトの音楽を公開映像作品のBGMとして利用する試み, 社団法人情報処理学会研究報告, 2008

[12] 神山大輝, 伊藤彰教,吉岡英樹:映像と音楽の

適合プロセスの指標化に向けたオンラインプラットフォームの開発, 2012, 芸術科学会NICOGRAPH2012

参考URL[1]『Youtube』 http://www.youtube.com/[2]『ニコニコ動画』 http://www.nicovideo.jp/[3]『Adobe After Effects CS6』http://www.adobe.com/jp/products/aftereffects.html[4]『ネコ×GONG』 http://www.nicovideo.jp/watch/sm4506095[5]『ニコニコ動画 — アメリカ人に踊らせてみたシリーズ一覧』http://www.nicovideo.jp/tag/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E4%BA%BA%E3%81%AB%E8%B8%8A%E3%82%89%E3%81%9B%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA[6]『Youtube Content ID』 http://www.youtube.com/t/contentid[7]『ボケて(bokete)』 http://bokete.jp/

[8]『ClipCast 』 http://clipcast.jp/[9]『Sprasia』 http://www.sprasia.com/[10]『Youtube動画エディタ』http://support.google.com/youtube/bin/answer.py?hl=ja&answer=183851[11]『JayCut』 http://jaycut.com/[12]『MAD館〜NEWMADTAPESERIESについて〜』http://www.lares.dti.ne.jp/~maimilk/MAD02.htm[13]『コミックマーケット公式サイトへようこそ』http://www.comiket.co.jp/[14]Dana Springall , A History on the Evolution of Anime Music Videos , 2007[15]『Google Video』 http://www.google.com/videohp?hl=ja[16]『DailyMotion』 http://www.dailymotion.com/jp[17]『Apple iLife’11 iMovie ‘11』http://www.apple.com/jp/ilife/imovie/[18]『Windows ムービーメーカー』http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows7/products/features/movie-maker

[19]『Studio One』 http://www.mi7.co.jp/products/presonus/studioone/[20]『Soundcloud』 https://soundcloud.com/[21]『ニコニコ動画のユーザー属性の変化について』http://gamebiz.jp/?p=3257[22]『Somethin’ Social』 http://somethinsocial.blogspot.jp/[23]『ソーシャル音楽共有プラットフォーム「SoundCloud」がユーザー数1000万人を突破, 6か月で500万人増』http://somethinsocial.blogspot.jp/2012/01/soundcloud1000-6500.html[24]『著作権法 法律第四十八号』 http://www.cric.or.jp/db/article/a1.html[25]『Web素材屋サーチ』 http://websozaiya.com/[26]『クリエイティブ・コモンズ・ライセンス・ジャパン』http://creativecommons.jp/[27]『クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは』http://creativecommons.jp/licenses/[28]『トップページ ニコニ・コモンズ』 http://commons.nicovideo.jp/[29]『ニコニ・コモンズとは』 http://help.nicovideo.jp/niconicommons/about/[30]『「ユーザー投稿角川アニメ」の公式認定も YouTubeに角川参加』http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0801/25/news044.html[31]『アンケートツクレール』 http://enq-maker.com/[32]『素晴らしき映画音楽作曲家たち Those Magnificent Film Music Composers』http://www.d1.dion.ne.jp/~hsakagam/ST.htm[33]『Photo-Realistic Illustrations』http://www.d1.dion.ne.jp/~hsakagam/[34]『NHKクリエイティブ・ライブラリー』http://www.nhk.or.jp/creative/[35]『CNET Japan ニコニコ動画、映画やアニメの二次創作作品を削除へ--日本映像ソフト協会らの要請で』http://japan.cnet.com/news/media/20376453/[36]『ニコニコインフォ JASRACとの契約締結のご報告』http://blog.nicovideo.jp/niconews/2008/04/001061.html[37]『YUCHIES HOMEPAGE』http://yuchies.s9.xrea.com/index1.htm

質疑応答