29 今治・普及だより (正本) - Ehime Prefecture...平成29229929年度年度...

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<今治支局地域農業室・産地育成室>平成30年1月♢発行♢

新技術を使いこなして柑橘産地を活性化~上浦町盛地区と菊間町松尾地区の取り組み~

上浦町盛地区(1.2ha,7戸,18露地園地:上浦盛マルドリ会)と菊間町松尾地区(0.9ha,6戸,11棟ハウス:松尾坊ちゃん倶楽部)では団地型マルドリ施設を導入し、集落営農を視野に入れた生産組織のモデルづくりに取り組んでいます。産地育成室では昨年度から「革新的技術開発・緊急展開事業」を活用して、農研機構西日本

農研センター及びJAおちいまばりと連携しながら、マルドリ方式での栽培実証を行っており、1年目の実証結果を基に「マルドリ活用指針(H29暫定版)」を作成しました。今年度は参画農家にこの指針に基づいた管理を実証していただき、継時的に生育状況を調査することで指針の妥当性を検証し、問題点を逐次改善することで、より良い指針作成を目指しています。

新技術の活用法を定期的に検討(上浦盛マルドリ会)

飼料用米『媛育(ひめいく)71号』の栽培拡大~主食用米と非主食用米のバランスの取れた推進のために~

水稲栽培については、主食用米の生産振興に重点が置かれていましたが、高齢化等による消費量減少に伴って、非主食用米として酒造用や飼料用米が増加しています。今治市では飼料用米として多収性品種の「媛育71号(県の育成品種)」の栽培が、昨年度

「媛育71号」生育の状況 整備されたライスセンター

12haから今年度は26haと増加しています。JAおちいまばりは増加し

た飼料用米の乾燥調製のため、平成28年度に「えひめ型水田フル活用促進事業」を利用してライスセンターを整備しており、飼料用米栽培推進の体制整備を行っています。

マルドリ方式:かんきつ園において、全面マルチと点滴潅水(ドリップ)を組み合わせ、最小の水量で高品質果実を安定的に生産する技術。農研機構西日本農研センターが開発。

地域の担い手によるこうした取り組みは、今後の果樹産地の活性化方策として他の農業者はもとより、関係者からも注目されており、他地域への波及が期待されています。

マルドリ 活用指針 (H29暫定版) 園地名:

◎マルドリかん水施肥 / 施肥設計 ※標準希釈倍数 OKスペシャル=1000倍。くみあい液肥2号=500倍。液体硫安=400倍。

発芽 開花 生理落果・果実肥大 収穫

樹体ストレスに応じて適宜開閉

開花前から 収穫まで

春肥 花肥 夏肥 初秋肥 秋肥

(A) (B) (C) (D) (E)

随時、かん水 節水管理

適宜、時間・回数を増減 樹体ストレスに応じてかん水

雨除け 堆肥堆肥堆肥堆肥 土改材土改材土改材土改材

2月

マ ル チ 被 覆

液 肥 施 用

点 滴 か ん 水

土 壌 改 良

8月 9月 10月 11月 12月 1月柑橘生育ステージ

(愛媛果試第28号)

3月 4月 5月 6月 7月

200

◎活用パターン

720

計 40 40 20

20 2 11月上旬 40 (E) 8.0

初秋肥 8 8 4 液体硫安 (D) 8.0 720

秋 肥 8 8 4 液体硫安 500 140

500 140 20 2 8月上旬 40

5月上旬 35 (B) 8.0

6月上旬 45 (C) 8.0 720夏 肥 9 9 4.5 液体硫安 500 140 20 2

春 肥 8 8 4 液体硫安 (A) 8.0 720

花 肥 7 7 3.5 液体硫安 500 140

500 140 20 2 3月上旬 40

72020 2

施肥基準(N量) (㎏) 施  肥  設  計  ( 液 肥 利 用 ) 日かん水量 (ℓ)

10aあたり 園地あたり 目標N量(㎏) 使用液肥 希釈倍数(倍) 濃度(ppm) 時間(分/回) 回数(回/日) 開始時期 施用日数 1樹あたり 園地あたり

チューブタイプ(ℓ/h/孔) 1.0 有効点滴孔数 12 窒素削減率(%) 50

松尾地区紅まどんな

◎園地情報品  種 愛媛果試第28号 面 積(a) 10 植栽本数 (本) 90

笑顔で国際交流!思い出に残る「しまなみ体験民泊」

しまなみグリーン・ツーリズム推進協議会(会長 西部知香)では、平成26年度から国外の教育旅行の民泊による受入を実施しており、今年度も4~6月にかけて台湾の高校4校(計89人)の受け入れを行いました。歓迎式を終えた後、生徒は各受入れ農漁家に分かれて「夕食作り」や「蛍狩り」、「浴衣

の着付け」などの体験を通じて交流を深めました。一泊二日の体験交流でしたが、翌日の歓送式では別れを惜しむ場面が見られるなど、受入者も「心が満たされる思いがした」との感想を述べています。心配された「言葉の問題」については、漢字による筆談や携帯電話の翻訳機能で対応して

おり、コミニュケーションには何ら支障はないとのことでした。同協議会では、滞在型のグリーン・ツーリズムを推進するため民泊の受入れ家庭を募集し

ています。詳しくは協議会事務局(TEL:0897-72-3343(しまなみ農業指導班内))にお問い合わせ下さい。

歓迎式(よしうみバラ公園) 料理づくりに挑戦 別れを惜しむ(歓送式)

日本一の花木産地を目指して!~ティナス・ピットの生産拡大とPR活動~

「露地栽培が可能で、比較的容易に栽培でき消費者ニーズのある花き(ティナス、ピット)」の産地づくりに平成22年から試験栽培を始め、平成24年度よりJA等の協力のもと、産地づくりに向けた推進に取り組んできた結果、平成29年11月末現在で生産者98人、栽培面積5.1haになりました。平成27年度から「地域コンソーシアム支援事業」を導入し、高品質安定生産・早期成園化や

販売促進活動を関係機関と生産者が一丸となり行ってきた結果、市場で高い評価を得られるようになりました。特に、鮮度保持対策では県農林水産研究所の試験成績を基に、平成29年2月より、全生産者が前処理と輸送中の対策を行うことになりました。このことが市場での好評価に繋がり販売単価アップに現れてきています。愛媛県で行われた国体等では、JAおちいまばり産の花木を使用したリースが開会式会場を飾

り、今治会場でのビクトリーブーケがマスコミで紹介され、知名度向上に役立ちました。

鮮度保持剤利用の荷姿 国体等でPRに用いたリース(左)とブーケ(右)

新規就農を応援します~JA・市と連携して新たな新規就農者確保を目指します!~

管内において減少を続ける農業人口に歯止めをかけるため、現在、地域農業室は新たな地域農業の担い手の確保・育成を目指し、JA・市と連携して様々な活動に取り組んでいます。

新規就農者の確保について、市内の陸地部や島嶼部で就農相談会を開催し、地元からの掘り起こしを行うほか、U・Iターン就農者確保のため、東京や大阪で開催される「新・農業人フェア」への出展を行っています。

また、栽培技術を持たない新規参入者については、朝倉にある(株)ファーム咲創のほか、平成29年度からは新たに大三島に開所した柑橘研修施設を活用し、栽培技術の習得にも取り組んでいます。現在、この柑橘研修施設では北海道、千葉、沖縄から来た3名が「農業次世代人材投資事業」を活用し、2年間の予定で研修を行っています。

※農業次世代人材投資事業(準備型)都道府県が認める道府県農業大学校や先進農家・先進農業法人等で研修を受ける就農希望者に、

最長2年間、年間150万円を交付します。

新・農業人フェアで募集 (株)ファーム咲創でイチゴ栽培を学ぶ 大三島に研修圃場が開所

今治・上島若手女性農業者の会「今治農業女子」の取り組み

商品PR研修

柑橘園地視察

媛かぐや栽培

地域農業室では、就農初期の女性や若手女性農業者等を対象に、技術習得等を目指した今治農業女子講座を開催し、管内に点在する農業女子のネットワークづくりを進めています。

平成27年度に講座を通じて今治・上島若手女性農業者の会「今治農業女子」が結成され、現在31人のメンバーで活動しています。

今年度の講座では、6月にさいさいきて屋で新しい野菜品種を学び、8月に松山市の興居島にて柑橘園地を視察、10月にメンバー圃場を見学し、農業経営の取組について情報交換しました。併せて商品PRやマーケティング、6次

産業化事例研修を行い、女性の視点を活かした経営参画について、知識・技術の習得に努めました。

また、新たに各自の圃場で媛かぐやの栽培に取り組み、栽培や加工などについて意見交換を行い、活用方法等を検討しました。

さらに、メンバー8人が「一次産業女子ネットワーク・さくらひめ」に加入し、情報発信や商品開発に取り組むとともに、県内の女性農業者との交流を深めています。

今後も女性の経営参画を目指して、「今治農業女子」の積極的な活動を支援していきます。

今治市大西町山之内地区における鳥獣害対策の取組み

今治市大西町山之内地区では、今年度から県の「鳥獣害を受けにくい集落づくり支援事業」のモデル集落として、鳥獣害対策に取り組んでいます。この事業は鳥獣害対策の一環として、地域体制づくりを目的に、研修を通して鳥獣害対策の

知識を深め、集落での餌付けが行われないよう情報共有をすすめ、総合的な鳥獣害対策を行うものです。8月に先進地視察研修として、広島県三原市の(農)むくなしが取り組む地域ぐるみの鳥獣

害対策について学び、7月と11月には愛媛大学大学院農学研究科の武山教授を招き、鳥獣害対策技術研修会を開催し、イノシシ等の生態と防護策について研修しました。10月には、集落住民を中心に環境点検を実施し、野生動物の出没状況や被害状況、そして防護柵の設置状況を見回り、状況マップを作成しました。現在は、イノシシの往来の激しい谷筋に複数の園地を囲む鉄柵を共同で設置し、侵入防止に努めています。今後は、「自分たちで守れる集落」を目指して、集落ぐるみで対策活動を推進していきます。

先進地視察研修 技術研修会 共同で鉄柵を設置

全ての加工食品に原材料の産地が表示されます!

これまで、一部の加工食品のみに義務づけられていた原材料の産地表示が、すべての加工食品に拡大されます。平成29年9月1日から、加工食品の中で、一番多く使用されている原材料に産地表示が必要になりました。平成34年3月31日までは、表示を変更する猶予期間とし、準備ができた商品から順次新しい表示にしていきます。※なお、外食や容器包装に入れずに販売する場合、作ったその場で販売する場合は対象外です。

(表示例)

名 称 かぼちゃプリン(洋生菓子)原材料名 かぼちゃ(今治市産)、牛乳、卵、砂糖、生クリーム(乳成

分を含む)/香料内 容 量 3個消費期限 29.12.27保存方法 10℃以下で保存して下さい製 造 者 愛媛県今治市○○町1-1 今治 花江

原材料の中で、最重量のかぼちゃに産地表示が必要になります。

使用された原材料は、量の多い順に表記します。

【今治支局地域農業室・産地育成室】 〒794-8502 今治市旭町1丁目4-9 TEL(0898)23-2570【しまなみ農業指導班】 〒794-2305 今治市伯方町木浦甲4637-3 TEL(0897)72-2325【技術普及グループ(岩城駐在)】 〒794-2410 越智郡上島町岩城3570 TEL(0897)75-2014