Post on 18-Jul-2020
医療機関名:
5060611001
提供’nlaruhoマルホ株式会社
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1寝たきりにならないためにー
監修
大阪警察病院院長
越智隆弘先生
昭和大学整形外科客員教授
阪本桂造
先生
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目次
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CONTENTS
先生からのメッセージ. 1
転倒・骨折は寝たきりの大きな原因!
●お年寄りは転倒しやすい_. 2
●お年寄りは骨折しやすい.._._.._._._._ 3
転倒・骨折を予防しよう1
O転倒しない身体をつくる.
◎骨折しない丈夫な骨をつくる
(遍転倒しない環境を整える.__
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先生からのメッセージ
高齢者の転倒は、身体的にも精神的にもさまざまな障
害をまねく原因になります。転倒による骨折で寝たきり
になったり、転倒することが怖くて閉じこもりになった
りすることが少なくありません。家の中に閉じこもって
体を動かさないでいると、体力は低下して気分はうつ
気味になり、本当の寝たきりになってしまいます。
寝たきりを予防するには、転倒しない身体をつくること
が最も大切です。簡単な運動を「じっくり」「ゆっくり」「根
気よく」続ければ、何歳になっても必ず効果があります。
また、転倒しても骨折しない丈夫な骨をつくることも大
切です。転倒しても起きあがる「七転び八起き」ができ
れば寝たきりにはなりません。
転倒・骨折を予防して、寝たきりを未然に防ぎ、健やか
に暮らせるようにしましょう。
1
パ転働骨折は寝たきりの米きな麓遺ご遍
お年寄りの転倒・骨折による寝たきりが増えています。
J■Jlel,Nお年寄りは転倒しやす輻
年をとるにつれて身体に変化が現れ、転倒しやすくなります。
薬の影響によるめまい、
立ちくらみ。
眼が見えにくくなり、
障害物に気が付かない。
筋力が弱くなり、歩幅が
短いすり足歩行になる。
つま先が上がらないので、
わずかな段差につまずく。
だいたいこつけいぶお年寄りが転倒すると、足の付け根が骨折する「大腿骨頸部
骨折」がよく起こります。ここを骨折すると、起立や歩行が
できなくなり、長期の入院が必要なため寝たきりにつながり
ます。女性の場合、寝たきりの5人に1人が大腿骨頸部骨折
が原因です。
寝たきりの原因 出典:東京都衛生局「すごやか高齢期のために」
÷一脳卒中25% x
大腿骨頸部
絃一脳卒中6°/・
その他57。/。./遍レ\蹴,%
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ア
お年寄りは骨折しやすt
年をとるにつれて骨が弱くなり、骨折しやすくなります。 こつそしょうしょう骨が弱くなる一番大きな原因は骨粗髪症です。
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骨の中のカルシウムが減って、軽石のようにスカスカの状態になる病気
です。骨の量は閉経後に急激に減少するため、50歳以降の女性に多く
見られます。現在、骨粗霧症患者は男性200万人、女性800万人に達し
ていると言われています。
骨の断面図写真提供:浜松医科大学名誉教授井上哲良陪生
加齢による骨量の変化
最大骨量(ピーク・ボーン・マス)
骨量
正常領域
骨折の危険あり
最大骨量の700/o
以下になると骨折
しやすくなります。
10 20 30 40 50 60 70 80(年齢)
骨は毎日少しずつつくられ、少しずつ壊されています。つくられる骨の
量より壊される骨の量が多くなると骨粗霜症になります。女性ホルモン
U=塁・ (骨の形成を促進する)の低下やカルシウム摂取不足、運動不足、遺伝な
どの様々な要因が重なり合って発症します。
3一
ノ 転倒・骨折を予防するために、3つのポイントに注意しましょう。
/ 転倒しない身体をつくる。
転倒しやすい人は、足腰の筋力が弱く、
バランス能力が悪くなっています。
これは、簡単な運動を毎日続けることで改善されます。
できる範囲の運動を
「じっくり」「ゆっくり」「根気よく」
続けることが大切1
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一 4一
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■片脚立ち(ダイナ壽サクフラミうゴ療法)
“
1分間キープ1
11
片脚立ちをする。
(机などを支えにしてもよい)
●左右1分間ずつ
●1日3回を毎日行う
歩行に必要な筋力、
バランス能力が向上する。
大腿骨が強くなる。
膝伸ばし(大腿四頭筋訓練〕
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5秒間キープ1
①いすに座って片方の膝を 伸ばし5秒間力を入れる。
②ゆっくり元に戻す。
●左右20回ずつ
●1日2回を毎日行う
歴巨]歩行に必要な筋力が向上する・
△注鯨●転倒しないように安全な場所で行いましょう。
●膝に痛みのある時や体調の悪い時は行わないで下さい。
●呼吸は自然にして、息を止めないようにしましょう。
●頑張り過ぎないようにしましょう。
5
t.転倒・骨折を予防しよう1 ジ
骨折しない丈夫な骨をつくる。
骨粗嘉症になるとちょっとしたことで簡単に骨折します。
丈夫な骨をつくれば、転倒しても骨折しにくくなります。
食事に気をつける苫
強い骨をつくるには、カルシウムをたっぷり摂ることが大切です。同
時に、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、ビタミンKも必要です。
これらの栄養素を含む食品をいつもの食事に加え、1日3食をバラ
ンスよく食べましょう。
1日800~1000mgのカルシウムを摂りましょう。
カルシウムの吸収を助ける
ヒタミンDを含む食品
●牛乳
●ヨーグルト
●しらす
●メザシ
●にぼし
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●小松菜(ゆで)100g
●豆腐 1/2丁
●ごま 大さじ2杯
丈 、職》ノ
●納豆 ●ほうれん草
●わかめ●ひじき
⑳
●いわし ●かつお
●たまご ●レバー
●干し椎茸
●切り干し大根
一 6一
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食べ物から摂ったカルシウムを骨
に蓄えるためには、運動が必要です。
毎日、少しずつ簡単な運動をしま
しょう。(P5参照)
カルシウムの吸収を助けるビタミ
ンDは、食事以外でも日光にあた
ることにより体内でつくられます。
日焼けするほどは必要ありません。
散歩で顔や手に日光を浴びる程度
で十分です。
その他
喫煙やお酒の飲みすぎは、カルシ
ウムの吸収を悪くするので控え目
にしましょう。
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7一
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転倒しない環境を整える。
外出時はもちろん、家の中も危険がいっぱいです。
日常生活にひそむ転倒の危険要因を取り除きましょう。
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障害物 暗いところ
●敷居は踏んで歩く。(段差を認識する)
●電気コードは人が通らない所へ。
●足元に物を置かない。(整理整頓する)
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●手すりをつける。
●暗いところではライトをつける。
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●洗い場にすべり止めマットを敷く。
●端がめくれないように両面テープで 固定する。
●カーペットを敷かない。
一 8一
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1・’ 匡 1 擁i 讐
転倒を防ぐ歩行補助具。
膝への負担が軽くなり、
歩行が安定する。
ヒッププロテクター
足の付け根の外側に
クッションが入ってい
るスパッツ。大腿骨を
転倒時の衝撃から守り、
骨折を防ぐ。
1転倒・骨折予防に関する公的サービス
各市町村では高齢者のためのいろいろな健康維持対策・生活支援対策を実施
しています。詳しくは各市町村の高齢者福祉担当課へお問い合わせください。
転倒骨折予防教室
生活相談、健康診断、生活指導、運動機能訓
練等を開催するとともに、転倒骨折予防ケア
のための生活環境・習慣の改善を指導します。
住宅改修支援
高齢者向けに居室の改良など住宅改修に関す
る相談・助言を行うとともに、介護保険制度の
利用(住宅改ll多費)に関する助言を行います。
一 9一
中高年からの介護予防読本より
(編集発行東京都福祉保健局)