中国上海自由貿易試区関考察 - EY Japan...2014/07/09  · 上海自貿区...

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中国(上海)自由貿易試験区に関する考察中国(上海)自由貿易試験区に関する考察

EY 上海自由貿易試験区シリーズ 創刊号EY 上海自由貿易試験区シリーズ 創刊号

目次

► 概要

► 上海自由貿易試験区の背景と範囲 2-4

► 上海自由貿易試験区の工程 5

► 総体方案の要点 - ① 金融・外貨管理 6

- ② 税制 7

- ③ 投資管理 8

- ④ その他 9

► 添付資料①: 自由貿易区におけるサービス業開放拡大措置 10

► 添付資料②: 公布済の上海自由貿易区に関する主な規定 11

► 添付資料③: 金融改革案に対する中国人民銀行の意見とEYの見解 12-13

► 添付資料④: クロスボーダー人民元の拡大使用に関する通知とEYの見解 14

► 添付資料⑤:中国人民銀行による小口外貨預金の金利上限撤廃に関する意見とEYの見解 15

► 添付資料⑥: 国家外貨管理局上海支局による換算レート改革にかかる意見とEYの見解 16

► 添付資料⑦:中国人民銀行によるマネーロンダリング対策、テロ資金対策に対する意見とEYの見解 17

► EYが提供できるサービス 18

► EYのプロフェッショナル・チーム 19

1

概要

上海市浦東新区にある中国(上海)自由貿易試験区(以

下、「上海自貿区」)は、中国大陸における初めての自由

貿易区として、2013年8月22日付けで国務院による承

認を得て、2013年9月29日に正式に設立された。

上海自貿区の創設は、国家的戦略の一環として、グロー

バル経済・貿易の発展状況に応じて、より積極的な開放

戦略を実施することを目指した重要な措置である。上海

自貿区創設の目的は、従来のように優遇策や特別政策

を提出するといった、いわゆる低コスト政策区域を構築

することではなく、試験的計画を施行し、国のガバナンス

体制を整備し、近代化させ、さらなる改革に焦点をあてた、

力強く独立した総括的な自由貿易区を構築することにあ

る。改革は幅広い分野を対象とし、大胆かつ全面的なイ

ノベーションを通して、開放型経済体制を構築し、貿易及

び投資の利便化を促進し、複製可能・普及可能な新制度

を形成させ、また中国全土の発展をサポートし、ビジネス

環境の国際化や法制化を深化させ、さらにグローバル競

争で勝つために必要となる優位性を確立し、中国経済発

展の可能性を拡大するなど、大きな意義があると思われ

る。

また、上海自貿区の設立は、政府の機能転換、投資分

野の拡大、貿易発展のための方式転換の加速、金融分

野の開放やイノベーションの深化、ならびに法的保障の

充実等の様々な改革課題に関わっている。

総体方案によれば、上海自貿区の設立は、投資、貿易、

金融、行政、法的制度等の様々な分野の改革の試みに

関わっている。総体方案が公表されてから半年後、中国

の各部門・委員会、上海市政府及び上海市の政府各関

係部門が、当該計画の基本条項及び原則に基づき相継

いで複数の法規を公布し、上海自貿区に向けた法体系、

行動綱領及び具体的な実施細則、規範化及び充実を実

施し続けてきた。集計データによると、2013年において

は30近くの法規が公布されており、主に投資許可及び

商業登記、金融(基本意見)、交通、税関、品質検査、税

務等の分野に関わっている。また、2014年現在、10近く

の法規が公布されており、主に金融や外貨管理に関わ

る政策である。

現在、上海自貿区の制度的改革主に下記の3つに反映

されている。

1. 投資許可及び貿易の利便化

上海自貿区での投資管理制度の改革における一つの

特徴として、ネガティブリストによる管理モデルの確立が

挙げられる。具体的には、上海自貿区内において初め

て「制限なければ参入可能な」モデル(注:禁じられたも

のではない限り、自貿区進出可能とする)を採用して投

資及び市場参入を管理し、また従来の承認制を届出制

に変更する。これは国際ルールに近づくため、さらに開

放の度合を拡大しようとする中国政府の意図を反映し

たものである。

総体方案に基づき、上海自貿区は開放分野を金融サー

ビス、水上輸送サービス、商業貿易サービス、専門的サ

ービス、文化サービス及び社会サービスという六つの分

野にまで拡大している。特筆すべきなのは、金融サービ

ス業においては銀行サービス業の開放度が も高い点

である。

また、投資及び貿易の利便性向上に資する市場環境を

構築するため、上海自貿区は多くの業界で投資に対す

る資格要件を一時中止または廃止し、また登録資本の

払込方式を払込実額登記制から払込引受額登録制に

変更するとともに、従来の年度検査制度を年度報告公

示制度に変更している。なお、国際通用ルールと連動す

る管理制度、運用メカニズム及び運営モデルの模索に

おいて今後の横展開と啓蒙可能な経験を積みつつある。

2. 金融及び外貨の管理

上海自貿区の設立は、中国金融分野改革の新しい歴

史の1ページを開いた。 も注目されたのは、開放と改

革の内容である。また、上海自貿区に向けた外貨管理

や金融改革を推進するため、2013年12月2日、中国人

民銀行が『金融面からの中国(上海)自由貿易試験区

の建設支援に関する意見』(以下、「中国人民銀行によ

る30条の意見」)を公布した。

2

中国人民銀行による30条の意見が公布されてから3ヶ

月後、2014年2月下旬において、中国人民銀行上海本

部及び国家外貨管理局が相次いでクロスボーダー人民

元利用拡大の奨励、外貨実施細則及びマネーロンダリ

ング対策、テロ資金対策等の付随書類を公布した。一

連の明確な実施細則を公布することで上海自貿区にお

けるクロスボーダー人民元利用拡大をサポートし、また

金融改革を通して資本項目における人民元両替の自由

化、対外投融資の利便化、クロスボーダー双方向人民

元プーリング、商品取引デリバティブの利便化、ならび

に利率の市場化等の試みを先行させ、外貨管理体制の

改革に積極的に取り組んでいる。

3. 政府の機能転換及び監督管理モデルの改革

上海自貿区における制度改革には、(1)政府管理の重

点を事前承認から事後の監督管理に移し、政府の機能

転換をすることにより行政の透明度を高めること、(2)

税関監督管理制度において「国境の開放」及び「自貿区

域外の安全性と有効な管理」というモデルの採用による、

監督管理の集中、分類、電子化により自貿区内の人と

物の迅速かつ効率的な移動、(3)自貿区内の企業によ

るオフショア業務やファイナンスリース業務の実施のサ

ポート、及び(4)区内の外国企業を対象とした法律・法

規等を一時停止する、等の内容が含まれている。

上海自貿区設立後、予想以上に順調かつ秩序を保って

進んでいることが見られる。また、公式資料によれば、

上海自貿区内の企業登録状況(2014年3月末時点)は

以下の通りである。

上海自貿区に公布された各種の革新的な政策には未

だ改善の余地があると思われる。自貿区の建設におい

て直面している主な課題は、ネガティブリストの簡素化

及び問題発生時や発生後の総合監督管理体制の充実

が挙げられる。このようなチャレンジは一方でチャンス

であるとも言え、貿易とサービスセクター、特に金融セ

クターにとって上海自貿区は紛れもなく魅力的な場所で

あると考えられている。また、改革の進化に伴い、上海

自貿区は中国のグローバル経済への更なる融和を実

現できる重要な媒介となり、中国経済の持続的発展に

新しいチャンスをもたらすと想定される。

アーンスト・アンド・ヤング(EY)は、保証、税務、トラン

ザクション及びアドバイザリー・サービスの分野におけ

る世界的なリーディング・プロフェッショナル・ファームで

あり、自貿区での政策や制度改革の模索において優位

性を持っている。また、EYは上海市銀行同業公会自貿

区の顧問でありながら、自貿区管理委員会及び上海市

政府の関係部門と良好な関係を保っており、政府機関

主催の自貿区向け政策の制定に係る検討会に参加し、

専門的な助言を提供するなど豊富な経験を有する。

自貿区設立半年を迎えた上海市は、これまでの実務経

験を踏まえて評価等を行い、設立1周年の際に横展開

可能で啓蒙的な新制度の形成に取り組むことが想定さ

れる。EYは、上海自貿区の今後の発展を大いに期待し

ながら密接なフォローアップを行い、定期刊行物を通じ

て適時に関連情報を皆様に提供させていただく予定で

ある。

2014年3月25日現在:新設企業約7492社。 (出所:新華サイト)

内資企業91.6%

外資系企業8.4%

60%以上

卸売及び小売企業

その他の種類の会社

内資企業:6864社

外資系企業:628社

3

2013年8月22日、国務院は中国上海市に「中国(上海)自由貿易試験区」の設立を正式に承認しました。

2013年9月27日、国務院は自貿区に係る総体方案を公布し、 当該方案にて具体的な監督管理措置、税収制度及び

開放するサービス内容等を掲げています。上海自貿区の設立は、政府職能の転換、金融システム、貿易サービス、外

商投資及び税収政策等の改革に関係し、金融分野の改革及び経済全体の発展に大きな影響をもたらすと期待されて

います。

上海自貿区は、4つの税関監督エリア(外高橋保税区、外高橋保税物流園区、洋山保税港区、浦東空港総合保税区)か

ら成り、その総面積は28.78平方キロメートルであり、投資、貿易、金融、行政の分野で広範囲の改革を行うことになる。

► 国内

経済成長の鈍化や労働コストの上昇により経済成

長を輸出に依存することができなくなりつつあり、過

剰生産能力や深刻な資源過大消費にも直面してい

る今日、金融改革の更なる実施、経済モデルを転換

する必要性などの課題が迫ってきている。

► 国外

米国を中心にTPP(環太平洋戦略的経済協力協定)

の交渉が進められている。2013年度、米EU間にお

いてTTIP(環大西洋貿易投資パートナーシップ)の

交渉を開始し、世界で 大の自由貿易ゾーンの構

築が図られている。

設立の背景 範囲

解读中国(上海)自由贸易试验区4

上海自由貿易試験区の工程

2003年12月当時の全国人民代表大会の副委員長である成思危氏は、保税区から自由貿易区への転換の

試行的改革を提案。

2013年3月末李克強総理は、上海外高橋保税区を視察、現在の上海総合保税区を基礎として上海自由貿

易区の設立を上海市に推奨した。

2013年5月14日 上海自由貿易区は、国家レベルのプロジェクトとされることが承認された。

2013年6月 上海自由貿易区に係る総体方案が修正の上、国務院へ提出された。

2013年7月3日 国務院常務会議にて、「中国(上海)自由貿易試験区に係る総案」が承認された。

2013年7月

10日-11日

第5回中米戦略経済会談において、国務院委員の楊潔篪氏は、米国国務長官ケリー氏と会談

し、相互貿易及び投資関係の深化、開放的な貿易及び投資環境の構築について合意した。

2013年8月22日商務部広報部は、国務院が中国(上海)自由貿易試験区の設立を承認し、関連法的手続が完

了した後、「中国(上海)自由貿易試験区に係る総案」を公布した。

2013年9月27日国務院は公式ウェブサイトにて、「中国(上海)自由貿易試験区に係る総体方案」(国発

[2013]38号)(以下「総体方案」という)を公布した。

2013年9月29日 上海市政府は『中国(上海)自由貿易試験区管理弁法』(市政府令第7号)を公布した。

2013年11月中国共産党第十八期中央委員会第三回全体会議にて、外国からの投資にかかる規制要件を

緩和し、自由貿易区建設の加速を提案。

2013年12月2日中国人民銀行は金融セクターにおいて自由貿易試験区を支持する意見書を公表した(添付資

料③参照)

2014年1月6日中国政府サイトは《国務院による中国(上海)自由貿易試験区内における行政法規及び国務

院通達が規定した行政審査・参入特別管理措置の一時的な調整に関する決議》を公布した。

2014年2月20日

中国人民銀行上海本部は《中国(上海)自由貿易試験区におけるクロスボーダー人民元

の利用拡大の支援に関する通知》(添付資料④参照)を公布した。また、中国人民銀行上海本

部が《上海市支払機構によるクロスボーダー人民元支払業務の展開に関する実施意見の通

知》を公布した。

2014年2月25日 中国人民銀行上海本部が《中国(上海)自由貿易試験区における小口外貨預金金利上限の

撤廃に関する通知》を公布した。(添付資料⑤参照)

2014年2月28日

国家外貨管理局上海支局が《中国(上海)自由貿易試験区の設立を支持する外貨管理実施

細則の発行・配布に関する通知》(添付資料⑥参照)を公布した。中国人民銀行上海本部が

《中国(上海)自由貿易試験区における資金洗浄・テロ資金供与の防止作業に関する通知》

(添付資料⑦参照)を公布した。

2014年3月5日

国家主席習近平氏は第十二回全国人民代表大会二次会議で、「自由貿易区が国家戦略であ

り、国際ルールを遵守した上で『大胆な挑戦、大胆な試み、自主的な改革』を行い、自由貿易

試験区に係る普及可能な建設経験を集約して、自由貿易試験区を中国全土に展開する」と強

調した。5

総体方案の要点 - ①金融・外貨管理

金融

► コントロール可能なリスク範囲内で、区内の人民元資本項目両替、金融市場での金利自由

化、人民元の利用のクロスボーダーでの試みを先行して進める。

► 金融機関における資産価格形成の市場での自由化を行う。

► 企業が十分に域内、域外双方の資源、市場を利用することを奨励し、クロスボーダーでの融

資の自由化を実現する。外債管理方式の改革を進め、クロスボーダー融資の利便性を促進

する。

► 多国籍企業の外貨集中運営管理に係るパイロット業務を深化させ、多国籍企業のグローバ

ルあるいは地域の資金管理センターの設立を促進する。

► 区内の外資銀行及び中外合資銀行設立を支持する。

► 試験区の金融改革刷新と上海国際金融センター建設において連携メカニズムを構築する。

► 金融市場が区内に国際取引プラットフォームを構築することを許可する。外資系企業が商品

先物取引に参加することを段階的に許可する。

► 持分委託管理取引機関が区内に総合金融プラットフォームを構築することを支持する。

► クロスボーダー人民元再保険業務の展開を支持し、再保険市場を育成する。

外貨管理► 国際的な外貨管理改革の試行的改革を追求し、自貿区に対応できる外貨管理体制を構築し、

貿易投資の全面的な利便化を実現する。

6

総体方案の要点 - ②税制

企業所得税► 資産再編取引において非貨幣性資産での対外投資等により発生した資産価値の増加部分

は、5年の期限を超えない範囲で所得税の分割納付が可能。

個人所得税

► 自貿区内の企業の高級人材もしくは不足人材に付与されたストックオプションに係る個人所

得税の分割納税政策を実行。

► 区内に登記する企業もしくは個人株主の、非貨幣性資産による対外投資等により発生した

資産価値の増加部分については、5年の期限を超えない範囲で所得税の分割納付が可能。

増値税

► 区内に登記した国内リース会社、もしくはリース会社が設立したプロジェクトファイナンスリ

ース子会社について、国家関連部門の承認を受け国外から購入する積載重量25トン以上

で国内航空会社の使用のためリースする航空機は、輸入に関わる増値税に関する優遇政

策を享受できる。

► 区内で生産・加工し「第二線※」を経て国内に販売する貨物については、輸入に関わる増値

税・消費税を徴収する。試験区内で生産・加工し「第二線」を経て国内に販売する貨物につ

いては、輸入に関する増値税・消費税を徴収する。

関税

► 企業の申請に基づき、内販貨物に対しては、その対応する輸入部品もしくは実際の申告状

況に基づき関税徴収政策を試行。

► 現行政策の枠組みの下、区内の製造業及び製造関連のサービス企業が輸入する機器・設

備等の貨物については免税(生活関連のサービス業の企業が輸入する貨物及び関連規定

により明確に免税不可と定められている貨物を除く)。

輸出にかかる

税還付

► 区内に登記するファイナンスリース企業または設立されたプロジェクトファイナンスリース子

会社を設立は、ファイナンスリースの輸出にかかる税還付を試験的に享受可能。

総体方案によると、自貿区は投資及び貿易を促進させる租税政策が実施される。税目別では以下の通り。

※ 第一線:国境

※ 第二線:自貿区域内と区域外の境界

7

総体方案の要点 - ③投資管理

インバウンド投資

► 金融サービス、水運サービス、商業貿易サービス、専門的サービス、文化サービス及び社会

サービス領域の拡大開放を行う(添付資料①参照)。

► 外商投資に対して投資前においても国民待遇を試行し、パイロット地域において国民待遇を

適用」しない外商投資についてはネガティブリストに規定し、外商投資管理モデルを改革する。

► ネガティブリストでは指定されていない分野については、内外一致の原則に従い、外商投資

項目を承認制から届出制に変更し(国務院が国内投資項目への承認を保留した項目を除く)、

一律に上海市が取扱権限を持つ。

► 外商投資企業の定款審査承認制を取り消し、上海市による届出管理に改め、届出後に国家

の関連規定に従って手続を行うこととする。

アウトバウンド投資

► 対外投資の管理方式を改革し、企業の対外投資および対外の通常のプロジェクト投資につ

いては上海市による届出制を実行し、対外投資の利便性を高める。

► 試験区内に海外持株投資を目的とする会社を設立することを奨励し、条件を満たす投資家

が海外持株投資の私募マザーファンドを設立することを支持する。

※ ネガティブリスト

► 全称:《中国(上海)自由貿易試験区における外商投資参入に係る特別措置(ネガティブリスト)(2013年)》

► ネガティブリストは投資不可の地域・産業を列挙したもの。リストに掲載されていなければ、海外企業は規制を受けたり、合弁方式

という条件を付けられることなく投資を実行できる。

► 現在、外資の参入は、許可の是非を「奨励」「許可」「制限」「禁止」に区分けされている。「ネガティブリスト方式」は、外商投資産業

指導目録と異なり、外資に対する規制内容が「認めるもの」から「認めないもの」に切り替わる。即ち、「認めないもの」以外であれ

ば、原則、認められると解される。このことからこれまでの「事前の審査」から、「事後の監督」にシフトすることになる。

8

総体方案の要点 - ④その他

税関による

監督管理

► 「第一線※の開放」の推進し、企業が積荷証明書をエビデンスとして貨物を直接区内に搬入し、

その後改めて貨物明細書を用いて主管税関に申告手続きを行うことを許容する。

► 第二線の安全有効管理を厳格に実施し、出入口管理を改善し、電子情報ネットワーク及び電子

帳簿管理を強化し、区内貨物の各税関特殊監督管理区域内及び税関区域を跨ぐ迅速な流通を

推進する。

貿易分野

► 区内企業のオフショア業務の推進を支持する。

► 区内に国際コモディティ商品の交易プラットフォームを設立することを模索し、エネルギー資源、

基本工業原料と大量の農産品の国際貿易を発展させる。

► ファイナンスリース会社が区内でプロジェクト子会社を設立し、国内外にリース業務を展開するこ

とを許可、支持する。

政府機能

► 条件に合致する外国投資家が自由に投資収益を移転することを許可する。

► 知的財産権の紛争調停、支援等の解決メカニズムを構築する。

► 産業情報を調査、監督管理、集約する総合的な評価メカニズムを構築する。

法律分野

► 「中華人民共和国外資企業法」、「中華人民共和国中外合資経営企業法」と「中華人民共和国

中外合作経営企業法」に定められる行政審査承認の手続きを一時的に調整し、2013年10月

1日から3年間試行する。

9

業界 サービスの種類 開放する主な内容

金融サービス

銀行サービス

► 条件を満たす外資金融機関による外資系銀行の設立を認める

► 条件を満たす民営資本と外資金融機関の共同による中外合資銀行の設立を認

める

► 区内の条件を満たす中国の銀行によるオフショア業務を許可する

健康医療保険 ► 外資による健康医療保険機関の設立を試行的に許可する

ファイナンスリース ► 低資本金額を取り消し、業務範囲を拡大する

運輸サービス遠洋貨物運輸

► 中外合資、中外協同の国際船舶運輸企業の外資持株比率制限を緩和する

► 業務範囲を一部拡大する

国際船舶管理 ► 外商独資による国際船舶管理企業の設立を認める

商業貿易

サービス付加価値通信 ► 外資企業が特定の付加価値通信業務を経営することを許可する

専門的サービス

法律事務所 ► 中国弁護士事務所と外国弁護士事務所の業務提携方式を刷新する

信用調査 ► 外資による参入を許可する

旅行会社 ► 中外合資旅行会社の業務範囲を拡大する

人材仲介サービス

► 外資による出資比率制限を70%まで引き上げる

► 香港、マカオのサービス提供者による独資の人材仲介機構の設立を許可する

► 低登録資本金の制限を引き下げる

投資管理 ► 株式制の外資投資会社の設立を許可する

エンジニアリング設計 ► 申請時の資格に係る要求を緩和する

文化サービス公演運営 ► 外資による出資比率制限を取り消し、外商独資による設立を許可

娯楽施設 ► 外商独資の娯楽施設の設立を許可する

社会サービス

教育研修、

職業技能研修► 中外協同の職業技能研修機関の設立を許可する

医療サービス ► 外商独資医療機関の設立を許可する

添付資料①:自由貿易区におけるサービス業開放拡大措置

10

添付資料②:公布済の上海自由貿易区に関する主な規定

通達号 通達名 公布日

上海市人民政府令[2013]7号 中国(上海)自由貿易試験区管理弁法 2013年9月22日

交水発[2013]584号 上海国際航運センター建設加速に関連する実施意見 2013年9月27日

銀監発[2013]40号 上海自貿区銀行業監督に関連する問題に関する中国銀監会通知 2013年9月28日

滬府発[2013]71号《中国(上海)自由貿易試験区における外商投資プロジェクトの届出に係る管理弁法》の

発行・公布に関する通知2013年9月29日

滬府発[2013]72号《中国(上海)自由貿易試験区における域外投資プロジェクトの届出に係る管理弁法》の

発行・公布に関する通知2013年9月29日

滬府発[2013]73号《中国(上海)自由貿易試験区における外商投資企業の届出に係る管理弁法》の発行・

公布に関する通知2013年9月29日

滬府発[2013]74号《中国(上海)自由貿易試験区における域外投資に係る企業開設の届出に係る管理弁法》

の発行・公布に関する通知2013年9月29日

滬府発[2013]75号《中国(上海)自由貿易試験区における外商投資参入に係る特別措置(ネガティブリスト)

(2013年)》の公布2013年9月29日

CIRC(保監会)による中国(上海)自由貿易試験区の創設支援に関する通達 2013年9月29日

CSRC(証監会)による中国(上海)自由貿易試験区の創設支援に関する政策措置 2013年9月29日

財税[2013]91号財政部、国家税務総局による中国(上海)自由貿易試験区企業が非貨幣性資産による

対外投資等の事業再編行為を行う際の企業所得税政策問題の通知2013年11月15日

中国人民銀行による金融面で中国(上海)自由貿易試験区創設支援に関する意見 2013年12月2日

国発[2013]51号国務院による中国(上海)自由貿易試験区内における行政法規及び国務院通達が規定し

た行政審査・参入特別管理措置の一時的な調整に関する決議2013年12月21日

銀総部発[2014]22号中国人民銀行上海本部による《中国(上海)自由貿易試験区におけるクロスボーダー人民

元の利用拡大支援に関する通知》2014年2月20日

銀総部発[2014]23号 中国人民銀行上海本部による《中国(上海)自由貿易試験区における小口外貨預金金利

上限の撤廃に関する通知》2014年2月25日

匯発[2014]26号国家外貨管理局上海支局による《中国(上海)自由貿易試験区の創設支持に関する外貨

管理実施細則の発行・公布に関する通知》2014年2月28日

銀総部発[2014]24号中国人民銀行上海本部による《中国(上海)自由貿易試験区における資金洗浄・テロ資金

供与の防止作業に関する通知》2014年2月28日

11

前書き

2013年12月2日、中国人民銀行は、「中国(上海)自由貿易試験区の建設を金融面で支持することに関する意見

(以下、改革案という)」を発表しました。改革案における要点は以下の通りです。

1. 全体的な原則

► 貿易、投資の利便性向上や金融の対外開放を進め、

上海自貿区の国際競争力を高める

► クロスボーダー人民元の活用推進、人民元資本項目の

自由両替、金融市場の金利自由化を図り、外貨管理行

政において、改革を試験的に推進する

► コントロール可能なリスクの範囲において、着実に改革

の試行を展開する

2. リスク管理に有利な口座体系の構築

► 試験区内の居住者及び非居住者は人民元又は外貨建

ての専用口座(自由貿易口座)を開設可能

► 口座間の資金は自由に振替可能

► 居住者及び非居住者の自由貿易口座はクロスボーダ

ー融資、保証業務等の取扱い可能;条件が整えば、口

座内の人民元資金と外貨資金の自由交換を認める

► 上海の金融機関は要件に適合する試験区内の企業及

び個人向け、自由貿易口座の開設等を含む関連金融

サービスを提供可能

添付資料③:金融改革案に対する中国人民銀行の意見とEYの見解

3. 投融資に係る利便性の向上

► 企業によるクロスボーダー投資の利便性を向上さ

せ、銀行でクロスボーダー入出金や直接両替がで

きるようにする

► 個人によるクロスボーダー投資の利便性を向上さ

せ、上海自貿区内で就業し、適格とされる個人が証

券を含む各種の海外投資を行うことを認める

► 試験区内の金融機関や企業には上海地区の証券

取引所・先物取引所で投資ができるようにするほか、

区内に子会社を設立した海外親会社が中国で人民

元建て債券を発行することも認める

► 対外融資の利便性を向上させる

► 多様化したリスクヘッジの手段を提供し、条件に適

合する区内企業は海外証券や海外デリバティブへ

の投資を可能にする

12

EYの見解:

当該改革案にある「条件に適合する」、「条件が整えば」などの制限は多数の外資系会社が中国に殺到することを避

けるための考えを示しております。また、今回の発表は細則ではなく、あくまで改革の枠が出てきた形で、詳細につ

いてはっきりしない状態です。ただ金融改革を進める方向性にブレは見られず、試験区での金融改革が期待されま

す。その後、2014年2月20日、人民銀行はクロスボーダー人民元の利用拡大に関する細則(添付資料④参照)を

公布し、また2月28日にマネーロンダリング対策、テロ資金対策に関する細則(添付資料⑦参照)を公布しました。

今後においても一連の新しい細則の公布が想定されますが、私どもは自貿区に関する動向及び各政策の実施状況

等に関して引き続き注視し、適時に皆様へ還元させて頂きます。

4. クロスボーダー人民元利用の拡大

► 上海地区の金融機関は、マネーロンダリング対策にお

ける「本人確認」、「事業確認」及び「デューデリジェン

ス」という3つの原則に基づいて、試験区内の企業や個

人(貨物貿易に係る人民元決済の重点監督リストの対

象とされる者を除く)による入出金指示に従い、経常項

目・直接投資に係るクロスボーダー人民元建て決済業

務を直接手掛けることを可能にする

► 上海地区の銀行とインターネット支払サービス機関の

提携を通じて、クロスボーダー電子商取引(EC)に係る

人民元建て決済業務を提供する

► 規定された用途の範囲内において、域外から人民元建

て資金を借入可能

► 試験区内の企業は、自社のニーズに応じて、グループ

内で双方向の人民元建て資金プールを展開可能

5. 金利自由化の推進

► 自貿区内において金利自由化体制の構築を推進

► 金利自由化体制に対するモニタリング体制を完備

► 条件に適合する金融機関が区内において譲渡性預金

の取扱を試験的推進

► 条件が整えば、一般口座を対象に少額外貨預金の金

利上限を撤廃

6. 外貨管理改革の深化

► 外貨資金プールの管理を簡素化させ、貿易・投

資の利便性を向上

► 直接投資に係る外貨登記の手続きの簡素化

► 国内外リース業務の展開を支援

► 自貿区内企業による海外に対する保証料支払の

事前審査を取消

► 域内顧客向け商品の店頭取引の展開を支援

7. モニタリングと管理

► 自貿区内の金融機関と特定された非金融機関企

業がマネーロンダリング対策、テロ資金対策、脱

税防止義務を遵守すること

► 総合情報管理プラットフォームを通じて非金融機

関の監督管理を実施

► 自貿区内拠点の財務指標は銀行の自己資本比

率へ算入

► マクロ・プルーデンス管理を実施

► 人民銀行がリスクをコントロールできるように細則

の策定や改訂を行う

添付資料③:金融改革案に対する中国人民銀行の意見とEYの見解(続)

13

添付資料④:クロスボーダー人民元の拡大使用に関する通知とEYの見解

前書き

2014年2月20日、中国人民銀行上海総部は「中国(上海)自由貿易試験区におけるクロスボーダー人民元の利用拡

大を支援することに関する通知」(以下、「当該通知」とする)を発表しました。4月21日午後には自貿区におけるクロス

ボーダー人民元利用推進に関する会議が開催されました。これは自貿区における人民元利用の進展を意味していま

す。当該通知のポイントを以下の通りです。

1. 使用プロセスの簡素化により、クロスボーダー人民元

の利用拡大を図る

► 区内の経常及び直接投資項目におけるクロスボー

ダー人民元決済手続を簡素化

► 区内で就業あるいは開業している個人は、個人銀

行決済口座または事業主決済口座を開設し、クロ

スボーダー人民元の受払が可能

2. 実体経済発展へ貢献し、クロスボーダー投資及び貿易

に利便性をもたらす

► 区内の非銀行機関及び企業による人民元国外借

入を認可

► 区内企業のグループ内の双方向人民元プーリング

業務を認可。条件に適合する場合のクロスボーダ

ー人民元集中受払業務を取扱う企業の範囲を拡

► 区内クロスボーダー電子商取引の発展を推進。上

海地区の銀行が区内の決済業務の許可を取得し

た決済機関と提携し、または区内のクロスボーダー

電子商取引の事業を行う機関に対し直接人民元決

済サービスを提供することを推進

► オフサイト·モニタリング及び立入検査を強化し、外

貨管理局(SAFE)によるクロスボーダー資金の監

視を高める

区内クロスボーダー人民元取引サービスを中国外

国為替取引所及び上海金取引所に提供することに

より支援する

3. マクロプルーデンス面の管理強化

► 情報共有プラットフォームを構築する

► クレジットコントロールのニーズに基づき、マクロプ

ルーデンス政策パラメーターを制定することで、クロ

スボーダー人民元借入の規模を柔軟に調整する

► マネーロンダリング対策、テロ資金対策及び脱税防

止の責任及び義務を明確にする

EYの見解:

「当該通知」は、自貿区における経常及び直接

投資項目におけるクロスボーダー人民元の利用フ

ローを簡素化しているほか、人民元国外借入の規

模や使用範囲、クロスボーダー電子商取引決済及

び人民元取引サービス等の新しいビジネスを初め

て明確にしました。

本『通知』はマクロプルーデンス・マネジメントを目

指して踏み出した第一歩であり、銀行によるクロス

ボーダー人民元決済サービスを促進し、多国籍企

業の資金調達コストの低減、及び自貿区における

貿易・投資の促進するのに強力な金融面からのサ

ポートを提供するものと考えられます。

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添付資料⑤:中国人民銀行による小口外貨預金の金利上限撤廃に関する意見とEYの見解

2014年2月25日、中国人民銀行上海本部は「中国(上海)自由貿易試験区における小口外貨預金の金利上限撤廃

に関する通知」(以下、「当該通知」とする)を発表しました。当該通知のポイントは以下の通りです。

► 外貨預金金利の自主決定力を高め、市場の需給に

基づいて外貨預金金利を合理的に決定する

► 外貨預金金利に関するリスク管理体制の構築:金利

リスクの管理目標、評価方法、管理組織体制、リスク

の限度額、ストレステスト等の管理措置の確定

► 国内外の金融市場の金利及び為替レートの動向に

注目し、金利変動のリスク事前対策を適切に行う

► 関連管理弁法を制定すると同時に適時に人民銀行

上海本部に提出する

► 金融機関による試験区内の顧客資質審査の細則を

制定し、口座開設基準を厳格化し、虚偽の身分を利

用して、資金の流用、利ざやを稼ぐことなどを含む

規定違反行為を防止する

► モニタリング分析メカニズムを構築し、要求に則り≪

上海自由貿易試験区外貨業務モニタリング表≫を

記入し、人民銀行上海本部利率管理システム宛提

出する

► 異常な取引については追跡・分析を行い、モニタリ

ング報告を提出する

► リスク防止・コントロールを適切に行い、政策の要求

に則り業務を行う

EYの見解:

「当該通知」の公布に伴い上海自由貿易試験区は全国で率先して外貨建預金金利を完全市場化することになりまし

た。中国人民銀行の利率市場化方針に基づき、金利市場化は「貸付金、預金、外貨、本位通貨」という四つの段階に

分けて進められます。本『通知』の公布は、同「四段階戦略」の重要な一歩を踏み出したことを示しており、また、将来

において全国に拡大するためのしっかりした土台を築き上げました。未だ初期段階にあるものの、金利市場化の健全

な発展を確保するためには、関連リスクの防止も図る必要があります。一方、小口外貨建て預金金利上限の撤廃に

伴い海外市場と連動するようになったため、金利価格の推移の検討にあたっては周辺海外市場の現行価格だけでは

なく、中国国内における外貨の需給状況についても参考にする必要があります。なお、自貿区においては輸出型貿易

型経済であり、巨額の外貨需要に直面しているため、激しい価格競争が想定されます。本『通知』の公布により、金利

市場化の推進において発生しうる不正競争や金利の大幅な変動を有効に監督管理し、金利市場化を着実に推進す

るためのしっかりした土台が築き上げられるものと考えられます。

15

添付資料⑥:国家外貨管理局上海支局による換算レート改革にかかる意見とEYの見解

2014年2月28日、国家外貨管理局上海支局が「中国(上海)自由貿易試験区の創設を支持する外貨管理実施細則

の配布に関する通知」(以下、「当該通知」とする)を公布しました。当該通知のポイントは以下の通りです。

1. 外貨管理にかかる改革を深化させ、貿易及び投資を

促進させる。

► 経常項目の外貨受取・支払の書類審査を簡素化す

る。自貿区の国際競争力の向上を図る。

► 直接投資外貨登記手続を簡素化する。直接投資外

貨登記業務手続チャネルを拡大し、外商投資企業

の外貨建資本金の自由な人民元転換を許可する。

直接投資項目の外貨登記及び変更登記は、銀行で

受理することになる。

► 対外債権債務管理を緩和する。外国からの保証、

国外への保証料の支払に係る行政審査を取りやめ

る。国外外貨貸付上限を株主資本の30%から50%へ引き上げる。国外ファイナンスリース債権の審査

を取りやめ、国内ファイナンスリース業務における

外貨建リース料の受領を許可する。

► 多国籍企業本部による外貨資金集中管理、外貨プ

ーリング及び国際貿易決済センターの外貨管理試

行政策を改善し、試行対象企業の条件を緩和し、

審査プロセス及び口座管理を簡素化する。

► 外貨替算事務を改善し、自貿区内顧客向けコモディ

ティデリバティブの店頭取引展開の利便化を図る。

2. 統計的モニタリング及び分析アラートを強化し、

外貨受領・支払リスクを効果的に防止する。

► 外貨管理データ情報報告義務を厳格化する。

► オフサイトモニタリング及びオンサイトでの立

入検査を強化する。外貨管理局はクロスボー

ダー資金フローの監視を高める。

EYの見解:

これまでのルールでは、外商投資企業は為替決済

の際には対外支払に関する証憑を提示しなければ

ならないとされていましたが、「当該通知」によれば

当該ルールは廃止されることとなりました。人民元

切上げが想定される中で、「当該通知」は、企業に

より多くの投資機会をもたらすものであると想定さ

れます。また、将来における人民元変動を睨み、企

業はよりグローバルな視線と市場化の視点から為

替決済を判断すべきであります。なお、「当該通知」

は「事後監督管理」という金融改革の新しい考え方

を反映しており、貿易・投資の利便化、金融リース

業及びコモディティ商品取引を著しく促進する意図

があります。これにより自貿区内企業や銀行による

外貨決済業務の利便性が高まり、実体経済の発展

や国家戦略の実施、ならびに外貨管理理念・方式

転換の加速に資するものと期待されます。

16

添付資料⑦:中国人民銀行によるマネーロンダリング対策、テロ資金対策に関する意見とEYの見解

2014年2月28日、中国人民銀行上海本部が「中国(上海)自由貿易試験区におけるマネーロンダリング対策・テロ資

金対策業務に関する通知」(以下、「当該通知」とする)を発表するとともに、上海自由貿易試験区管理委員会と交流

協力覚書を締結し、マネーロンダリング対策の協力体制を確立しました。当該通知のポイントは以下の通りです。

► マネーロンダリング対策義務を厳格に履行する。自

貿区に関連するマネーロンダリング対策のための内

部統制システムを整備する

► システムを改善し、多額及び疑わしい取引の報告要

素を網羅的に収集できるようにする

► リスク水準に相応する顧客デューデリジェンス及びリ

スク対応措置を採用する。顧客の実質上の支配者や

実質上の受益者のデューデリジェンスを強化し、場合

によっては自貿区顧客に対するリスクレベルをある

程度引き上げる

► 自由貿易口座及び企業に対するモニタリング及

び分析を強化し、自由貿易口座の資金フローの

背景調査を徹底して行う

► 革新的な業務のマネーロンダリング精査を強化す

る。リスク相応の対応措置を整備した後に革新的

な業務を展開させる

► 自貿区におけるクロスボーダー業務の全プロセス

に対し、マネーロンダリング管理を強化する。マネ

ーロンダリング対策精査、資金モニタリング、ウォ

ッチリストによる監督を徹底する

EYの見解:「当該通知」は、自貿区の安定した健全な発展を確保するために、マネーロンダリング対策及びテロ資金対策が非常に重要である旨を明確にしました。マネーロンダリング対策及びテロ資金対策の徹底は、自貿区における国際化・法制化された市場環境の構築、及び自貿区での事業において発生しうるマネー・ロンダリング・リスクに対する評価の合理性とコントロールの有効性を確保することに役立つと思われます。また、「当該通知」は各マネーロンダリング対策担当機関にマネーロンダリング対策及びテロ資金対策に係る各制度や措置の徹底、革新的及び積極的な模索の実施、ならびにマネーロンダリング対策について今後の横展開と啓蒙可能な経験の蓄積を求めています。

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分野 貴社によるご対応 EYが提供できるサービス

上海自貿区への進出

► 進出戦略を策定し、計画を立案する

► 規制当局とコミュニケーションを行い、投資の可能性を検討の上、会社全体への影響を分析する

► 現在のグループ体制及びビジネス計画に対する分析をサポートし、上海自貿区でのビジネスを構築する際の規制への適合性、投資・融資能力、ビジネスモデル、持分構成、税務効率、クロスボーダー支払等の方面から総合的に検討する

► フィージビリティ・スタディ・レポートの作成支援

► 規制当局との良好な関係を活用し、当局とのコミュニケーションについてのサポート

設立・承認手続及び他の法務

► 自貿区内で拠点を設立する際の規制要件を理解する

► 規制当局との積極的なコミュニケーションを通じて、会社設立に係る許認可を取得し、手続きを行う

► 関連法規の解釈に関する支援

► 貴社の現状と当局による適格要件とのギャップに対する分析とレビュー

► 規制当局との良好な関係を活用し、当局とのコミュニケーションについてのサポート

► 商業登記業務について企業の設立・変更・抹消における関連法律文書の作成を支援する

税務サービス ► 現行の税法と規制及びそれらによる影響を把握する必要がある

► 税法を取り巻く環境が常時変化している現在、税法に関する新情報を把握し、 適な対策を講じる必要がある

► 企業設立段階で財政補助申請、税務査定等税務サービスを提供する

► 日々経営活動における一般税務、税務関連ビジネス・アドバイザリー・サービスを提供する

► 税務申告書作成、会計記帳、賃金制度の立案、年次報告書における開示情報の作成と提出などのサービスを提供する

► 税務ストラクチャーに関する助言及び規制変更に関する解説・説明の提供

► 税務上の 新情報をタイムリーに提供し、法規の変化に対応可能な 適な対策の助言

リスクマネジメントと内部統制

► 自貿区内での規制に対応できる内部統制システムを構築する

► 自貿区内での財務諸表の作成に関する会計方針や会計実務を理解する必要がある

► 関連法規に基づき、効果的な内部統制システムの構築に関するアドバイザリー・サービスを提供する

► マネーロンダリングや不正を防止する内部統制の完備の支援。アンチマネーロンダリング措置の実施状況に対する評価・改善アドバイスを提供し、中国人民銀行の規制に基づくアンチ・マネーロンダリング・システムの構築及びプロセス設計の完備を支援する

► 関連会計処理や会計実施基準の解説に係るアドバイザリー・サービスの提供

監査 ► 当局による規制に基づき、貴社の作成した財務諸表に対する会計監査を行う会計事務所を選定しなければならない

► 登録資本の払込状況、登録資本や払込資本の変更状況に対する験資

► 財務諸表及び関連資料の実在性、正確性、遵守性等に対する監査

► 内部統制監査等の関連サービスを提供

市場での先行者メリットの獲得を目指すために、関連政策の確立を待つことより、自由貿易試験区の今後の展開について、

ポジティブ・アクションの取組みをお勧めします。貴社が上海自由貿易試験区において関連業務を展開されるご意向がござ

いましたら、EYは以下のようなワンストップ・サービスを提供することができます。

EYが提供できるサービス

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► EYはグローバル及びローカルの大手金融機関向けにプロフェッショナルサービスを提供しております。

► EYは自由貿易区に関する豊富な経験を有しております。

► EYは自由貿易区と上海監督当局など、中国の規制当局と緊密に連携しております。

► EYはグローバルで密接に連携しており、シームレスなサービスを提供しております。

EYのプロフェッショナル・チーム

Contact us本資料の内容及び関連事項についてご不明な点がございましたら、以下のチーム・メンバーまで遠慮なくご連絡くださいますよう、お願い申し上げます。

税務

唐栄基(Walter Tong)

グレートチャイナ 税務サービス

主管パートナーTel: +86 21 2228 6888Mail: walter.tong@cn.ey.com

譚綺 (Vickie Tan)

華中エリア 税務サービス

主管パートナーTel: +86 21 2228 2648Mail: vickie.tan@cn.ey.com

劉書尧 (Linda Liu)

EY上海 税務及びビジネスアドバイザリー

パートナーTel: +86 21 2228 2801Mail: linda-sy.liu@cn.ey.com

呉俊(David Wu)

EY上海 税務及びビジネスアドバイザリー

ディレクターTel: +86 21 2228 2823Mail: david.wu@cn.ey.com

アドバイザリー

羅富臨(Philip Rodd)

グレートチャイナ、アドバイザリー

パートナー

Tel: +852 2846 9028Mail: philip.rodd@hk.ey.com

呉健(Jerry Wu)

EY上海 アドバイザリー

ディレクター

Tel: +86 21 2228 3965Mail: jerry-j.wu@cn.ey.com

金融

陳凱(Jack Chan)

グレートチャイナ 金融サービス

主席パートナーTel: +86 10 5815 4086Mail: jack.chan@hk.ey.com

俞健年(Julian Yu)

グレートチャイナ 金融サービス

董事総経理

Mail: julian.yu@hk.ey.com

徐艶(Joyce Xu)

EY上海 金融サービス

パートナーTel: +86 21 2228 2392E-mail: joyce.xu@cn.ey.com

江海峰 (Alex Jiang)

EY上海 金融サービス

パートナーTel: +86 21 2228 2963Email: alex.jiang@cn.ey.com

長谷川敬

EY上海 金融サービス

シニアマネージャーTel: +86 21 2228 5275Email: takashi.hasegawa@cn.ey.com

田川利一

新日本有限責任監査法人 金融部

マネージングディレクターTel: +813 3503 3429Email: tagawa-tshkz@shinnihon.or.jp

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EYについて

EYは、アシュアランス、税務、トランザクションおよびアドバイザリ

ーなどの分野における世界的なリーダーです。私たちの深い洞察

と高品質なサービスは、世界中の資本市場や経済活動に信頼を

もたらします。私たちはさまざまなステークホルダーの期待に応え

るチームを率いるリーダーを生み出していきます。そうすることで、

構成員、クライアント、そして地域社会のために、より良い社会の

構築に貢献します。

EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバル・ネ

ットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバ

ーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グロー

バル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供

していません。詳しくは、ey.com をご覧ください。

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